ネタバレ注意
庵野秀明総監督作品『シン・エヴァンゲリオン劇場版』が大ヒット公開中だ。今回はアスカとケンスケについて書いていく。
- 宮村優子「ケンケンは恋愛感情ではなく親子感情」
宮村 優子のファンクラブ
— 宮村優子 (@386miyamura) 2021年3月18日
MIYAMURA YUKO Corp.
ファニコンにて
久しぶりの
まったりラジオやるよー
今回は
ネタバレあるから注意やよ
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多くの人にとって本作における最も想定外の展開は、アスカとケンスケの関係性だったのではないかと思う。現に自分もアスカはシンジと一緒になることで幸せになると信じて疑っていなかったし、そもそも本作にケンスケが登場することすら予期していなかったので、結構驚いた。ただアスカ役の声優の宮村優子さんの認識ではアスカとケンスケの関係は「恋愛感情」ではなく「親子感情」らしい。肉体関係もないようだ。
本作のアスカは式波タイプのクローンだから、テレビアニメ版の母親に認められたいという一心でエヴァに乗るアスカと異なり、親はいないし、そもそもが戦闘用としてエヴァに乗ることを目的に造られた存在。しかも本作のアスカは描写的に大量生産された中で生き残った一番強いアスカであり、生まれた時から「生きるか死ぬか」の状況にいたことが推測される。そんな孤独な幼少期のアスカが羨ましそうに見ていたのが、両親と楽しそうに笑っているシンジ(『新劇場版:破』でアスカはシンジのことを初対面時に「七光り」と呼んでいた)だった。そしてその流れで来るのがアスカの孤独を紛らすパペットの着ぐるみの中から大人姿のケンスケが出てきて1人で泣いている幼女姿のアスカに「アスカはアスカだ。それだけで十分さ」と慰めるシーンだった。
そのためアスカのケンスケに対する気持ちが「恋愛感情」というよりは「親子感情」の方だった、という宮村さんの認識も理解できる。
- アスカを救ったケンスケ
大切なお知らせです。
— 岩永哲哉 (@iwanagatetsuya) 2021年3月19日
「シン・エヴァンゲリオン劇場版 」
相田ケンスケ役で出演しております。
ケンスケ生きてました!!!#シン・エヴァンゲリオン劇場版 #シンエヴァ#相田ケンスケ https://t.co/Sf6EJjhWzl
ただ「恋愛感情」ではなく「親子感情」はあくまでも宮村さんの認識だから、庵野監督がどういう認識なのかは分からない。また仮に宮村さんの認識の方が正しかったのだとしても、あの段階では「親子感情」というだけの話で、加持に父親を重ねていたミサト同様に今後恋愛関係に発展する可能性も十分考えられる。ただ個人的にアスカのケンスケに対する気持ちが「恋愛感情」だろうが、「親子感情」だろうが、ケンスケにアスカが救われたという事実が大切だと思う。
本作でのケンスケは「何も食べれないし、何もしたくないし、ただ泣くことしかできない」、そんな鬱状態のシンジに対して物凄く適切な距離感で接していた。これは想像になってしまうけど、アスカも3号機のテストパイロットの事件から目覚めた後、色々精神的に辛い状況だったと思うけど、そんな辛い時に今回のシンジに対する適切な距離感で接してくれたのがケンスケだったんじゃないかなと思う。だから自分は仮に最後の駅のシーン(純粋にパイロット縛りなだけの気もするが…)のようにアスカが最終的にカップリングなしの「ぼっちエンド」だったとしても、今の時代、女の幸せは恋愛だけではないし、ケンスケによって孤独を救われた(それでいてシンジの好意を確認できた)アスカにとって「1人でゲーム」とは中学や「第3村」の時とは全く別物だと感じる。(本当に?)
※個人的にアスカはケンスケの家で1人ゲームをしながら「私は1人」と呟いていることから、孤独感を覚えているが、シンジによってケンスケへの気持ちに素直になったみたいな感じだと思う。
- アスカには幸せになって欲しかった
個人的に今回の『新劇場版』シリーズ、正直な話を書けば他の要素はどう転んでもいいから(勿論、ハッピーエンドに越したことはないが…)アスカだけは幸せになって欲しかった。昔は旧劇場版の「殺してやる…」が好きだった自分も、気付けば『新劇場版:破』の「そっか、私笑えるんだ」が好きなシーンに変わっていた。
そしてアスカの幸せは何となくシンジと一緒になることだと思っていた。勿論、それは何となくの話だから常に意識して作品を鑑賞していた訳ではないが、本作でも回復したシンジに対して「初期ロットのおかげ?」と質問すると、シンジは「うん」と頷くシーンでは、「アスカもあんなに心配してくれてたのに…」(鬱状態の人に対する接し方としては最悪だけど…)(それでもシンジがDSSチョーカー見て吐いた後に、首にスカーフを巻いてあげてたりとアスカなりの優しさが見えてた)とか思った。
そんな感じて観ていたからアスカからの「お弁当美味しかった。最後だから言うけど、シンジのこと、あの時は好きだったんだと思う。でも私が先に大人になっちゃった」というセリフは寂しかったし、赤い海岸のシーンでのシンジの「アスカ、好きだったよ」からのアスカ赤面シーンは嬉しかった。きっとアスカにとってシンジのことは初恋の甘酸っぱい思い出として消化されていくんだろう、と信じている。(そうだよね?)
※個人的に本作のアスカはケンスケのことを「ケンケン」と呼び、ケンスケの趣味っぽいパーカーを着て、尚且つ「新2号機α」のデザインもケンスケを連想させるミリタリーな感じになっていたことから、「エヴァの呪縛」から解放された彼女のケンスケへの気持ちは「親子感情」から「恋愛感情」へと徐々にシフトしていくのではないかと思う。
※ただ『Q』も『シン』もアスカは何だかんだでシンジのことが気になってるように見えたし、シンジによって「第3村」に飛ばされた後も何か言いたげなようにも見えたけど、これ以上アスカの気持ちを知りたいと思っても知れないので ――そのうち自分は考えるのをやめた。
- 最後に…
最後に本作のカヲルくんみたいなことを書くと、結局自分はアスカの幸せを願いながら、自分が幸せな気持ちになりたかっただけなのかもしれない。アスカに幸あれ。
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