実写版『【推しの子】』のドラマと完結編の映画のビジネス的評価に乖離が生じている。
- ドラマは再生回数好調も映画は…
⋱🐰ドラマ【#推しの子】🍓⋰
— 【推しの子】ドラマ&映画公式 (@oshinoko_lapj) 2024年12月27日
🌟歴代1位の国内視聴数を記録🌟
日本のAmazonオリジナル作品で
配信後30日間における歴代1位の
国内視聴数を達成✨
みなさまありがとうございます🙇
ドラマの続きを描いた
【#推しの子】-The Final Act-は絶賛上映中🎬
感想は #推しの子実写 で
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Amazonプライム・ビデオのオリジナルドラマとして配信されているドラマ版は配信後30日間での国内再生回数が歴代1位のヒットを記録している。一方で映画の方はオープニング興行が1.33億円で、観客動員ランキングは初登場7位。全国363館での東映配給の映画であることを踏まえると、実写邦画のヒットの一つのラインである10億円超えは狙っていたと思うが、このオープニングだと中々厳しい見通し。
- 発表当初から反転した評価
『【推しの子】』の実写版は最初にビジュアルが公開された際にはSNSでネガティブな意見が目立つ反面、それぞれの役者が演じるキャラクターと役者のバックボーンがメタ的に連動していることから「これは意外とイケるのではないか」とのポジティブな意見も少なくなかった。そしていざドラマ版の配信が始まると、それなりに評判も良く、YouTubeにアップされたB小町のライブパフォーマンス映像に対しても好意的な評価が集まった。アニメの音楽をそのまま持ってきてるのも良かったのかもしれない。更にカミキヒカル役に二宮和也がキャスティングされることが発表されると、SNSでの反応は発表当初とは反転して、ポジティブな意見の方が圧倒するようになった。
- ドラマ配信と映画公開の期間が短い
そんな経緯を辿った実写版だが、ドラマの再生回数が好調に対して、映画の興行収入は不調。もしかしたら「サブスクで無料感覚で見れるドラマと映画館まで行ってチケットを買って観る映画ではハードルが違う」ので「ドラマはそれなりに面白かったけど、映画を観に行くほどでは…」と判断されてしまっただけかもしれない。その一方で一般的なテレビドラマの劇場版はドラマの放送から映画の公開まで最低でも半年、大抵は1年は空ける。しかし本作はアマプラでドラマの最終話が配信されてから、映画が公開されるまでの期間が2週間程度。製作陣からすればスピード感を重視したのだろうが、ドラマと映画の期間が短すぎる感も否めない。『不適切にもほどがある!』『虎に翼』『地面師たち』など今年流行したドラマのヒットの経緯を見ていても、初回放送直後、配信初日直後から一気に話題になるというよりは、インフルエンサーなど影響力のある人たちの発信や口コミを経て、少しの間を置いてから一気に広まった、という印象を受けた。その意味では本作は「気になるけど、ドラマを全話観終わる前に映画が公開されちゃった」「作品の存在を知った時にはもう映画が公開されていて、今からドラマを全話見るのはキツい」みたいなケースで取り逃した客も少なくないのではないか。
- 最後に…
#MステSUPERLIVE
— music station (@Mst_com) 2024年12月27日
♱⋰ ⋱*⋰ ⋱♱⋰ ⋱*#B小町 が歌唱後に
来てくれました❤️🤍💛
キラキラした
パフォーマンスは素敵でしたね⭐️
♱⋰ ⋱*⋰ ⋱♱⋰ ⋱*#Mステ #齊藤なぎさ #原菜乃華 #あの pic.twitter.com/7rPb0KExbV
勿論、ドラマと映画の期間が一定程度空いていても結果は変わらなかったかもしれない。ただ年末のMステにB小町が出演してパフォーマンスを披露した際のSNSの好意的な反応を見ると「夏くらいにドラマを配信して、B小町が『鬼滅の刃』のLiSAや『ONE PIECE FILM RED』のウタみたいに秋や冬の音楽特番でパフォーマンスを複数回披露して、一定の認知度と評価を得た状態で年末に映画公開」的な流れで、これまで作品に触れてこなかった人たちも巻き込む実写「B小町」ブームみたいのを本当に作れたら、もっと違う結果もあったのではないか、という惜しさもある。当然「そんな上手くいく訳ないだろ!」とツッコまれるのだろうが、『【推しの子】』にはそれくらいのポテンシャルはあると思うし、「マンガ(フィクション)から生まれたアイドルが現実世界でもヒット」的な夢物語も見てみたかったし、それくらいやらなきゃいけない作品だったのではないか、とも思う。
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