ネタバレ注意
『ドラゴンクエストVII Reimagined』をプレイした。
- 遊びやすさを追求した「令和のドラクエ」
本作は2000年にPlayStation向けのゲームソフトとして発売された『ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち』を再構築した作品。2012年にはニンテンドー3DS向けのリメイク作品も発表されている。『ドラクエ7』はシリーズで初めてグラフィックが2Dのドットから3Dのポリゴンになった作品。町やダンジョンでの画面回転が導入されたのも『ドラクエ7』が初である。そんな『ドラクエ7』のグラフィックを本作はキャラクターをドールルック、フィールドや町をジオラマ風に表現。箱庭の中で人形を動かしているような立体的かつ温かみのあるプレイ体験に仕上がっている。
戦闘画面はHD-2D版『ドラクエ1・2・3』と異なり、戦闘中も主人公パーティーの行動が見れるので、敵の攻撃を防いだ際にキャラクターが盾で敵の攻撃を防いだモーションが見れたりするのも楽しい要素。それでいて戦闘テンポはダレることなくサクサク進み、主人公パーティーより弱いレベルのモンスターはフィールド上で戦闘画面に入ることなくワンボタンで倒せるなど、ストレスフリーな作り。フィールドでのダッシュ機能も船の速度も丁度いい。転職もダーマ神殿にイチイチ行くことなくフィールドやダンジョンで水晶を使って転職出来るなど、「ダンジョンの途中で転職したくなったけど、今引き返すのも…」的な悩みも解消された。ダンジョンには入口やボス戦前だけでなく中間地点にも回復やセーブが出来る女神像が配置されているのでMPの心配もなく、常にオートセーブで全滅の心配もないに等しい。何なら戦闘中に仲間が死んでも、全滅さえしなければHP1で蘇っているなど「流石にやり過ぎでは?」と思わなくもない程、プレイヤーが行き詰まることがないような工夫が施されている。クリア後のコンテンツは中々歯応えがあるものの、メインストーリーに関してはレベル上げ、転職、ゴールド集めで頭を悩ますこともなく、ボス戦も基本火力のみのゴリ押しで倒せてしまう難易度。ボス戦に一癖あって賛否が割れたHD-2D版『ドラクエ1・2・3』とは正反対であり、更に進んだ「令和のドラクエ」感を体験させられた気分だ。
- オリジナル版から「再構築」
『ドラクエ7』はソフトがカセットからCD-ROMに移行して容量の問題が後退したことで、莫大な量のシナリオを詰め込めたことに加えて、物語の構成上、収集が必然な「石板」が「中々見つからない」ことから、クリアまでのプレイ時間が100時間を超える大ボリュームの作品として有名だ。これは長時間『ドラクエ』の世界に浸かれる作品として「シリーズで一番好き」との声がある反面で、「長過ぎて挫折した」とか「後半がダレる」などの声も少なくない。そのため3DS版のリメイクの段階で「スライムとの初戦闘まで1時間以上かかる序盤の謎解きの大幅オミット」と「石板探しの難易度の易化」がされていた。ただ3DS版のリメイクは他にもオリジナル版からの細かい調整は入っていたものの、基本的な構成はオリジナル版に忠実路線だった。
しかし本作はサブタイトルで「リイマジンド」と銘打っているように、オリジナル版を「再構築」。ストーリーの順番が入れ替わっていたり、一部の街が任意のサブストーリー扱いになっていたり、そもそも存在すらなくなっていたりする。この「再構築」は「石板を集めて過去の見知らぬ世界に行く前に、主人公の住む世界で特に意味のない初戦闘の追加」など首を傾げるものや、「一部の街をサブストーリーにするなら全部入れてくれよ」という純粋な不満(有料DLCとか出して欲しい)、「一部街をサブストーリー扱いにしたことで、キーファの離脱が気持ち早く感じる反面、ストーリーの順番を入れ替えてアイラの加入を早めたのはパーティー構成的に助かるけど、キーファ離脱からアイラ加入までの間が短くて、『あのキーファの子孫が!?』みたいな感慨深さが減じているな…」など一長一短な部分もある。
- キーファとマリベルの追加エピソード
