MCU最新作『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』に対して「ドラマ『ワンダヴィジョン』を観てない人を置いてきぼりにしてる」的な批判があるらしい。
- 日本には「ドラマ→映画」が多い
それに対しての個人的な意見は「別に良くね」という感じ。というのも自分は日本の「テレビドラマを前提とした映画」が当たり前の世代。だから日本の「ドラマ→映画」スタイルへの「映画ファン」と「ドラマファン」からの「テレビドラマをそのままスクリーンで流すのは映画ではない」とか「ドラマ内で完結させて欲しい」みたいな批判は「そういう意見もあるんだな…」くらいの見方をしてきた。そのため堤幸彦監督演出の『SPEC』のドラマが映画にぶん投げエンド(とはいっても、放送当時は映画化が決まってた訳ではないので文字通りの『ぶん投げ』ではあったが…)でも「別に良くね?」と思ったし、小栗旬主演の『信長協奏曲』が「映画に続く」で炎上した時も「まー、最初から言っておいて欲しかったし、映画公開までの期間が空いてるのはアレだけど、映画に続く事態は別に良くね?」と思った記憶がある。だから今回のMCUに関しても、その延長線上で「ドラマまで追うのはかったるいな…」とは思いながらも「別に良くね?」というスタンス。勿論、MCUには「これまで映画だけを積み重ねてきたんだから、ドラマはやめて欲しい」みたいな反論もあるのだろうけど、それはドラマファンが「ドラマで積み重ねてきたのに、完結編だけは映画見たいのはやめて欲しい」みたいのと一緒で「気持ちは分かるけど…」的な感じ。
- マニアがジャンルを滅ぼす
「ファンタビ」第4&5弾の実現は、最新作「ダンブルドアの秘密」の興行次第 - 映画.com
— ゴミ雑草 (@mjwr9620) 2022年4月18日
→ 第3弾「ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密」に関しては製作費を1億ドルに下げたものの、新型コロナウイルスの影響でコストがかさみ、結局2億ドル近くに
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一方で「MCUはもうサブスクに加入しないドラマを観ない層は置いていくつもりだから」的なのは「うーん…」という感じもする。そもそも本作は別に『ワンダヴィジョン』を観ていなくても余程文脈が読めないタイプでない限り「多分そういうことだろう」くらいの予想はつくだろうし、それで一応楽しめるレベルにはなっていたように思う。ただそれとは別に「MCUはもう〜」みたいのは「マニアがジャンルを滅ぼす」という言葉を連想せざるを得ない。MCUの観客が脱落していき、それでいて新規客が入らないのなら興行収入はどんどん下がっていき、シリーズは先細りしていき、最後はみんなから飽きられる形で打ち切りになる。勿論、今のMCUはイケイケなのかもしれないが、アレだけ人気を誇っていた『ハリー・ポッター』シリーズの前日譚『ファンタスティック・ビースト』シリーズの3作目『ダンブルドアの秘密』が興行不振により打ち切りの危機に瀕していることを踏まえれば、今の人気はいつまでも続くものではない。特にMCUのようなメガヒット作品はライト層の支持が大きい。今後同じ規模で作品を続けるならライト層からの支持は不可欠だし、現段階ではMCUサイドも「全てが繋がる」としながらも「これだけ観ても大丈夫」というスタンスを保っている間はライト層が離れていくような発言は控えた方がいいのではないか、などと思った。
- 途中から入った経験
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— 2022年 大河ドラマ「鎌倉殿の13人」 (@nhk_kamakura13) 2022年2月7日
だいたい10分で分かる!#鎌倉殿の13人
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とはいってもライト層からすればどんどん敷居の高いシリーズになってるのは事実。「ここから観ても大丈夫だよ」と言われてもやはり抵抗感が大きい。ただ昔を思い出してみると、割と映画にしろドラマにしろマンガにしろ、途中から入って、続きが気になって、ハマっていって、その前に何があったか気になりだして過去の話も見る、みたいなことは結構あったような気がする。というか、子供の頃は全部途中から入っていたような気がする。多分、現在大ヒット上映中の『名探偵コナン』の原作漫画やアニメだって今や1話から順番に追ってる人より途中から入った人が大半だと思う。そして、話の途中から入って分からないことがあっても、その手のことに詳しい友達やネットからその前にあったことの情報を得て、脳内保管しつつ「自分も見てみたいな〜」とか興味をそそられて昔の話を確認した経験が自分にはあるし、結構多くの人が共有してる経験なのではないか、とも思う。また近年はNHKの朝ドラや大河ドラマを始め、民放の連ドラも基本的にダイジェスト映像の無料配信に力を入れていて、そこから本放送や過去回の配信の視聴に入ってもらおうと「途中から入ること」へのハードルを下げる努力をしている。そのため、MCUもそろそろ公式の総集編みたいのを作ってもいいのではないか、などと偉そうなことを思ったりもした。
※今のMCUファンも『アイアンマン』から順番に追ってた人だけでなく、展開中の作品の一つを好きになって、そのまま芋づる式に好きになったみたいな経験の人も少なくないイメージ
※ただMCUの場合、『アイアンマン』の地上波放送回数が突出してるからやっぱり好きになったキッカケはMCU1作目の『アイアンマン』という人も多そう
※MCUの1作目と知らずに『アイアンマン』観ていたという人も結構いるだろうから、そう思うと「意識せずにMCU始めてました」的なデビューの仕方をした人も多いはず
※『名探偵コナン』に関して1作目で「オレの名前は工藤新一〜」という紹介シーンを入れたのが「アニメとか観てなくても大丈夫だよ」という安心感を生んでいるような気がしないでもない
※『名探偵コナン』は基本1話完結だから途中からも入りやすいし、「コナンが新一」と知ればどういうことか前の展開が気になるし、一度離れてしまった人も久々に映画を観れば新しいキャラクターのことが気になるしで、複雑になってるのにライト層が「ついてきやすい」「途中から入りやすい」部分が多い気がする
※それを言ったらMCUも…(補足にキリがなくなるからそろそろやめる)
- 最後に…
ところで、本作においては「『ワンダヴィジョン』を観たほうがいいのか」以前に「そもそも『ワンダヴィジョン』なんでドラマは知らない」的な人も結構いるそうである。実際自分も初配信時はMCU初期のドラマみたいに本編には関係ないスピンオフという甘い認識を持っていたので、自分よりもライトにMCUに触れてる人なら存在自体に気づかないというのも理解できる。ただそういう人はそういう人で「あの赤い魔女の人、敵になっちゃったんだね」くらいの感じで楽しんでそうな気がしないでもない。
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