『劇場版TOKYO MER〜走る緊急救命室〜』を観た。
『TOKYO MER』松木彩監督「横浜市の皆さんが快く撮影を許可してくださって、改めてなんて懐の深い街なんだと…/ランドマークが燃えるというシチュエーションにもかかわらず、実際の展望室でも撮影をさせていただいて、横浜市に支えられて実現した映画といっても過言ではない」 https://t.co/aM7boFO17E
— ゴミ雑草 (@mjwr9620) 2023年5月7日
本作は2021年にTBSテレビ『日曜劇場』枠で放送されていた大人気ドラマ。自分は連ドラ版を放送当時に全話視聴して、先日映画のタイアップで放送されていたスペシャルドラマも視聴するくらいには本作のことが好きである。テレビドラマ版の感想としては「危険な現場に医療従事者が突入していくというストーリーなので、テレビで毎週この規模の作品が観れるのは楽しいな」と思っていたが、とは言っても美術やセット、CGなどはあくまでもテレビドラマのレベル。「もし映画もあの感じのクオリティだったら大スクリーンではキツイな…」と思っていたが、劇場版では架空の現場だったテレビドラマ版とは異なり「横浜ランドマークタワー」という実際の建物での爆破テロを描くことで劇場版のスケールを確保。「モニターに映ってる映像がどう見ても使い回しにしか見えない…」みたいな残念ポイントもあったが、美術もセットもCGもテレビドラマ版よりクオリティアップしており、一部現地ロケをしているだけあって、パニック映画としても一定の満足度があった。
ストーリーに関しては「テロの犯人を医療従事者が救うことで事件の解明に繋がった」的な描写をもっと掘り下げれいいのにね、とは思ったが基本的に「都知事長直轄の『TOKYO MER』VS厚労省主導の『YOKOHAMA MER』」の軸は面白かったし、「妹が亡くなって絶叫する喜多見チーフ」と「子供が産まれて、パートナーも救うことに成功して安堵する喜多見チーフ」を対比させる演出や「自分達は繋がってる感を出してくる元カノに対して特に何も語らずに喜多見チーフと信頼し合っていることを醸し出す音羽先生」などテレビドラマ版のファンサービスに満ちていて良かったのではないか、と思った。また「YOKOHAMA MER」の登場時の少年漫画にありがちな最終的に主人公チームに感化させれて組織の意向に背く選択をする咬ませ犬的インテリチーム感が半端ない演出とかも個人的に本シリーズっぽくて好きだった。
ただテレビドラマ版の時から思っていたが喜多見チーフの「柔和な笑顔と冷静な判断でチームを率いる医者」的なキャラクター像の「若干怖い」感が劇場版では更にトンデモなことになってるのはやや苦笑い。天井から落ちてくるかなりデカめの瓦礫を両手で受け止めたり、どう考えても動かせる量ではない瓦礫を気合いで押し退けて道を作ったり、『名探偵コナン』『ワイルド・スピード』を観た後だからリアリティライン高めに錯覚するけど、「物凄いハードな筋トレメニューをこなしている」とかでは説明出来ないパワープレイ。足が挟まれて身動きが取れなくなった際も棒でガンガンとロッカーを叩き叫ぶ姿は自分のいる所を教えるための最後の手段として理解はしているが、もうちょっと恐怖を覚えるレベルに達してた。また荒唐無稽という意味では直前まで瀕死状態にしか見えなかった消防士たちが一切に立ち上がり現場に向かうシーンは流石にやり過ぎ。ゾンビ映画にみたいになっていた。
そんなこんなで後半は苦言も多くなったけど、それはテレビドラマシリーズもそうだったので、個人的には普通に楽しかった。
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