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NHK・朝ドラ『ちむどんどん』、暢子が「闇市料理」提供で和彦の母・重子に結婚を認めてもらえるもイマイチ納得度が低い理由

(88)「しあわせのアンダンスー」

NHK・朝ドラ『ちむどんどん』では和彦の母親・重子が息子と暢子の結婚を認めない展開が続いていたが、ついに重子が両者の結婚を認めるに至った。ただ視聴者からの納得度はあまり高くないようだ。

 

 

  • 嫌われ役として登場した母・重子に同情の声

本来朝ドラのヒロインが結婚を相手型の母親から「沖縄出身であること」や「学歴」、「家柄」などを理由に否定される場合、視聴者はヒロイン側につく。しかし本作の場合、暢子と和彦が結婚の約束に至る前の「恋愛編」で当時の和彦の恋人だった愛とのケジメの付け方が消化不良だった故に視聴者の間では主人公カップルに対して素直に応援しにくい感じになっていた。その上、暢子と和彦は「房子と三郎が結婚しなかった理由」について「どうしてなんだろうね〜」と愛とのことなんて最初から「なかったこと」かのように振る舞ったりして「一体どういう気持ちで話しているんだろう」と視聴者にモヤモヤを与え続けた。その上、暢子の家族であるネーネーやニーニーが重子の家に乗り込んで彼女のオルゴールを壊したり、妹の撮り直しすらしてない低クオリティな演奏が収録されているカセットテープを土産として置いていったりとどんちゃん騒ぎ。嫌われ役として登場してるにも関わらず「なんか重子さんの方が可哀想…」みたいな空気まで出来てしまった。

 

 

  • 暢子提供「闇市料理」は房子のアイデア

ただ個人的に一番イマイチだったな、と思ってのは暢子の成長が描かれていないこと。劇中で重子から和彦との結婚を認めて貰えなかった暢子は何とか彼女に結婚を認めてもらおうと「毎朝お弁当を届ける」「あまゆで沖縄料理を振る舞う」「フォンターナでイタリア料理を振る舞う」を重ねた上で「重子の思い出の味である闇市料理を振る舞うこと」で重子との距離を縮めて結婚を認めて貰うことに成功するという流れだった。ただ決め手となった「闇市料理」は暢子のアイデアではなくオーナー・房子の助言に従ったに過ぎない。視聴者の納得度を高めるには「毎朝弁当」「沖縄料理」「イタリア料理」共に失敗して「一方的に自分の想いだけを伝えるのでダメなんだ」と反省した暢子が和彦から聞いた重子のバックボーンに寄り添った「闇市料理」を提供することを自分で思いつき、それを実行することで重子の心を掴んで結婚を認めて貰う、みたいな流れだったのだろう。しかし劇中では「沖縄料理」はニーニーの突入でそもそも食べて貰えず、「イタリア料理」はヤクザの突入で前菜のみと暢子の失敗ではなく外的アクシデントにより中断される。その上、暢子が毎朝届けてた弁当に関しては、重子は口にして美味しそうな表情をしてる描写もあったりするから、そもそも重子に結婚を認めて貰うというミッション自体にそこまでの難攻不落感はなく「なんか時間の問題だよね」感すら漂っていた。しかもこの「闇市料理」提供作戦に和彦は全く絡んでいない。そのため「闇市料理」提供でようやく重子に結婚を認めて貰える展開も、カタルシスの薄いものになってしまっていたように感じた。

 

 

  • 最後に…

個人的に『ちむどんどん』は「材料は揃ってるのに調理が…」という感じはするが、それでもSNSで毎朝投稿されてる程酷くもないとは思うのでこれからも楽しみにしたい。

 

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