今回は「デスノート Light up the NEW world 」の原作ファンに嬉しい原作リスペクトシーンを徹底的に解説します!
やや強引にこじつけがあるのはご愛嬌
ロシア人医師のデスノート使用理由
冒頭でロシア人医師のアレクセイがデスノートを使用する理由は担当患者を苦しめず安楽死させるため。
これは原作完結後に掲載された読み切りの特別編の死を望む高齢者を殺す犯行と同じ。
エスカレートしていく様も同様である。
ポテチの中にスマホ
監視カメラをつけられたライトがLの目を欺くためにポテトチップスの中に携帯テレビ(原作では小型テレビ)を入れデスノートによる殺人を行なったシーンのオマージュになっている。
また味はコンソメ味だが、10年前と比べてデザインは大きく進化しているという変化もある。
新死神アーマのデザインはシドウ
新たに現れた死神アーマのデザインは原作で落としたノートをリュークに拾われ、そのノートを人間界に落とされた死神シドウを元にデザインしている。
しかし性格は全く別物だ。
他にもニアや魅上等、名前だけ取っているキャラクターも登場する。
ミサの最期
原作の解説本でミサの最期は描かれていないが原作者によると自殺だとされていた。
その最期が本作で描かれるが、デスノートの記憶を失いライトのいない世界に絶望しての自殺とされていた原作やアニメとは異なり、全てを受け止めて次の世代にライトの意思を繋いだ末の切ない想いの果ての自殺では大きく意味合いが変わるだろう。
ここでレムのミサに幸せになって欲しいという願いを思い出し泣いた人も多いはずだ。
それでいてミサがノートに書いた条件は物理的に不可能故にルール的に「心臓麻痺」で処理されているのも『デスノート』らしさだ。
ミサの最期に関しては原作を大幅に上回っているとすら感じた。
腕時計トリック
紫苑の改造された腕時計の中にデスノートの切れ端が入っているトリック。
原作でも実写でもお馴染みのトリックだが、本作では最早歌舞伎の見栄のごとく「よっ!待ってました!」ぐらいのテンションで披露される。
ヘルメットの飛翔
紫苑が例の遊びと称してリュークが特殊部隊のヘルメットを取るシーン。
このシーンでリュークてこんなキャラだっけ?と感じた人も多いだろう。
しかしこのシーンは原作の8巻でシドウが部隊のヘルメットを外すオマージュ。
原作のリスペクトとキャラクターの崩壊で複雑な気持ちなるシーンだが、リュークは気まぐれだから(震え声)ということで楽しめるシーン。
アーマの死
死神アーマが竜崎に愛情にも近いシンパシーを感じた竜崎のために死神の掟を破り竜崎を守るシーン。
これはミサに対してのジェラスとレムと同じく人間に恋してしまった切ない死神の末路が再び描かれる。
すでにデスノートに書き込まれてるから竜崎はその日まで何があっても死なないのではないのか?という疑問と強引に詰め込みすぎではないのか?とも思ったが、「祭り感覚で楽しむしかない!」と割り切った。
次の死神大王の座
キラの後継者を探し求めたものに次の死神大王の座を与えるという設定の本作。
これは原作の大場つぐみが出した設定だが、現在ジャンプSQで連載している「プラチナエンド」の神候補と天使の設定に酷似している。
どちらが先に思いついたのかは謎だ。
受け継がれる意思
デスノートの原作はLがキラに負けるが、その意思を継ぐニア、メロ、捜査本部の人々により最後キラを追い詰めることができる。
本作でもキラの意思を継ぐミサからその意思を継ぐ紫苑とLの意思を継いだ竜崎の意思を継ぐ三島と受け継ぐ意思の構図が提示されている。
計画通り
エンディングの後のライトのセリフ。
もちろんこれは原作のデスノートの所有権を放棄して記憶を失うが、再び自分の元にノートが返ってきた時の有名なセリフだ。
このセリフは、何を意味しているのか?
最後に観客に問いかけることになる。
デスノートLNWはツッコミどころやノートのルールの矛盾、キャラクターのブレなど所々原作を読み込んでいると「これ、おかしくない?」と感じるシーンも多い映画だ。
しかし、原作を読み込んでるからこそ理解できる原作リスペクトの数々はとても楽しむことができる。
そもそも原作のコミックのおまけページの6冊ルールから、デスノート封印の発想が思いついたのだけでも驚いた。
これらのポイントを意識して再び観れば本作を楽しむことができるだろうし、さらなる発見もあるかもしれない。