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GW映画興行収入レポート2023/『コナン』『マリオ』『MER』『東リベ2』『GotG3』大ヒット、実写映画版『聖闘士星矢』は爆死

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超大賑わいだった2023年ゴールデンウィークの映画興行収入まとめ。

 

  • 『名探偵コナン』、念願の100億円突破

【チラシ2種+新聞付映画パンフレット】 『名探偵コナン 黒鉄(くろがね)の魚影(サブマリン)』 出演:高山みなみ.山崎和佳奈.小山力也

毎年恒例の『劇場版名探偵コナン』シリーズ最新作『黒鉄の魚影』が念願の興行収入100億円超えのメガヒット。『名探偵コナン』シリーズは2018年公開の『ゼロの執行人』の最終91.8億円を皮切りに近年毎作興行収入100億円突破が期待されるも中々その壁を突破出来なかったシリーズ。そうこうしている間に『鬼滅の刃』『シン・エヴァ』『呪術廻戦0』『ONE PIECE』『スラムダンク』とライバル作品は次々と100億円を突破。製作陣は昨年公開の『ハロウィンの花嫁』で100億円を超えると見込んでいたが、こちらも97.8億円で惜しくも届かず。「今年こそは100億円を」と意気込み、昨年の反省点を活かしてSNSでのプロモーションを積極的に展開。初めてコナンを観る人やコナンから暫く離れてた人たちの取り込もうという狙いだったという。その甲斐もあってかオープニング興行収入から30億円を超えるメガヒットスタートを切り、最終興行はゴールデンウィーク明けの段階で念願だったシリーズ初の100億円を突破。ストーリーも「黒の組織が老若認証システムで死んだはずのシェリーと灰原哀が同一人物だとバレる」という踏み込んだ展開だったのも原作ファンだけでなくライト層からの関心も引いた。エンディング手前の灰原の行動には多くの劇場でどよめきが起きたという。

 

  • マリオ、全世界に続いて日本でもメガヒット

Peaches

世界一の売り上げ本数を誇る任天堂の人気ゲーム『スーパーマリオ』シリーズを『ミニオンズ』などのイルミネーションスタジオが3DCGアニメ映画化し、世界興行10億ドルを超えるメガヒット作品『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』が日本でも興行収入100億円突破が見込める大ヒット。ゲーム映画としてはオープニング興行の18億円だけで『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』の最終14.2億円、『モンスターハンター』の最終12.5億円を超え、最終的には『映画 妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!』の最終78.0億円や『劇場版ポケットモンスター ミューツーの逆襲』の最終72.4億円を抜いてゲーム映画歴代1位になる見通し。イルミネーションアニメとしても日本での最高ヒット作品『怪盗グルーのミニオン大脱走』の最終73.1億円を超えるのもほぼ確実だろう。本作のヒットの背景には共同プロデューサーに「マリオの生みの親」である宮本茂氏が参加して、ゲームの楽しさをそのまま映画に落とし込んだことなどが指摘されている。上映時間の短さ故の回転率の高さや3D上映の充実度によるチケットアベレージの高さもプラスに働いているのかもしれない。「Nintendo Switch」の売上が伸び悩み減収減益の任天堂は本作のヒットを持ってIPビジネスの拡大を加速させる予定。楽しい映画である反面、「映画評論家はどうとか」みたいな楽しくない話題をSNSではよく見た。

 

 

  • 『東京リベンジャーズ2』、運命観たら決戦も

映画『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -運命-』オリジナル・サウンドトラック (特典なし)

和久井健先生の大ヒットヤンキータイムスリップ漫画を北村匠海主演、英勉監督で実写映画化した『東京リベンジャーズ』の続編。前作は一昨年の夏に公開されて興行収入45.0億円の大ヒットを記録したが、今回は最終25〜30億円程度見込みとヒットはしているが前作には及ばないような結果。本作は『血のハロウィン編』を『運命』『決戦』の2部作で描いた作品だが、前編の『運命』が一本の映画の本当に前半部分で終わるということで「後編のための長い予告編のようだった」という声が多数。とはいっても「舐めてるのか!」と怒ってるのは一部の映画ファンくらいで「後編が早く観たい!」とポジティブな声の方が多数派な様子。実際自分も「今後の布石を置くだけ置いて何も解決しないで終わった」と笑いながら語り合ってる男女ペアを見かけた。CMのように「東リベ祭り、開幕!」「運命観たら決戦観たくなる」のノリで観るのが正解か。後編の『決戦』は6月30日公開。この手の二部作連続公開にしては珍しく2ヶ月半も開く。

 

