もしかしたら関係者が「シュレッダーにかけて忘れたい!」と思ってるかもしれない2019年度に公開して興行的に失敗した映画。今回は洋画編の前編。
- アリータ:バトル・エンジェル
木城ゆきと先生の漫画『銃夢』をジェームズ・キャメロン監督製作で実写映画化された作品。『銃夢』の実写映画化はキャメロンの長年の夢だったようだが、製作費1.70億ドルに対して全米興行は0.85億ドルと振るわず… 日本の漫画原作であるにも関わらず知名度から「キャメロン製作」の方を前面に押し出す宣伝だった日本での興行も10億円を下回る結果に終わった。本作のラストは続編を期待させる演出だったが実現は難しそう。ただし最新VFXで描かれた3D効果抜群の「モーターボール」の描写は必見。
- ダンボ
ティム・バートン監督がディズニーの名作アニメ『ダンボ』を実写映画化した作品。世評は悪くなかったが製作費1.70億ドルに対して全米興行は1.14億ドル、世界興行は3.53億ドルと厳しい結果となった。日本でも興行収入10億円を超えたが、大ヒットには至らなかった。本編では「資本主義批判」を展開するが、「それはディズニーに向けられてあるのではないか?」と邪推してしまう。
アメコミ映画のリブート作品『ヘルボーイ』は製作費0.5億ドルに対して世界興行0.44億ドルと大惨敗… ギレルモ・デル・トロ監督&ロン・パールマン主演の前シリーズを上回ることができなかった。
- ゴジラ キング・オブ・モンスターズ
ヒットしたイメージが強い『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』だが、製作費1.70億ドルに対して全米興行1.10億ドル、世界興行3.85億ドルと実はかなり厳しい結果。日本での興行収入も「前作超え!40億円突破に向けた好スタート」みたいに報じられていたが、現実は興行収入28.4億円と前作を下回っていた。それでも世界での興行的落ち幅と比較すれば緩やかなレベル。小栗旬も出演する次回作『ゴジラVSコング』での興行的回復に期待する。
- X-MEN:ダーク・フェニックス
新作を作る度に「最後」と宣伝しているイメージの『X-MEN』最新作も製作費2.00億ドルに対して全米興行0.65億ドル、世界興行2.52億ドルの大コケとなった。日本での興行収入も10億円に届かず惨敗だった。本作はシリーズ最大の赤字額を記録したという。ちなみに20世紀FOXはディズニーに買収されたので、20世紀FOX製作の『X-MEN』としては本作が最後だという。次回作からはマーベル・スタジオが製作する。
- メン・イン・ブラック インターナショナル
『アラジン』でウィル・スミスが大稼ぎする横で「ウィル・スミスなし」で製作した『メン・イン・ブラック』4作目は製作費を前作の約半分である1.10億ドルで製作したにも関わらず、全米興行0.80億ドル、世界興行2.53億ドルと振るわず… 「吉本坂46」が主題歌を担当した日本での興行収入も10.3億円と前作の1/3以下に留まった。ソニーは『ゴーストバスターズ』のリブート版も失敗したが、観客としては「過去の人気作を『薄味』にして提供されても…」ということなのだろうか?
「洋画編・後編」に続く。
<洋画編・後編>
シュレッダーにかけて忘れたい!?2019年度大コケ映画<洋画編・後編>
・アド・アストラ
・ジェミニマン
・マレフィセント2
・ターミネーター:ニュー・フェイト
・ミッドウェイ
・チャーリーズ・エンジェル
・キャッツ
<邦画編>
シュレッダーにかけて忘れたい!?2019年度大コケ映画<邦画編・前編>
・来る
・春待つ僕ら
・ニセコイ
・PRINCE OF LEGEND
・居眠り磐音
・貞子
・パラレルワールド・ラブストーリー
・きみと、波にのれたら
シュレッダーにかけて忘れたい!?2019年度大コケ映画<邦画編・後編>
・東京喰種 トーキョーグール【S】
・ダンスウィズミー
・二ノ国
・蜜蜂と遠雷
・空の青さを知る人よ
・楽園
・マチネの終わり