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【興行収入】日本では実写映画版『リトル・マーメイド』ヒット、海外視点では「日本は黒人アリエルを差別しない国」認識の可能性

【映画パンフレット】リトル・マーメイド 監督 ロブ・マーシャル 出演 ハリー・ベイリー、ジョナ・ハウアー

日本では実写映画版『リトル・マーメイド』が観客動員ランキング3週連続1位を獲得し、累計興行収入20億円を超えた。初週から2週目の下げ幅は大きかったが、2週目から3週目は高水準を維持しており、最終興行40億円超えが視野に入るヒットとなっている。

 

  • 『美女と野獣』『アラジン』には大きく及ばずも…

アバター:ウェイ・オブ・ウォーター (特典映像付き) (字幕/吹替)

ワイルド・スピード/ファイヤーブースト

勿論、この成績は興行収入120億円超えのメガヒットとなった『美女と野獣』『アラジン』と比較すると1/3程度とかなり物足りない。60億円程度の興行収入を稼いだ『シンデレラ』『マレフィセント』『ライオン・キング』辺りにも劣る成績だ。中には「コロナ禍前の作品と比べるのは…」みたいな声もあるようだが、日本でのこの手のブロックバスター系の大作映画の興行収入はコロナ禍前と遜色ない数字が他の作品では出てるので比較されてしまうのはやむを得ない話だろう。またアメリカのオープニング興行収入の話をしていることを前提に、日本のディズニーの宣伝が「『アラジン』超えの特大ヒット!」というCMをガンガン流しているので、これで「比べるな」というのは無理がある。とは言っても、本作は他のディズニーアニメの実写映画化のヒット作品と比べると分が悪いだけで、現段階で本年度実写洋画上半期No. 1ヒットの『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』の興行収入が43億円、2位の『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』が最終興行40億円程度見込みなことを踏まえれば、やはりヒットであることは間違いない。

 

 

  • 中国・韓国に対して日本はヒット

Japan is another major market where The Little Mermaid is showing some promise. It has earned $10.3 million there since its launch on June 9, and last weekend beat Sony’s Spider-Man: Across the Spider-Verse and Warner Bros.’ The Flash. Word of mouth for The Little Mermaid is looking positive, but Japan is a famously slow-burn market, so it will take another few weeks to make clear how far the film can climb.

‘Little Mermaid’ Becomes a Box Office Hit in the Philippines Amid Racist Backlash Elsewhere in Asia – The Hollywood Reporter

また本作は公開当初「アメリカではヒットしている一方で中国・韓国などアジアでは『アリエルの肌の色』を理由にコケている」みたいな報道があったが、世界から少し遅れて公開された日本については「作品評価もポジティブだし、重要なマーケットになりそうだよ〜」と「稼いでる側」の扱い。実際、日本での鑑賞済みの人の評価は『アラジン』のような絶賛感はないが、少なくともアリエルの歌声に関しては黒人キャスティングに違和感を抱く層からも評価を受けている印象はある。

 

※個人的に日本のサイレントマジョリティは「思い入れないからどっちでもいい」か「『なんで黒人?』とは思ったし、アニメに寄せたビジュアルにして欲しかったけど、観た後はコレはコレで良かった(悪くなかった)」のどっちかな印象がある

 

 

  • 海外視点では「日本は肌の色で差別しない」認識?

リトル・マーメイド(吹替版)

ちなみにSNSで「The Little Mermaid(TLM) Japan」で検索すると、実写映画版『リトル・マーメイド』を熱心に応援する外国人だと思われる垢と熱心に乏したい外国人だと思われる垢のやり取りがみれて面白い。気になる人は実際に検索して確認して欲しいが、「中国や韓国みたいな人種差別的な国と違って同じアジアでも日本みたいに黒人アリエルを愛してくれてる国もあるわ!」的な、日本のSNSでの本作への執拗なバッシングを認識している身からすると「うん…」みたいな、「いや、向こうのファンも世界興行がコケ気味だからプラス材料が欲しいんだろうけど、残念ながら日本はそんな温かい国ではないぜ…」と申し訳なさを感じてしまうような投稿がそこそこある。また「日本ではヒットしている!」的な投稿に対して「日本はディズニー大好き国だから大したことじゃない!」みたいなリプが付いてたりして「個人の意見とはいえ、日本ってそんな風に見られてるのか…」とか何とか思ったりもした。

 

 

  • 最後に…

そんなこんなで世界の中では明確にヒットしている側の日本は実写映画版『リトル・マーメイド』を熱心に応援する海外のファンからは興行収入の数字のみで「日本は黒人アリエルを差別しない国」というありがたい認識を持たれている可能性がある。

 

※当然の話だが、大前提として大ヒットしてるアメリカでも「#NotMyAriel(私のアリエルじゃない)」というハッシュタグが出来る程度にはキャスティング論争は起きてる

 

※中国の『アラジン』の最終興行が5348万ドルに対して『リトル・マーメイド』は最終興行375万ドル程度見込み、韓国は前者が9100万ドルに対して後者が510万ドル程度見込みであることを踏まえると、日本はSNSで極端に否定的な人が目立っているだけで、「黒人キャスティングを比較的受け入れてる人が多い」というのは事実なのかもしれない

 

※アメリカと海外で興行収入に差が生じているのは「黒人アリエル」に対しての意義に対する認識の差もあるのではないか、と思う

 

 

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