  • 高視聴率ドラマ『TOKYO MER』、映画もヒット

【映画パンフレット】 劇場版 TOKYO MER 走る緊急救命室 監督 松木彩 出演 鈴木亮平、賀来賢人、中条あやみ

鈴木亮平主演の『劇場版TOKYO MER』が興行収入40億円以上も見込める大ヒット。本作は2021年夏クールにTBSテレビ『日曜劇場』枠で放送され、最終回で番組最高となる19.5%の高視聴率を記録した大ヒット医療ドラマの劇場版。他の医療ドラマと異なりオペ室搭載の大型車両・ERカーで事故現場に駆け付けるという内容から、ドラマ放送当時から「映画並みのスケール」との声もあった。ドラマ版では全て架空の現場だったのに対して、劇場版では実際にある横浜のランドマークタワーを舞台にした物語が描かれているのも特徴。この手のドラマの映画化の定番ではあるが、劇場版公開前にスペシャルドラマを放送したのもプラスに働いたようだ。ドラマファンからの満足度も物凄く高い。一方で一部の映画ファンから予告編の鈴木亮平の絶叫シーンがネタにされてたが、「違うんだ、アレはテレビドラマの最終回手前でそれまで死亡者0を貫いてきたチームが初の死者、それも自分の妹を救えなかったことで、常に柔和な笑顔と冷静な判断でチームを導いてきた主人公が初めて感情を剥き出しに泣き叫ぶ、的なシーンで常日頃からあんな感じではないんだ…」と反論したい。

 

 

  • 実写映画版『聖闘士星矢』、日本では爆死

【映画パンフレット】 聖闘士星矢 The Beginning 監督:トメック・バギンスキー 出演:新田真剣佑、ファムケ・ヤンセン、マディソン・アイズマン、ディエゴ・ティノコ KNIGHTS OF THE ZODIAC

車田正美先生が1986年から1990年まで『週刊少年ジャンプ』で連載していた累計発行部数5000万部を超える大ヒット漫画の実写映画版『聖闘士星矢 The Beginning』が爆死。東映アニメーションが製作費6000万ドルを全額出費し、ハリウッドの制作チームを雇う形で実写化。製作側は全6部作を想定しており、昨年末の『日本経済新聞』では野村証券のリサーチアナリストが「興行収入30〜40億円程度」と分析するなど期待作であったが、日本での興行収入は惨敗。今年のゴールデンウィークはどの映画も満席と話題になったが、本作は逆にガラガラで悪い意味で話題になった。ただ原作ファンからの評価は「酷すぎる」との批判意見もある一方で、「意外と良かった」「原作をリスペクトしてる」「今の映画として真面目に作ってる」「続編が観たい」と意外と高評価。仙台のシネコンのマリオの上映回で本作が間違って上映されたことも注目を集めた。余談だが昨年ガーシーは真剣佑の暴露話で『聖闘士星矢』の公開を延期に追い込む、という趣旨の話をしていたが、最終的に両者に関しては刑事事件に発展することなく「手打ち」にしたそうだ。

 

  • 日本では伸び切らなかった『GotG』シリーズ

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3 (オリジナル・スコア)

ジェームズ・ガン監督のMCU最新作『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』が他作品が強すぎる故に週末動員ランキング初登場5位に甘んじるもオープニング興行収入6.72億円超えのヒットスタート。ただ2014年公開のシリーズ1作目が当時のMCUとしては『アイアンマン』シリーズ、『アベンジャーズ』に次ぐ興行収入10億円突破作品だったことを踏まえると、その後の日本でのMCUの浸透度に対してシリーズを通して伸び切らなかったな、という印象も否めない。せめて一度は地上波で放送して欲しかった。作品の評判はフェーズ4以降のMCU作品としてはブッチギリ、ジェームズ・ガン監督が本作を持ってMCUから卒業してDCUを率いていく立場になることから今後のDCUへの期待とMCUへの不安が広がっている。

 

 

  • 最後に…

「映画料金の値上げを政府じゃなくて一企業を批判する人って結構いるんだな」「森元会長の『女性の話は長い』発言レベルの感覚で無自覚にアニメやドラマを下に見てる人って結構いるんだな」「映画評論家を勝手なイメージで叩かまくって悦に浸る人って結構いるんだな」「席の離れたカップルのために席を譲らないのは心が狭い扱いする人って結構いるんだな」「画面光度を最低の状態にすれば映画館でのスマホの使用を許容する映画アドバイザーっているんだな」と思ったゴールデンウィークだった。今年のゴールデンウィークは久々に多様な商業作品が公開されて幅広い客層が映画館に詰めかけたようで何より。主要映画館では歴代最高を記録したという。

 

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