藤原竜也主演の人気シリーズ・最終回『カイジ ファイナルゲーム』が興行収入20億円を超える悪魔的なヒットとなった。この記録は2011年に公開された前作『カイジ2 人生奪回ゲーム』の最終興行16.1億円を上回り、2009年に公開されたシリーズ1作目にして最高興行収入となっている『カイジ 人生逆転ゲーム』の最終興行22.5億円に迫る結果である。
主演の藤原竜也は本作の初日舞台挨拶で以下のような発言をしていた。
僕がこういうこと言っちゃいけないんですけど、皆さんの応援次第で続けさせていただけるんじゃないかと。『帰ってきたカイジ』とか(笑)
「応援次第」というのは言い換えれば「興行的にヒットすれば」という意味だろう。本作は文句なしのヒット作だ。おそらく製作の日テレもここまでのヒットになるとは予想していなかっただろう。本作の鑑賞動機は「カイジシリーズが好きだから」が圧倒的で、本作を観た人の80%が前作までを観ていたというデータもあるという。そのため固定ファンは多く、『カイジ』のブランドは今回のヒットでより強固なものになったのではないかと感じる。また本作は前作から9年のブランクがあったが、前作まで最新作タイアップも含めて繰り返し地上波で放送されたり、藤原竜也ソックリ芸人がカイジのモノマネをしたりと常に話題を振りまいていたことも今回の動員に繋がったのではないかと考えられる。
今回の『カイジ』は『ファイナルゲーム』と銘打ち、「最終回」として宣伝していたが、同じギャンブル映画である『ライアーゲーム』シリーズも原作にはないオリジナルゲームで挑んだ最終作『ザ・ファイナルステージ』を公開したにも関わらず、2年後の2011年に原作のエピソードをベースとした『-再生-』を公開した。日本映画は「最終作!」と宣伝したのに、シレッと復活することも多いので、最新作を「最終回」と宣伝した点に関しては何ら問題ないだろう。ヒット作の続編が作られない理由は大抵「主演か原作者のどちらかが渋る」だ。今回の場合、主演の藤原竜也は上述した通り続編を期待させるようなコメントをしている。
そして原作者の福本伸行も最新作のインタビュー内で以下のような発言をしている。
次、仮にあるとしてもオリジナルストーリーだろうな。あるいはワン・ポーカーだけ使うかかなと。
結構続編には前向きなようだ。
ちなみに次回作品もオリジナルストーリーの可能性が高いという。その理由は映画は最新作で原作とは大きく違う流れになったからだという。確かに原作のカイジは国家相手にギャンブルを挑むような大きな戦いはしていない。一方で「ワン・ポーカー」という原作のギャンブルを使う可能性も示唆している。
何はともあれ、『カイジ ファイナルゲーム』の続編が作られる可能性は高そうだ。