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【ネタバレ】クライヴ「人が人として生きられる世界を作る」、『FF16』のベアラー差別の解消法はアレで良かったのか問題

FINAL FANTASY XVI(ファイナルファンタジー16) - PS5

『FF16』のベアラー差別の解消法に賛否があるようだ。

 

  • ベアラー差別の解消法は「魔法をなくす」

『FF16』では魔法が使える存在が「ベアラー」と呼ばれ、魔法が使えない人間によって奴隷のように酷使され、命が軽んじられていることが描かれる。そうした差別的状況を変えるべく、当事者でもあった主人公のクライヴは「人が人として生きられる世界を作る」ことを目標に掲げ、マザークリスタルとオリジンを破壊することで魔法の存在をこの世からなくし、遠い未来で魔法は「ファンタジー」という扱いを受け、ベアラー差別がなくなったことが示される。

 

 

  • 現実問題モチーフ、解決法がファンタジーの是非

個人的にゲーム内の演出も相まって結構グッときて泣きそうだったのだが、その後ネットで本作の感想を漁っていくと「現実の差別問題をモチーフにしておきながら、今回みたいなファンタジー的な解決ってどうなの?」という批判的な意見を複数見た。確かにこの世界には「人種差別」とか「男女差別」とか「障害者差別」とか色々な差別があるが、その解決法が「差別されている違い、つまりは個性をなくして、差別している側に合わせて均一化する」というのは、そもそも論として「他者との違いに寛容になり、多様性を認める社会を作る」という現代の方向性に対して逆行しているし、根本的な解決になってないからまた別の新たな差別が始まる可能性があるし、百歩譲って仮に「均一化」が差別解消の一つの方法として認めるにしても「それ現実じゃできないからな…」というモヤモヤも残る。「ファンタジーゲームなんだからこれでいいんだよ」という気持ちもあるが、現実社会の問題を反映させて「大人のFF」として売り出した作品であることを踏まえると「これでいいの」感もある。

 

 

  • サブクエから見えた違う可能性

メインストーリークリア後にサブクエを消化していくと、「それまでリーダー格として慕われてきた人物がベアラーだと分かって大バッシングを喰らうも、最終的に手を取り合って頑張ることを決める」的なサブクエがあったりして、「やっぱこっちの路線を突き詰めて行った方が良かったのでは」と思うこともあった。またそもそもベアラー差別が始まったのは「魔法を使えない人間が魔法を使える人間を怖がった」みたいな背景が明かされるサブクエもあり、そういうのを踏まえると「自分たちの方が力があると気づいたベアラーたちが魔法を使えない人間に対してレジスタンスを起こすことで、強者と弱者の立場が逆転する展開」やその状況でこれまでベアラーを保護してきた主人公らと彼らに感謝する一部の穏健派ベアラーが協力して両者の架け橋となるべく奔走する、みたいな展開も面白そうだな、と妄想が広がった。

 

 

  • 最後に…

そういう意味では「大人のFF」とアピールしていた以上「もっと深みがあるストーリーに出来たのでは」感も否めないが、「まー、あの本のエンディング好きだし」ということで個人的にはそんな否定的でもない。

 

 

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