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【ブランド失墜】『FF13』から半減した『FF15』から更に半減、評価高い『FF16』の売上が伸び悩むのは「期待下回った」故か

FINAL FANTASY XVI(ファイナルファンタジー16) - PS5

『FF』シリーズは『ドラクエ』と並ぶ国民的RPGシリーズだが、近作は不評が続き売上も低迷、若者世代の取り込みにも失敗して「FFブランド」は崩壊している。そんな「FFブランド」を立て直すべくシリーズ最新作『FF16』では吉田直樹氏がプロデューサーを担当。吉田Pはスタートで大失敗した『FF14』を立て直して人気コンテンツに成長させた実績から「FFブランド」の復活に大きな期待が寄せられた。

 

  • 『FF13』から半減した『FF15』から半減

発売から約1週間で全世界累計販売本数は300万本を突破しており、堂々の首位スタートを飾った。こちらの数字は全世界のパッケージ出荷本数とダウンロード販売数の合計で、国内におけるパッケージ版の初週売り上げは33万6027本となっている。

PS5/71415台(累計327万3600台)

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そんな期待を背負った『FF16』の国内におけるパッケージ版の初週売上は33.60万本、全世界累計販売本数は300万本だった。国内でのPS5の普及台数ら327.36万台時点(通常版のみ)の発売である。

「FINAL FANTASY XV(FF15)」の国内初週販売本数が、69.0万本/PS4本体の普及台数が現時点で約370万台/初週の勢いでは「FF13」の150.2万本から大きく数字を落とした形

ヒット? それとも微妙? 「FF15」国内初週販売「69万本」をどう見るか - ねとらぼ

一方で前作『FF15』の国内初週販売本数はPS4の普及台数が370万台時点での発売で69.0万本。『FF15』発売当時と『FF16』発売当時ではダウンロード版の購入比率に変化があることが推測されるため単純比較は出来ないが、PS4とPS5の発売時点での普及台数を考慮しても、国内で半分以下のスタートというのはかなり寂しい。しかも『FF15』の初週売上はオンライン版の『FF14』を除く事実上の前作にあたる『FF13』の初週売上150.2万本から半減していた。つまり「『FF』の新作が出るなら世間の評判と関係なく発売日に買う」というシリーズの信頼は『FF13』から『FF15』の間に半減、『FF15』から『FF16』の間に更に半減、『FF13』から『FF16』の間では1/4以下まで減少したということになる。これは『FF13』『FF15』と2作連続期待を裏切られたことで「もう『FF』を発売日に買うのはやめよう」という心境に至った人が多かったのではないか、と考えられる。

 

 

  • PS5普及への牽引、期待されず

スクウェア・エニックスは声明において、『FF7リメイク』発売当時のPS4普及率を踏まえたうえで、PS5の普及率を考えると『FF16』はなかなか(considerably high)の売上を見せているとの見解

「『FF16』の売上が低調」との報道に対し、スクエニがメディアを通じて反論。「PS5の普及率」を踏まえると非常に好調 - AUTOMATON

一方でスクウェア・エニックスは「PS5の普及率を考えると『FF16』はなかなかの売上を見せている」との見解を示している。ただ前述したように国内の初週売上に関していえば『FF15』発売時点でのPS4の普及台数370万台で69.0万本、つまりはPS4所持者の18.64%が購入と『FF16』発売時点でのPS5の普及台数327.36万台で33.60万本、つまりはPS5所持者の9.74%を比べるとやはり「FFブランド」は『FF15』と『FF16』の間で半減している、と見ることが出来る。これに対して「パッケージ版の売上を含めればまた見え方も違うのではないか」との反論もあるだろうが、仮にパッケージ版の売上を踏まえれば好調なら態々「PS5の普及率を考えると〜」などという釈明ではなく具体的な数字を発表した上で「ダウンロード版も含めれば好調」との見解を示すはずなので、スクエニ的には『FF16』の売上はダウンロード版含めても期待値を下回っている、と捉えるのが妥当だろう。

ソフトの爆発的売行きに牽引される形でPS3本体も24万5406台を売上げ(FF13同梱版含む)、2006年11月11日のPS3発売以来歴代1位の週間販売台数を記録した

