NHK・朝の連続ドラマ小説『ちむどんどん』で母・優子の過去が明かされた。
- ドラマ初期にあった戦争の匂い、SNSでも高評価
本作は前作『カムカムエヴリバディ』と打って変わって、とにかく評判が悪い。ただ思い返せば、放送初期はそんなことなかった。特に初回辺りで描かれていた「暢子が夜1人で目を覚ますと、いつもは明るい母が泣きながら父に慰められているのを目撃する」みたいな、優子の戦争の傷が実は癒えていないことを表していたシーンは多くの視聴者の印象に残る生々しい演出だったように記憶している。その後も沖縄の綺麗な海や食べ物、陽気な雰囲気の裏で常に戦争の匂いを感じさせて進む物語はどこか重苦しいも「沖縄・本土復帰50周年記念作品」としての本気を感じさせた。
- 物語進むにつれてSNSでは批判の嵐に…
優子と善一の再婚話に戸惑う4きょうだい。
— 連続テレビ小説「ちむどんどん」 (@asadora_nhk) 2022年7月18日
真相を確かめるため、善一に直接話を聞きに行きましたが…。#ちむどんどん #朝ドラ#黒島結菜 #竜星涼#川口春奈 #上白石萌歌#山路和弘 #松原正隆 pic.twitter.com/KZb0VhhkX8
しかし物語に進むにつれて良くも悪くも戦争の匂いは薄れ始めて、当初は「夫が亡くなった後、子供のために力仕事をする母・優子を見てるのが辛い…」みたいな好意的な感想が多かった優子の行動も、徐々に視聴者には成人後も定職につかずにギャンブル等に明け暮れるニーニーこと長男・賢秀への甘やかしへと映り始めて「この母親は大丈夫なのか?」と批判の目を向けられるようになった。更に東京のイタリアンで働き始めた暢子に対しても「なんかいつまで経っても成長しないんだけど…」と視聴者にはフラストレーションが溜まり始め、先日まで3週に渡って展開された「恋愛編」では相手方・和彦の優柔不断な行動も相まって「なんでこんな無神経ヒロインを朝から見なければならないのか」と極に達した人も多かった様子。更にギャグみたいなノリで始まった母親の再婚話。4兄妹がそれぞれの問題を解決していない状況で母の再婚話を巡って再集結することとなり、「一体どうなることやら」と思った人も少なくないはずだ。
- 母・優子が長男・賢秀に甘い理由が明らかに…
どこに行っていたのか教えてくれない優子に、本当のことを話してほしいという4人。
— 連続テレビ小説「ちむどんどん」 (@asadora_nhk) 2022年7月19日
「長い話になるけど、聞いてくれるね。お父ちゃんとお母ちゃんの昔の話」#ちむどんどん #朝ドラ#黒島結菜 #仲間由紀恵 #竜星涼#川口春奈 #上白石萌歌 pic.twitter.com/v1LolLy9P4
ただ意外にも、と書いては失礼なのかもしれないが、今週描かれた優子の過去編はドラマ放送初期の匂いを思い出させるタッチの演出で視聴者の評判も悪くない。その上、これまで「なんで優子は賢秀をこんなに甘やかしているんだ!」という問いに対しても「自分の腕の中で死んだ弟と重ね合わせていたから」という理由が明かされ、優子の「子供たちに幸せになって欲しい」という想いと「未だ癒えない戦争の傷」、そして「夫が無理をしていることに気づかずに、子供たちにも家族を失うという経験をさせてしまったことへの後悔」が述べられた。きっとそれぞれ問題を抱えた4兄妹も、この母の過去話を人生を前進させる糧とすることなのだろう。
- 最後に…
「ちむどんどん」優子が過去を語った 仲間由紀恵の台本に表れた覚悟:朝日新聞デジタル
— ゴミ雑草 (@mjwr9620) 2022年7月21日
→ 制作統括「戦争を『忘れちゃいけない』と提示するだけでなく、笑って泣ける物語の中に有機的に沖縄戦を表現する方がいいのではないか」#ちむどんどん https://t.co/4ISjEBLXMx
一方で今週の優子の過去編は視聴者にとってそれなりに評判がいいだけに「これなら、暢子の『恋愛編』を3週もやらないで、こっちに話数を割いて欲しかった」等の意見も多い。しかし『朝日新聞デジタル』のインタビューに制作統括は「戦争を『忘れちゃいけない』と提示するだけでなく、笑って泣ける物語の中に有機的に沖縄戦を表現する方がいいのではないか」と語っている。そのため敢えてのこのバランスなのだと感じた。
- 参考記事
仲間由紀恵「50年という年月は長い年月と感じますが、ある人たちにとっては、ずっと続いているような時間でもあるのかなと思います」「戦争を体験していない世代が直接、祖父母や家族から話をきくことは本当に少ないと思います。つらすぎて話せない人が多いのだと思います」 https://t.co/DakeTt7wrx
— ゴミ雑草 (@mjwr9620) 2022年7月21日
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