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ジャンクションシステム「理解せず」 ラスボス手前で詰みかけた『ファイナルファンタジーVIII』

ファイナルファンタジーⅧ

1999年発売された『FF8』の売上本数は370万本と『FF』史上最大の売り上げを誇る作品だ。それにも関わらず、同じくPlayStationで発売された『FF7』と『FF9』のような高い評価を得ているイメージはない。それどころか、『FF7』のファンには「8が売れたのは評価の高い7の次の作品だから」とされ、『FF9』のファンからは「9の売り上げが下がったのは、8の評価が低かった影響」とディスられるなど散々な状況。更に『FF8』はソースコードを消失していたため、去年まで「7」や「9」のように色々なハードでプレイできないなど極めて残念な立ち位置にあった。

 

  • 「映像革命」みせつけたオープニング

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ただし『FF8』の映像革命の功績を否定する者は誰もいないだろう。オープニング映像の冒頭で流れる「透き通った青い海が波打つ映像」を見て心揺さぶれた人は少なくないはずだ。そして壮大な音楽と共に表示される英語のナレーションと花畑で一人誰かを待つ謎の少女の姿、いきなりクライマックスかと錯覚させられるほどの激しいソードアクション、今後の展開を予感させる魔女の映像、更に随所に『FF8』のようなタイトルロゴなどが差し込まれているのがとてつもなくカッコよくて「これからどんなスゴイことが待っているのだろう!」とワクワクしたのを覚えている。オープニング映像だけで『FF8』の大作感を存分に味合わさせてもらった。

 

 

  • ファンタジー要素の「魔女」と嫌われた「リノア」

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世界観に関しては正直な話「ミッドガルの次に、学園かよ…」というガッカリ感があったことは否定しないが、その学園が「魔女討伐」のために作られた学園だったという設定だと知ったときは「シッカリとファンタジーとしての一本軸が通っている」と感動した。何故かネットでは「あのまま宇宙で永遠に放浪者になって欲しかった」「助けないとゲームが進まないのが苦痛だった」というコメントが出るほど嫌っている人が多いリノアだって、自分は嫌いじゃなかった。現実世界でリノアから「私のことが……好きにな~る、好きにな~る ダメ?」と言われたらイチコロだし、「太ももが魅力的だから」という不純な理由で常にパーティメンバーに入れていた。ただ画面に自分の顔が反射して映り込む度に、SeeD就任パーティーで自分がリノアから「君が一番カッコいいね」という理由で踊りに誘われることはないという悲しい現実に向き合わされるのは辛かった。

 

 

  • 「ジャンクシャンシステム」の功罪

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主題歌の『Eyes On Me』も『FF8』の大作感を見事に演出していて好きな曲だし、「人間たちの物語」というキャッチコピーも嫌いではない。そのため『FF8』は個人的に結構好きな作品ではあるのだが、ジャンクションシステムには頭を悩まされた。『FF8』は自分のレベルに合わせて敵のレベルも上がるという謎システムから「レベル上げしないゲーム」として有名なのだが、それはジャンクシャンシステムと呼ばれる敵からドロー(奪った)魔法を「攻撃力」や「魔力」に装備することでステータスを上げていくという独特なシステムが背景にある。そしてこの独特なシステムはゲーム冒頭でいきなり「ほぼ文字のみ」による長文のチュートリアルで説明されるため、大抵のプレイヤーは「?」という状況でゲームを始めてしまうことになる。そうなると、こっちのレベルが低いと相手のレベルも低いから敵ボスを倒せないという事態はプレイ初期は起きないのだが、とにかく低い攻撃力で相手のHPを削っていがなくてはいけないという盛り上がりに欠ける、というより緊張感に欠ける長期戦を強いられることになる。

「なんだかな…」と思いながらも、何となくゲームを進めていた自分の場合DISC4辺りで自分のパーティのレベルと相手の敵のレベルのバランスが壊れてしまった。つまりジャンクションシステムを前提としているためレベルの上がり方に対してステータスの上がり方がショボいにも関わらず、ジャンクションシステムを理解せずに進めたためにレベルの割にステータスが低くなり「自分のパーティのHPが2500前後しかないのに、ボス戦で全体攻撃3000以上を喰らい速攻で全滅する」という絶望的な状況に追い込まれてしまったのだ。そのとき自分は初めてジャンクションシステムと真剣に向き合い、対策を練ろうとするも「ボス戦からドローしなくては2度と手に入らないGF(召喚獣)の存在」などを知ってしまい、やる気は限りなく削られていった。それでも当時の自分は諦めず、半泣き状態でザコい敵から魔法をドローしまくったのを覚えている。そんなこんなで何とかエンディングまでには辿り着けたわけだが、「ジャンクシャンシステムが理解できず、クリアできなかった」という人たちの気持ちは痛いほど理解できる。またこのジャンクションシステムはプレイ初期からちゃんと理解していると各地に設置されたドローポイントが意味がなさないほどキャラクターを強化することができ、ボス戦で無双状態となりヌルゲー化するなど「システムを理解していても、いなくても問題の多いシステム」だったように思う。だからといって「なかった方が良かった」とも思えない憎めないシステムだ。きっとこういう尖った欠陥だらけのシステムで「あーだ」「こーだ」いえるのが、『FF8』の魅力だからだ。「二度はやりたいとは思えない」というのが本音だが…

 

 

  • 最後に…

リマスター版は映像が綺麗になっただけでなく「3倍速」機能がついてドローをやりやすくなったり、ジャンクションシステムを理解していなくても「詰まない」ような工夫がされているみたいなので、過去に詰んだ人は再チャレンジしてみると面白いかもしれない。

 

アルティメット ヒッツ ファイナルファンタジーVIII

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