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ジャニー喜多川元社長の「性加害」認めたジャニーズ事務所、今後のジャニタレ出演ドラマはスポンサー次第か

J-POPの捕食者 秘められたスキャンダル(字幕版)

ジャニーズ事務所が創業者にして元社長であるジャニー喜多川氏による性加害は「あった」との認識を示した。

 

  • 秋クールも多くのジャニタレ出演ドラマが放送

本件には様々な論点があるが、ここでは「今後ジャニーズ事務所のタレントはテレビに出演し続けるのか」について自分の思うところを書く。現在のNHK及び民放各局のテレビドラマには今年の大河ドラマ『どうする家康』の主演・松本潤をはじめ多くのジャニーズタレントが出演しており、来クールのドラマも既に二宮和也主演月9ドラマ『ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~』(フジテレビ)、松岡昌宏主演『家政夫のミタゾノ』(テレビ朝日)、道枝駿佑出演『マイ・セカンド・アオハル』(TBSテレビ)、相葉雅紀主演『今日からヒットマン』(テレビ朝日)、菊池風磨主演『ゼイチョー~「払えない」にはワケがある~』(日本テレビ)、重岡大毅主演『単身花日』(テレビ朝日)、藤井流星主演『18歳、新妻、不倫します。』(テレビ朝日)など多くのジャニタレ出演ドラマが発表済みだ。

 

 

  • 民放幹部の見解は「スポンサー次第」、朝日報道

そのため「何だかんだで出続けるでしょ?」と安易に考えてしまうし、テレビ局各局が発表したコメントを読んでもタレントの出演については悪くても「検討」という表現に留まり、基本「タレントに罪はない」のスタンスで出演し続けてもらう、という風に見える。ただ『「スポンサーが離れるか」 企業のジャニーズ離れ、見極めるテレビ局:朝日新聞デジタル』によると民放幹部は「番組にCMを出すスポンサーが離れるかどうかが重要だ」との見解を示しており、ある民放ではジャニーズタレントの番組にCMを出すスポンサーの意向を確認する中で、一部の外資系企業が引き揚げる意向を示したという。実際、本件の報道が本格化してから早々にキムタクのCMが降板になったとの文春報道があり、ジャニーズ事務所がジャニー喜多川氏の性加害を正式に認める会見を開くと東京海上日動、日本航空、アサヒグループHD、キリンHDがジャニタレ出演CMの契約見直しを発表した。こうした流れを踏まえると「企業側がジャニタレ出演番組でCMを流すことを拒む→ジャニタレが出演している番組にはスポンサーが集まらない→ジャニタレを出演させるのはやめよう」的なことが起きても不思議ではない。元SMAPの3人がジャニーズ事務所を独立した時みたいにいきなり分かりやすく排除されるのではなく、数クールかけてジワジワと消えていく可能性もある。

 

 

  • 「義理と人情」か「金の切れ目が縁の切れ目」か

まー、そこら辺は数年単位で見ていかないと分からない部分なので、これ以上ここで憶測を重ねても仕方ないのだが、それにしてもやはり世の中の価値基準は「お金なのか」と改めて感じる。本件では「マスメディアの沈黙」も指摘されているが、その背景には「ジャニーズ事務所への忖度」、つまりは「ジャニーズ事務所に都合の悪いことを報じると数字が見込めるジャニタレの出演が拒まれる可能性があるから、事なかれ主義を貫いた方が利口だろう」的な考えがあった、とされる。それでいて今回は「スポンサー次第」、要は「スポンサーが集まらないなら、そりゃあジャニタレは使わないよね」となるのは当たり前といえば当たり前の話なのだが、テレビ局サイドが「何故これまでジャニーズ事務所への忖度を続けていたのか」を検証することなく、「『マスメディアの沈黙』との指摘、重く受け止める」「性加害は断じて許されるものではない」コメントとジャニタレをフェードアウトさせることで収束を図るつもりなのだとしたら「なんだかな…」とも思う。『SMAPはなぜ解散したのか』で松谷創一郎氏は「ジャニーズ事務所は"義理と人情"の企業」と指摘していたが、テレビ局がジャニーズ事務所に対して「義理と人情」を貫くのか、それとも「金の切れ目が縁の切れ目」となるのかも注目だ。

 

 

  • 最後に…

「20年前の高裁判決の際にはスポンサーは離れなかったのに、今回罪を認めて謝罪してリスタートを切ろうとした途端にスポンサーが離れるのはおかしいのではないか」との指摘もあるようだし、その気持ちも分かるが、CMはイメージ優先なのでそこは仕方ないだろう。本件を「人類史上最も愚かな事件」と断じながら社名を残すという判断も不信感を抱かせる要因になっているのだと思う。最後にスポンサー企業は「ジャニタレはCMに使わない」判断で「人権問題に厳しい企業としてマトモな判断」と評価されるのに対して、テレビ局がその判断だけでは許されない空気があるのは、やはりテレビ局は「報道機関」としての役割を担っているからだろう。本件によって社会が少しでも良くなることを願う。

 

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