『99.9-刑事専門弁護士- THE MOVIE』を観たら、自分が過去に観たテレビドラマの劇場版の中でもトップレベルにテレビドラマっぽい、というか完全に開き直ってる姿勢に感動したので、ここに記しておく。
- テレビドラマの劇場版
テレビドラマの劇場版に対する批判意見として「別にテレビで流せばいいじゃん」というのがある。だから西谷弘監督の『ガリレオ』シリーズの劇場版『容疑者Xの献身』『真夏の方程式』ではドラマ版では見せ場のガリレオの計算式を書く推理シーンを描かないことで、映画としての上品さを出したり、『コンフィデンスマンJP』シリーズの劇場版のように海外ロケをしてスクリーン映えする豪華な画面にしたりすることで「映画だからこそ」みたいなの演出してくるケースが多い。
また「作業をしながら流し見されることも想定しているテレビドラマと同じスタイルで映画をやると説明過多で鬱陶しい」という批判もある。そのため『ガリレオ』と同じく西谷弘監督の『昼顔』はドラマ版より大幅にナレーションをカットして映像重視の演出が施された。一方で『劇場版コード・ブルー』のように、映画だからと言って気取らずに、敢えてテレビドラマと同じようにナレーションを流すケースの作品もある。また『コード・ブルー』に至っては本編上映前にドラマのダイジェスト版が流れたり、エンドクレジットでビデオメッセージが流れ続けたことから「テレビドラマっぽさ」みたいなのがより強い作品だった。
- エンドクレジットまでもテレビドラマスタイル
そのため自分の中で『劇場版コード・ブルー』が「テレビドラマの劇場版が一番テレビドラマっぽい劇場版だな」という認識でいた。しかし今回の『99.9』の劇場版はその『コード・ブルー』を大きく上回るテレビドラマっぽい映画だった。まず本編前にダイジェスト版があるというのは、『コード・ブルー』との共通点だ。ただダイジェスト版の前に出演者の杉咲花さんが「こんにちは。杉咲花です」と観客にご挨拶。またダイジェストが終わると、松潤や香川照之が登場して、「誰が真ん中に立つか」とか「映画になって嬉しい」とか「本編開始までのカウントダウン」を始める。凄くテレビドラマっぽい、というかテレビっぽい。オープニングも「この映画は〜」ではなく「このドラマは〜」といつも通りのナレーション。そして一番驚いたのは、エンドクレジットが他の映画のように下から上に登っていくタイプではなく、日本のテレビドラマの一般的なスタイルである、主題歌と共に物語を進行させながら画面下に横文字で次々と役者やスタッフ、監督の名前が表示されていくクレジット。映画館でテレビを見ているような錯覚をしたし、ここまで開き直ってる作品も珍しい。公開前日に放送されたスペシャルドラマと事実上前後編になっていることも踏まえて、本当に「テレビドラマの延長線上」で見れる作品だった。
※だからといって完全に映画版だからこその特別感が無い訳ではなく、過去キャストが登場したりするサービスシーンもある。
- 最後に…
個人的にはスペシャルドラマの方がギャグも法廷シーンも多くて好きだったが、映画版の方も実写映画版『20世紀少年』のセカンドユニット監督だった木村ひさし監督とヨシツネ役の香川照之と万丈目胤舟役の石橋蓮司だからこその同作ネタも笑った。
『99.9-刑事専門弁護士-THE MOVIE』が松本潤主演&木村ひさし監督映画史上「最高興行収入」確実の大ヒットスタート!
— ゴミ雑草 (@mjwr9620) 2022年1月4日
→オープニング5日間では10億円に迫るヒットで、松潤主演史上最高ヒット作品『陽だまりの彼女』の17.9億円超え確実
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