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新型コロナウイルスが「追い風」になるかと思いきや… 『半沢直樹』『BG』etc、話題の春ドラマが複数放送延期へ

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※放送日を「4月19日」から「近日放送」へ変更したCM

依然世界中で猛威を振るい続ける新型コロナウイルス。当初は「家に引きこもるから、テレビ局の視聴率は上がり恩恵を受ける」とされており、実際現在も報道系の番組は高視聴率を記録する番組が多いという。ただテレビドラマとなると話は別だ。先日TBSテレビで4月より放送予定だった『半沢直樹』『私の家政夫ナギサさん』『MIU404』の3作品、テレビ朝日で放送予定だった『BG~身辺警護人〜』の放送延期が発表された。

 

春ドラマの中で最大の注目株だったのは、2013年に放送され最終回視聴率42.2%を記録した堺雅人主演の『半沢直樹』の続編だ。TBSはかねてより本作の続編を熱望していたが、主演の堺雅人が「役のイメージで固定されるのが嫌だ」などの理由からオファーを断り続けていたなどと報道されていた。しかし前作の放送から7年、ようやく続編の放送が決定した。当然前作とは状況が異なるため、前作のように「全話右肩上がりの視聴率!」「最終回では40%超え!」などは厳しかっただろう。ただそれでも全話視聴率20%以上、初回と最終回に限れば30%以上も期待できる作品だった。

 

またTBS社長としても、この気が滅入るような新型コロナによる自粛ムードが追い風になることを期待しているような発言をしていた。ただ新型コロナの猛威はテレビ局の想定を超えていた。

 

 

『HERO』以来の続編ドラマとなる木村拓哉主演の『BG~身辺警護人〜』は3月中旬頃、『週刊女性』でエキストラが50回以上マスクの付け外しをしながら撮影に臨んだ様子が報じられていた。その報道では「このドラマの世界では、コロナウイルスは存在しないことになっています!」というスタッフの発言も報じられていたが、流石に「そういう冗談が言える状況ではない」と判断されたということだろう。「ドラマ撮影強行で、キムタクコロナ感染!」なんてなったら、ファンからのテレ朝への批判も凄そうだし、ネットニュースにも格好の餌食にされるだろうし、何より感染拡大防止の観点からいえばやむを得ない。

 

 

一方で放送延期の発表が現段階(本記事投稿後に日本テレビは『ハケンの品格』『未満警察 ミッドナイトランナー』、フジテレビは『アンサング・シンデレラ』の放送延期を発表)でされていないのが、日本テレビとフジテレビの春ドラマだ。特にフジテレビで放送予定の石原さとみ主演『アンサング・シンデレラ』は3月中旬に、舞台が病院であることから「院内感染」を恐れられ、撮影を断られるケースも増え難航しているという内容の報道がされていた。そのためTBSの3ドラマの放送延期が決まった段階で「難しいだろうな…」と思っていたが、未だ放送延期が発表されずに驚いている。

 

ちなみに春ドラマは「濃厚接触」の観点から「春ドラマからキスシーンが消える」などと報じられていた。ただ現段階ではキスシーンどころか、「春ドラマ全滅」の可能性も否定できない。そのためTwitterでは「再放送希望のドラマ」を投稿するブームも起きたが、TBSテレビは『下町ロケット総集編』『コウノトリ傑作選』『恋はつづくよどこまでも!胸キュン!ダイジェスト』など「空いた枠でガッツリドラマ再放送」みたいなことをやるつもりはないらしい。もしかしたら、春クール中のドラマ開始の芽を摘みたくないのかもしれない。

 

 

最後に個人的な意見だが、空いた枠は「ドラマを1クール分、ガッツリ再放送」より今回のTBSテレビのように「総集編」や「傑作選」「ダイジェスト」の放送の方がいいと思う。何故なら「全部観たいなら、動画配信サービスを登録してね!」と宣伝できるからだ。今回のTBSのケースでいえば自社が出資している『paravi』の登録者数へ繋がるような編成にしているのではないかと感じる。各局それぞれ登録者数を増やしたい動画配信サービスを持っているので、しばらくは過去の人気ドラマの「総集編」「傑作選」「ダイジェスト」が続くかもしれない。

 

ただそれでもテレビ局としては新作ドラマを放送したいというのが本音だろう。新型コロナウイルスの感染拡大がひと段落して、いつもの日常が戻る日を心から願う。