2022年2月18日(金)、『金曜ロードショー』でジョニー・デップ主演のティム・バートン監督作品『チャーリーとチョコレート工場』が放送される。
- 『シザーハンズ』で初タッグ
ジョニー・デップとティム・バートン監督が初タッグを組んだ作品は大ヒットアメコミ映画『バットマン』と『バットマン リターンズ』の間の1991年に公開された『シザーハンズ』だった。本作でジョニー・デップが演じたのは両手がハサミの人造人間・エドワード。彼は即席で作られたハサミの手から本物の人間と同じ形をした手に変える直前に彼を生み出した老発明家が突如発作を起こして亡くなってしまったことで「未完成」のままになってしまった。彼の手はハサミ故に凶器だ。それ故に彼は自身を愛するものに近づこうとすると、その相手を悪気なく傷つけてしまう。そしてそれは自分の体も例外ではない。そんな繊細な役を製作スタジオ側は当初トム・クルーズを検討していた。しかしティム・バートン監督は「ジョニー・デップの目」「ジョニー・デップのナイーブさ」、そして「ジョニー・デップがその見た目故にマスコミと世間から誤解を受けている点」からエドワード役は「彼しかいない」と決めたという。そしてジョニー・デップはその期待に見事に応え、それ以降数多くの作品を2人で生み出していくことになる。
- 数多くのタッグ作、その中にはメガヒット作品も
『シザーハンズ』の成功以降、ジョニー・デップとティム・バートン監督は1994年に『エド・ウッド』、1999年に『スリーピー・ホロウ』、2005年に『チャーリーとチョコレート工場』と『ティム・バートンのコープスブライド』、2007年に『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』、2010年に『アリス・イン・ワンダーランド』、2012年に『ダーク・シャドウ』と定期的にタッグを組み、『チャーリーとチョコレート工場』以降はアニメの共同監督含めて5作品連続でティム・バートン監督作品はジョニー・デップが主演の映画を制作した。その中でも『チャーリーとチョコレート工場』は製作費1.50億ドルに対して全米興行2.06億ドル、世界興行4.74億ドル、日本興行53.5億円の大ヒットを記録。更にその5年後の『アリス・イン・ワンダーランド』では『アバター』に次ぐ3D実写映画という立ち位置もあってか、製作費2.00億ドルに対して全米興行3.34億ドル、世界興行10.24億ドル、日本興行118.0億円と当時としては異例のメガヒット作品となった。
- 『ダーク・シャドウ』以降「タッグなし」
一方で2012年公開の『ダーク・シャドウ』以降は2016年公開のティム・バートン製作作品『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』こそあれど、監督作品でのタッグ作品は2022年までもう10年間公開していない。製作作品も前述した『アリス2』以降6年間ご無沙汰だ。この背景には当時「流石にジョニー・デップとティム・バートン監督は組み過ぎ」という批判があった。そうした空気が影響したのか、本作は製作費1.50億ドルに対して全米興行0.79億ドルの大コケ。世界興行も2.45億ドルと振るわなかった。また同時期に「ジョニー・デップは白塗りで酔っ払った演技ばかりしてる」という批判もあった。現に本作の翌年に公開された白塗り主人公・トントを演じた主演映画『ローン・レンジャー』も製作費2.15億ドルに対して全米興行0.89億ドル、世界興行2.60億ドルと大惨敗。更にその暫く後にはジョニー・デップと同じく長年ティム・バートン監督作品に出演してきて、子供を2人持つ事実婚状態だったヘレナ・ボナム=カーターと同監督が破局。その上、この頃辺りからジョニー・デップの行動が問題視されることも多くなり、中々2人で映画を作ることも難しくなっていったと予想される。
- 最後に…
ちなみに世界的に大コケした『ダーク・シャドウ』『ローン・レンジャー』共に、日本では前者が21.6億円、後者が20.9億円とそこそこヒットしてる。個人的には再びタッグ作品を観たい気持ちもあるが、『ダーク・シャドウ』の内容を考えると、ジョニー・デップ・ヘレナ・ボナム=カーター共に暫く距離を置きたい部分もあったのかもしれない。
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