前作『無限列車編』(最終407.5億円)が国内映画興行収入歴代1位を記録した人気少年漫画をアニメ化したシリーズの最新作『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』の興行収入が日本で公開された映画史上2作目の400億円を超えた。前作対比は現段階で98.15%である。
映画・鬼滅の刃「猗窩座再来」、興行収入400億円突破…前作「無限列車編」に続く快挙 : 読売新聞
- 過去の社会現象級ヒット続編の前作対比は…
社会現象級のヒットを記録した映画の続編は前作から興行収入を落とす傾向にある。具体的に歴代興行収入トップクラスの作品の続編映画の興行推移を確認すると、最終興行255.0億円を記録して現在歴代5位の『アナと雪の女王』の続編『アナと雪の女王2』の最終興行は133.7億円で前作対比52.43%、最終興行203.0億円を記録して現在歴代10位の『ハリーポッターと賢者の石』の続編『ハリーポッターと秘密の部屋』は最終興行173.0億円で前作対比85.22%、最終興行173.5億円を記録して現在歴代12位の『踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』の続編『踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!』は最終興行73.1億円で前作対比42.13%、最終興行159.0億円を記録して現在歴代15位の『アバター』の続編『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』は最終興行43.1億円で前作対比27.10%、と軒並み興行収入を落としている。
- 宮﨑駿、新海誠両監督の歴代トップ次回作は…
直接的な続編に絞らずに社会現象級のヒットの後の同一監督作品の次回作という視点で見ても、最終興行316.8億円を記録して現在歴代3位の宮﨑駿監督『千と千尋の神隠し』の次回作『ハウルの動く城』は最終興行196.0億円で前作対比61.86%、最終興行251.7億円を記録して現在歴代6位の新海誠監督『君の名は。』の次回作『天気の子』は最終興行142.3億円で前作対比56.53%、という数字になっている。
- 社会現象級ヒットの次は何故下がる?
どんなに観客満足度が高い映画であっても、観客全員が続編まで映画館に足を運ぶほど映画に満足することはあり得ない。また仮に映画鑑賞直後は心の底から作品に満足して「次回作も絶対映画館で観よう」と嘘偽りなく思っても、続編が公開される頃には興味が薄れていることもザラである。そのため続編が前作超えのヒットになるには、前作の劇場で鑑賞した観客を多く維持させた上で、離脱した前作の観客を上回るだけの新規客を続編で動員する必要がある。ただ社会現象級のヒットとなった作品はその時点で世間的な作品の認知度は極限まで高くなっており、新規客の伸び代は少ない。また社会現象級のヒット故に「そんなに流行っているのなら試しに観てみるか」とか「友達に誘われて観に行った」みたいな消極的、受動的な観客の割合も多くなるので、当然「続編は何となく観に行かなかった」率も高くなると推察される。
- 最後に…
そのため社会現象級のヒット映画の続編の興行収入が落ちる傾向にあるのは、ある意味仕方ないことのように思える。ただそうした傾向がある中で、『鬼滅の刃』の続編がコロナ禍という特殊な環境の中で産まれた国内映画興行収入歴代1位の前作と同等の結果を出したというのは「凄み」を感じざるを得ない。更なる続編がどのような推移を辿るのかも楽しみである。
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