スポンサーリンク

「ゾッド将軍役が満足出来なかったのも納得」「というか、この話何だったんだよ」と思わざるを得ない『ザ・フラッシュ』ネタバレ感想

【映画パンフレット】 ザ・フラッシュ 監督 アンディ・ムスキエティ 出演 エズラ・ミラー、ベン・アフレック、

『ザ・フラッシュ』を観た。

 

  • 「DCEU」から「DCU」へのブリッジ

バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生(吹替版)

ジャスティス・リーグ(吹替版)

本作は現行ユニバースの「DCEU」とジェームズ・ガン監督をトップに仕切り直す「DCU」のブリッジ的作品。アメコミ史的にはDCの『ジャスティス・リーグ』をマーベルの『アベンジャーズ』が後追いした形らしいが、映画史においては逆の形となった本ユニバース。一時期はMCUとDCEUがライバル的存在となり、アメコミ映画を盛り上げていく未来像も見えていたが、現実は2作目の『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』から既に興行的・批評的にケチがつき始め、6人中4人の単独作品がないまま封切られたヒーロー大集合映画『ジャスティス・リーグ』は惨敗。DCEUは計画を見直しを余儀なくされ、その後は『アクアマン』や『ハーレー・クイン』、『ザ・スーサイド・スクワッド』など単独作品が一定の評価を収めるもユニバースとしての展望は見えず、紆余曲折あった上で「仕切り直す」という結論に辿り着いた。しかし「仕切り直す」といってもこれまでの作品を全てリセットする訳ではなく、一部作品はキャストそのままで継続するという相変わらず中途半端な感じがする決定。しかも早々に残留が決まったのが複数の犯罪で逮捕・起訴などされたエズラ・ミラー演じるフラッシュというのが、その他諸々の背景を振り返ると色々と複雑な気持ちにさせられる采配だった。

 

 

  • 前評判高めも…

THE FLASH
TOMATOMETER 66%
AUDIENCE SCORE 87%
 The Flash - Rotten Tomatoes

そんなモヤモヤの多い本作だが、公開前の評判は異様に高かった。しかもそれはアメコミ映画ファン内の絶賛に留まらず、トム・クルーズやスティーブン・キングなどアメコミ映画のイメージから遠い人物からもそうした声が上がっていた。一方でアメリカの批評サイト『ロッテントマト』の本作の批評家支持率は66%とやや低め。観客支持率も87%と高評価だが、超絶大絶賛という感じでもない。個人的にも「エズラ・ミラーの犯行や状況と劇中のギャグが重なって見えて、ネガティブな気持ちになる」とか「そもそもキャンセルされる人とされない人の違いは何か、とか考え始めてしまう」みたいな部分は置いといても、「走るシーンや戦闘シーンとかはバリバリのCG画面だし、見せ場のスロモーションシーンも『X-MEN』シリーズのクイックシルバーのシーンのバージョン違い感があって既視感があるし、ストーリー面も予告編以上のことはなく、ぶっちゃけそんないいか?」という感じはした。同じゾッド将軍が出演する作品なら『マン・オブ・スティール』の戦闘シーンの方が見応えあったし、「バットマンとスーパーガールを死なせないためにやり直すんだ!」みたいなシーンも何か凄く雑に感じて「もうどうでもいいよ」感があった。

 

 

  • 結局「過去改変」

勿論、この「凄く雑な感じ」はある種製作側の狙い通りでもあり、同日公開の別のアメコミ映画よろしく「マルチバース崩壊を防ぐために運命を受け入れるんだ」みたいな流れになるのだけど、その割には母親のカゴからトマト缶を取り出した後に、缶の配置を変えて「母親殺しの疑いがあった父親はトマト缶を取る時に監視カメラに顔が写っており、犯行時間のアリバイは成立していた!」と余裕の過去改変。「いや、じゃあさっきまでの『過去を変えてはいけない』みたいのは何だったんだよ!」と思わざるを得なかった。案の定バットマンことブルース・ウェインは別の人物に変わってしまっているのだが、これも「DCEU」から「DCU」に移行するための「メタ的な良い改変」ということになるのだろうか…

 

 

  • 最後に…

ワンダーウーマンのサプライズ出演やマイルス・キートン版『バットマン』のテーマソングが流れた時、マルチバースでのニコラス・ケイジ版スーパーマン登場などにはテンションが上がったが、全体的には世評に反して「…」な感じ。最後にバットマンとスーパーガールとゾッド将軍の扱いを見て、「ゾッド将軍役の人が満足いってないのも納得だな」と思った。

 

  • 関連記事

mjwr9620.hatenablog.jp

mjwr9620.hatenablog.jp