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「歌子の病気に海に向かって亡き父に叫ぶ暢子」「ラストで30歳から40年スキップ」、想像の遥か斜め上を行く『ちむどんどん』最終回

(125)「やんばる!ちむどんどん!」

毎朝「#ちむどんどん反省会」で叩かれまくっているNHK・朝ドラ『ちむどんどん』の最終回が放送された。

 

 

  • 50年の物語、ラストで30歳から40年分スキップ

本作の制作統括は3世代ヒロインを描いた前作『カムカムエヴリバディ』を匂わせながら「一人の女の子の何十年という歳月を濃く描きたい。100年を描くより、50年を描く方が倍くらい細かく、一見どうでもいいことも描ける」、としていた。しかし実際に放送されていた内容は全25週のうち23週目までは50年の半分である25歳までを描き、翌24週目の初日で一気に4年経ち29歳、そして最終週の初日で更に1年が経過して30歳とラスト2週は時間のスキップを多用してとても50年は描けないペース。結局そのまま最終回まで30歳のまま突入し、ラストで「暢子の濃い50年とは何だったのか…」と思わざるを得ない約40年のワープ芸を披露。30〜50歳までの20年間は1秒も語られることはなく70歳程度まで時間が飛び、ラストは高校時代まで時間が戻り、暢子とシークアーサーのショットから沖縄の海を見せるショットででフィニッシュ。初回を思わせるショットだったが、この半年の物語の展開のせいなのか、あまり感慨深さがなかったのが残念だった。

 

※ラスト直前の登場人物勢揃いの踊りのシーンは白昼夢を見てる気分だった

 

※ラストで高校時代に戻るのは「子供の頃に家族と美味しいものを食べた思い出がその後の人生に勇気を与える」というメッセージが込められてるから、個人的にSNSでは叩かれすぎだと思う

 

 

  • 歌子、謎の病気で重篤も暢子らの父の想いで回復

また最終回とその前日回で描かれていた歌子の重篤エピソードも酷かった。歌子はかねてより謎の熱が出る体質の持ち主だったが、最終回前日に倒れ、そのまま入院。医者は深刻な雰囲気で歌子の家族らに「できることはやりました」「後は本人の気力と体力を信じて経過を見守るしかありません」とお手上げ宣言。本来ここはシリアスなシーンなのだろうが、何故かキャラクターがストーリーのためのコマとして動かされている感が強く、シュールさを醸し出していることから緊張感はあまりない。SNSでは最終回の展開予想として「暢子の手料理で回復」「時間が歌子の×回忌まで飛ぶ」と様々な予想が飛び交ったが、公式はSNSの安易な想像の遥か斜め上を行く「暢子の提案で3兄妹が海に向かって『おとうちゃーん!』と亡き父に叫ぶ」というカオス展開。しかもここでタクシー料金を払っていないのが「比嘉家」という感じ。ここも本来なら父が亡くなった直後のあの日の思い出を懐かしみ感動する場面なのだろうが、あまりにもシュールな映像かつ体感時間が長いことから気持ちの置き所に困る。更に暢子の想いに応える形で父の声が聞こえるシーンも唐突な合成感でここにも困惑。その上その直後に描かれる40年後の優子の誕生会でも再び父の幻影が現れて喋るので、「15分で2回はちょっと…」、と感じざるを得なかった。

 

※歌子の「この10年風邪も引いてないよ」も「なんかよく分からないけど、良かったね」感が半端なかったし、暢子の歌子が元気になった理由の認識が「うちのフーチバージューシーのおかげ」というのも「えぇ…」という感じ(奇跡の回復後に元気なった理由の話なのかもしれないが…)

 

 

  • 最後に…

暢子が沖縄で「フォンターナ」で学んだことを活かす展開があったら良かったが、それも矢作が暢子から譲り受けた沖縄料理店のみで処理されていて、色々と勿体無い作品だな、と感じた。とは言っても半年間何だかんだで楽しかったので、次の朝ドラも楽しみにしてる。

 

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