大ヒット上映中『カイジ ファイナルゲーム』のオリジナルギャンブルにおけるツッコミポイントまとめ。
本作のアバンタイトルで行われるギャンブル。塔のテッペンにあるカードを取った者が勝利という単純なゲーム。「少し単純過ぎないやしないか?」とも思ったが、このギャンブルは帝愛主催ではなく大富豪の個人が開催したギャンブルだからご愛嬌。大スクリーンに見合うドタバタ劇で映画の「つかみ」として良かったと思う。ただこのギャンブルに対してカイジは隣のビルから細長い柱をかけてカードを取ろうとするわけだけど、「もう少し横幅のある柱は用意できなかったのか?」と思わざるを得ない。予告編でもやってる通り「これじゃ、例の橋じゃねーか!」という「ブレイブ・メン・ロード」ネタがやりたかったのだろうけど、「ツッコミなし」では観れなかった。あと、「もう少しカード近くまで柱伸ばせなかったのか?」とも感じた。映画としてはジャンプというアクションシーンが作れて良かったのかもしれないけど、「もうちょっと頑張れよ!」と思った。
本作のメインギャンブル。秤にかけられる2人が「自分の財産」「家族の財産」「友人の財産」「会場にいる観客の財産」などを金塊に変えてその重さで勝負するギャンブル。会場にいる観客の心をどこまで掴めるかが、勝負となる。このギャンブルも「バベルの塔」同様スクリーン映えをするが、藤原竜也と吉田鋼太郎の演技合戦を引き立てる「舞台装置」としての役割も大きい。お金が足りなくて「どうするのかな?」と思ったら、カイジが「別のギャンブルで10億円稼いでくる!」と走り出すも、予めやるギャンブルを決めていない無計画ぶりに驚いた人は結構いたようだ。ただ個人的には決着時に時計の針からコインが落ちてきて逆転勝利のが驚いた。それも1回だけならまだしも、2回も同じ展開が続いたのは「天丼ギャグ」のよう。そもそも「いくら時計の針の動くスピードを早める仕掛けをしていたとしても、あんなに早く2分分も針が進むか?」というツッコミと、「1回目に数枚のコインが落ちてきたときに結構差があったのに、半カケのコインであそこまで針がカイジ側に傾くか?」という2つのツッコミが浮上するが人間ドラマ的には悪くない展開。ただただ苦笑いのが勝ってしまったが…
- ドリームジャンプ
「10人中9人が死ぬ」という自殺志願者を集めたギャンブル。カイジも10億円を集めるために特別ルールとして1人で挑戦するが、その作戦は「電気を止めて、助かる番号を前のゲームの番号から変えさせない」「前の番号の特定方法はゴミ箱から前のゲームのチケットを集めて(このギャンブルは何番の自殺志願者が生き残るかを競馬のように観客は賭けをしている)、数字がない番号」というもの。後者はともかく、前者は確証がなさ過ぎる展開で「よく命かける気になったな…」と思わざるを得ない展開。まー、カイジは結構思いつきでギャンブルに望むところがあるからツッコミがヤボなのかもしれないが… それより番号を伝えるシーンの雑さも凄かった。口の開き方が「うー」だったことから、「最後の口の形が『うー』となるのは、『9』と『10』のみ。どっちだ?」とか藤原竜也が脳内ナレーションを炸裂させるんだけど、「何を観せられてるんだ?」感は半端なかった。藤原竜也がバカなこと真剣に考えてるという意味では面白かったが… 結局カイジは10番を選ぶも、ギリギリのところで9番に変更。まー、ここら辺の展開は伏線回収として悪くないが、「アレって、あんな直前に番号変更できるものなの?」という感じは否めない。
- 黄金ジャンケン
『カイジ 人生逆転ゲーム』がジャンケンで始まったのだから、『ファイナルゲーム』はジャンケンで締めようという意味で作られたギャンブル。3回勝負のうち1回は金を握ってグーを出さなくてはいけないというルール。適役の福士蒼汰はこのギャンブルは「負けなし」だが、その理由は相手が重さ2.5キログラムの金を握れば肩の角度などが変わり、その角度などから金の玉を持っているかどうか判別していたというもの。「そもそもそんなことできるのか?」というツッコミと「ていうか、イカサマじゃないのかよ!」というツッコミが浮上してしまうシーン。まー、いいんだけどさ… 勝負の決着もカイジが金を握らずにグーを出すというありがちな展開。しかも直前で引っ張り過ぎるから、そうなることはバレバレ。結構アッサリした決着だったけど、利根川なら「まさか、コイツ金を握らずにグーを出すのでは!?」「いや、コイツの場合そう思わせて…」みたいに裏の裏の裏まで読もうとして、二転三転する面白さがあったと思うけどな… 結構アッサリ引っ掛かった福士蒼汰演じるエリートなのでした…
というわけで、『カイジ ファイナルゲーム』のツッコミポイントをまとめでした。最後に吉高由里子と山本太郎がチョイ役でもいいから出て欲しかったというのが本音ですが、自分はこの映画かなり楽しみました!『カイジ』が好きな人は分からないけど、藤原竜也が好きな人にはオススメ!
(C)福本伸行 講談社/2020映画「カイジ ファイナルゲーム」製作委員会