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寄り道なしでRPGをプレイしているような感覚でサクサクと物語が前に進むNetflixの実写ドラマ『ONE PIECE(ワンピース)』感想

One Piece Tango

Netflixの実写ドラマ『ONE PIECE』を観た。

 

  • Netflixで実写ドラマ化

全世界累計発行部数5億1000万部を超える尾田栄一郎先生の人気漫画『ONE PIECE』は「最も多く発行された単一作者によるコミックシリーズ」としてギネス記録にもなっている世界規模のメガヒットコンテンツ。そんな本作がNetflixでついに実写ドラマ化された。『ONE PIECE』はかねてより「海賊モノのヒットは『パイレーツ・オブ・カリビアン』くらいしかない」とか「水モノの撮影は難しい(だからこそ『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』の水表現は高く評価された)」とか「ゴム人間をCGで再現するのが大変」みたいな理由から「実写化は難しい」との共通認識があった。要は「実写化するのにどんだけの金が必要なんだ」という話だ。しかも仮に予算が降りたとしても映画の場合は尺は2時間+α。12巻に及ぶ「東の海編」だけでも丁寧にやれば「何本映画作るんだよ」と現実的ではないし、だからと言って一本の映画にまとめようとすると大幅な原作整理が必要で「コレジャナイ感」が漂うのは間違いない。その点ドラマは週刊連載という形態の漫画メディアとの相性は抜群だし、尺的にもシーズン1のみで約1時間のドラマが8話分と2時間の映画に換算すると4本分のボリューム。ドラマは映画よりも予算が劣る面もあるが、そこは流石のNetflix。一定レベルのクオリティを担保できるだけの資本を提供してくれる。そんなこんなでNetflixのドラマ『ONE PIECE』はサブスク時代だからこその理想的な実写化だったのではないか、と思う。

 

 

  • 寄り道なしのRPGをプレイしてるような感覚

とは言っても、いくら尺が十分あるドラマでも原作をそのままやるには尺が足りない。そのため原作の整理はされており、物語は寄り道なしでRPGをプレイしているような感覚でサクサクと進む。例えばサンジにピラフを食べさせて貰ったギンは、ドラマ版ではドンクリークが来店しないが故に本当にピラフを食べさせて貰っただけの人物として終わる。ただそれだけでもサンジの性格は視聴者とルフィに伝わるので全体としては問題ない。またドラマ版では麦わら海賊団の初期メンバー集めと並行して、コビーとガープによる海軍視点が入るが、これはどうしても「新しい島へ行って新しい仲間を獲得する」の繰り返しにならざるを得ない展開に対しての縦軸として上手く機能していたのではないか、と思う。海賊と海軍を相対化する意味でも効果的だったように思う。

 

 

  • キャラクターの再現性

ただ今回のドラマが評判が良いのはやっぱりキャラクターの再現性だと思う。アホみたいなセンテンスになるけど、アニメ版と同じ声優が吹き替えているのも相まってルフィは本当にルフィって感じだし、ウソップは本当にウソップって感じ。真剣佑演じるゾロに至っては剣捌きや笑い方が正にゾロという感じで驚かされる。ゾロとナミによる酒を賭けた会話など「キャラへの理解があるな」と実感できるオリジナルシーンも良い。セットは素晴らしい反面ややディズニーランドのアトラクション感も否めないが、「丁度いいサイズの海外ドラマ」感があって個人的にはプラス補正。一方でゾロが登場早々敵を真っ二つにして殺したり、カヤの屋敷に仕える羊の執事が刺されてそのまま死んだり、ウソップの火炎星を喰らった敵が盛大に燃え上がって焼死したりと「尾田先生のかつての発言的にどうなの?」と思うシーンもある。ただ配信されている以上、尾田先生的にはOKだったのだろう。

 

 

  • 最後に…

サンジの料理をもっと丁寧に見せて欲しかった。

 

 

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