<注意>『ドラクエV』のネタバレ
散々擁護する記事を書いてきた山崎貴監督最新作『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』だけど、実は「ビアンカのリボン」のエピソードがカットされたことに全く納得いっていない。
『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』における「ビアンカのリボン」とは、幼少期のラストで生き別れたキラーパンサーと青年になってから再度仲間にするために必要なアイテム。キラーパンサーはリボンから漂うビアンカの懐かしい匂いで主人公のことを思い出して、再び仲間になるのだ。
ここで重要なのはリボンを使うタイミングが、戦闘中であるということ。他のゲームをあまりやらないから偉そうなことはいえないけどボス戦に対してただレベル上げをして強くなれば勝てるのではなくて、ゲームの物語を感じ取ってアイテムを使わないと仲間にできないというのはやっぱり『ドラクエ』の面白い部分だと思う。
自分のエピソードを書くと、「これ中々倒せないな… あっ、もしかしてあのリボンを!」と思い、袋から取り出して主人公に持たせるために「逃げる」のコマンドを選択するとボス戦にも関わらず一発で逃げれて「あっ、やっぱりこれリボン使うんだ!」と確信に変わった瞬間は凄く嬉しかったのを覚えている。やっぱりゲームをやる楽しさはこういう部分なのかなと思う。だから映画版も「ビアンカのリボン」を使ったんだというシーンにして欲しかったなと思う。
ちなみに同じタイミングで『ドラクエV』をやってた勉強も運動も出来てみんなの人気者だった友人が「キラーパンサーが倒せない」と悩んでたので「レベル上げが大変だった」とアドバイスした。その友人とは中学卒業以来会ってないので、最早友人という括りには入らないのかもしれないが、高校を卒業するタイミングで結構良い大学に進学したみたいな話を聞いたので、当時も今も自分より豊かな人生を送っているんじゃないかと勝手に思ってる。これが自分の『ドラゴンクエスト マイ・ストーリー』であり、人間の小ささだけが浮き彫りになってしまった。そしてこういう話は向こうは全く覚えてなかったりするケースが多い。
「大人になれ」
「でも、あの時の冒険は本物だったんだ!(涙目)」