また本作の目玉として発売前から公表されていた大人になったキーファとの再会エピソードも、最終的に任意でキーファをラスボス戦に参加させることが出来るが、自分で操作の出来ないNPCだし、この世界にあまり影響を与えないように単独でラスボスの場所まで飛んでいく理屈も納得しにくいのに、ラスボス撃破後は「本来はこの時代の人間ではないから…」とメルビンが辞退する中で、主人公パーティーと各地を回ったりするなど、話の整合性が取れていない感じはあった。これはファンサービスなので、あまり深く考えるべきではないのだろうが、大人キーファが主人公たちに「お前たち強くなったな…」なんて言ったりしているのを聞いていると、「なんだかなぁ」と何とも微妙な気持ちにもなったりもした。


ただ今回の「再構築」、個人的にオリジナル版よりも明確に評価出来る要素もあって、それはマリベルの追加エピソード。『ドラクエ7』のネガティヴな意見として「他の作品と比べて主人公パーティーの魅力が乏しい」との指摘があった。その背景の一つには初期からの幼馴染メンバーが、キーファーは勿論、マリベルの方も途中で父親の病気で一時離脱を余儀なくされて、最終的にマリベル抜きのパーティーでもクリア出来てしまうことも関係していたのではないかと思う。しかし本作ではマリベルの父親の病気パートで、主人公とマリベルの過去回想を追加。オリジナル版のマリベルの一時離脱イベントではなく、「何故マリベルは主人公と一緒に遊びたいのか、冒険したいのか」を明確にすることで、マリベルのツンデレキャラもより活きる、キャラクターの魅力を掘り下げる良イベントに思えた。
- 最後に…
最後に堀井雄二さんは『ドラクエ12』の発表段階で「 いろいろ選択肢を迫られるようなシナリオ」とのコンセプトを表明していたので、本作の体験版でオリジナル版にない分岐ルートが出現したことから「まさか、この作品は全ての街に分岐ルートがあって、選択によって一人一人ストーリーの肌触りの異なる『デトロイト ビカム ヒューマン』的な『ドラクエ7』になるのか!?」なんてことも期待していたが、全然そんなことはなかった。ただ暗い『ドラクエ7』の中でも屈指の鬱エピソードとして有名なレブレサックでは追加要素として分岐ハートが発生。正直、「神父の像が主人公に像になっちゃうのは、こっちの意図と違う方向に行っちゃってなんか申し訳ないな…」とか「そもそも石碑の文章すら改竄するようなヤツらなんだから、口述ならより歴史修正されるだけだろ」感も半端なかったが、「一体どんな未来になるんだろう」という新鮮なワクワク感があったのは良かった。
- オマケ
【ソフト&ハード週間販売数】『ドラクエ7 リメイク』が3機種揃ってワン・ツー・スリー! トップ3を独占
— ゴミ雑草 (@mjwr9620) 2026年2月12日
→Nintendo Switch版が1位、Nintendo Switch 2版が2位、プレイステーション5版が3位にランクインする結果に。全バージョン合計で45万6462本を売り上げ、好調な滑り出し https://t.co/QOcEyVwryf
本作の初週売上はNintendo Switch版、Nintendo Switch 2版、プレイステーション5版の全バージョン合計で45万6462本。これはHD-2D版『ドラクエ3』の初週82万1770本から半減した『ドラクエ1&2』の初週41万3518本とほぼ同等のスタート。スクエニは売上の期待値が下回った『FF16』と『FF7リバース』の発売時期が近かったことを反省した記憶があるが、今回も同じミスをやらかしている感。『ドラクエ』も『FF』も『ポケモン』と違って、下手したら小学校生活6年間、中高生活6年間とかの括りで一回も新作に触れる機会がないくらいのペースでしか新作が出ずに新世代への浸透不足が指摘される中で、出す時はライトなプレイヤーの感覚を無視してあまり間を置かずに一気に出しちゃうのは「何なんだろう…」と疑問に思う。
- オマケ2
世間の予想にもあるけど、天空三部作の『ドラクエ4・5・6』リメイクはHD-2D、『ドラクエ9』リメイクはドールルックと予想。
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