藤原竜也主演『カイジ ファイナルゲーム』が2020年1月10(金)に全国333スクリーンで封切られ、オープニング4日間で興行収入6億1600万円と最終興行20億円以上が狙える悪魔的ヒットスタートを切った。
実写映画版『カイジ』は2009年に1作目が公開され興行収入22.5億円、2011年に2作目が公開され興行収入16.1億円のヒットを記録した人気シリーズ。『ファイナルゲーム』は前作から9年ぶりの新作にしてシリーズ最終回。また原作漫画をベースとした前2作品とは異なり、福本伸行先生の完全オリジナルストーリーとなっている。
福本伸行「9年間カイジの映画はなかったけど、漫画だったり、ものまねをする芸人さんだったり、カイジというある種のイメージは世の中にずっと流布され続けていて、だから、みんなの友達のカイジが戻ってきたと感じてもらえるんじゃないかな?」
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9年ぶりにも関わらず最新作がヒットした理由としては、やはりカイジもとい藤原竜也のモノマネ芸人がバラエティなどで頻繁にネタを披露していたことでブランド価値の低下を防げていた面が大きいだろう。特に「どうしてなんだよ」「悪魔的だ」「キンキンに冷えてやがる」などはモノマネから入った、もしくはモノマネで初めて意識したという人も少なくないのではないだろうか?何はともあれ原作者の福本伸行先生も仰るように「カイジのある種のイメージが世の中にずっと流布され続けていた」ことが、本作がブランク知らずのヒットになった要因の一つであることは間違いないだろう。
製作側もそこに勝算を感じていたのか、予告編などの宣伝ではもはや「藤原竜也自身がモノマネに寄せているのでは?」と思わざるを得ないセリフの数々を文字にして打ち出し羅列するというネタに走ったような編集になっている。それどころか藤原竜也をモノマネする「ガーリィレコード」とのコラボ動画まで出している。この宣伝方法だと「面白い!」と思ってくれる人より「公式がモノマネに擦り寄るようなマネをされると醒める」と感じて離れていく人が多い危険性もあったが、興行収入を見る限り製作陣はこの博打に勝ったといっていいのだろう。
本作を「公式と観客が作り出したお祭り映画」と観るか、「公式が観客に悪ノリした映画」として観るかによって大きく評価は変わりそうだ。
(C)福本伸行 講談社/2020映画「カイジ ファイナルゲーム」製作委員会