ファイナルファンタジー13、発売初週で実売150万本 PS3本体も週間24万台販売=PS3歴代1位 | ORICON NEWS

また『FF』シリーズは最新作の発売を待ってして最新ハードの普及率を引き上げる役割を果たしてきた人気ブランド。実際2009年に『FF13』が発売された際にはPS3の売上が2006年に発売されて以降最大の数値を記録したという。

FF16はPSの最新機種「PS5」用となり、高精細な画像が期待される。安田氏は「PS5の普及がFF16の成功の鍵を握る」と指摘する。

期待も開発費も膨らみ、7年ぶり新作「FF16」6月発売…「PS5の普及が鍵握る」 : 読売新聞

一方で『FF16』発売の際には「PS5の売上を引き上げる!」という役割はあまり期待されておらず、寧ろ「『FF16』の売上はPS5の普及が鍵を握る」と指摘され、尚且つスクエニサイドが発売後にPS5の普及率を持って釈明をする始末。こうした状況の変化からも「FFブランド」の失墜を感じざるを得ない。

 

 

  • 評価高いのに売上が伸び悩む『FF16』

youtu.be

ただ「FFブランド」の失墜は『FF15』の時点で分かっていた話であり、今回の『FF16』は他に落ちたブランドを復活させることが期待されたタイトル。初週がある程度厳しい結果になるのはある意味では必然なのかもしれない。実際吉田Pは『NewsPicks』での落合陽一さんとの対談動画で「シッカリマスに発売したってことを伝えた上でゲームが面白ければ、後は世界中で配信してくださる方や楽しんだという声が出れば出るほど『じゃあ、PS5と一緒に買ってみようか』(みたいに長期的に売れていくと思う)」などと語り、「18ヶ月の長期計画」でヒットを狙う方針であることを明らかにしていた。ただ6月に発売されてから早半年、12月段階に至っても「発売から約1週間で全世界累計販売本数は300万本を突破」という発表から新たな売上報告はない。

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『FF16』の評価はAmazonレビューによると星5点中4.3点。『FF13』の4.0点、『FF15』の3.9点を上回っている。また『FF16』は星5点評価をしたユーザーが全体の62%を占めており、『FF13』の49%、『FF15』の49%も上回っている。つまり『FF13』『FF15』対比で『FF16』の評価が高いことは間違いない。ただ熱量の高い口コミで評判が広まっている感はあまりなく、売上数値も反映されてない。その原因は個人的に「『FF16』は手堅い作品だから」なのではないかと思う。『FF』シリーズは『FF13』『FF15』と尖ったコンセプトによる失敗が続いて「原点に立ち返って王道なファンタジーをやって欲しい」との意見が目立っていた。また『FF15』ではオープンワールドを採用した影響なのかフィールドもストーリーもスカスカという散々な評価だった。そのため『FF16』は「中世ヨーロッパを連想させる舞台での王道ダークファンタジー」になったし、オープンワールドなど「中途半端になるくらいならやらない」という安定思考の「手堅い一本」が完成した。だからこそ世間的な評判は悪くないし、楽しくプレイした人も多い。その一方で「手堅い作りの作品」、言葉を選ばずに書けば「地味」「無難」「平凡」な作品になってしまったことで、楽しく遊んだプレイヤーであっても高い熱量を持って他者に薦めるほどの魅力は感じられなかったのではないか、だからそこまで口コミが広がってないのではないか、と感じる。人はワガママなモノで「王道」を求めながらも、いざ「手堅い一本」が提供されると「『FF』にしては物足りない…」と無い物ねだりしてしまう生き物なのだろう。

また「吉田Pなら最高の『FF』を作ってくれる!」という事前の期待値が高くなり過ぎた反動もあるのかもしれない。自分みたいに『FF14』をプレイしたことがない人でも『FF14』を復活させた実績や『FF14』ユーザーからの信頼度、更に発売前のインタビューや生放送の発言から伝わってくる『FF』シリーズに対する分析力やゲームに対する熱い想いなどから「これはイケるのではないか」と期待が高まっていた。体験版配信時は「神ゲー確定」くらいの空気は漂っていた。そんな事前の期待度を下回ってきた感も口コミがイマイチ広がらない原因になっているのかもしれない。

 

 

  • 最後に…

そんなこんなで『FF16』の売上がイマイチ伸びてないのは「FFブランド」の失墜と「悪くないし、普通に面白かったけど…」くらいのゲームだったので口コミがあまり広がらなかったことが原因と推測される。果たして『FF』ブランドが復活する日は来るのか…

 

 

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