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クリア率低いのに高評価のゲーム『ホグワーツ・レガシー』、メインストーリーが「微妙」な理由と求められた「学生生活の擬似体験」

ホグワーツ・レガシー- PS5

『金曜ロードショー』の『ハリー・ポッター』シリーズ放送に便乗して、昨年発売されたゲーム『ホグワーツ・レガシー』の評価について記しておく。

 

  • 高評価もクリア率は低め

本作の概要は「まー、みんな知ってるよね」ということで省略するとして、本作は世界中で2200万本を売り上げ、総プレイ時間は7.7億時間を超える大ヒットゲームとなっている。また「スペック的に厳しいのでは…」と指摘されていたNintendo Switch版も「PS5版と比べるとグラフィックやロードの面で劣るのは否めないけど、ちゃんとホグワーツの世界観に浸れるクオリティに仕上がっている!」と評価され、「執念の神移植」として注目された。売り上げ面だけでなく、作品評価も好評な本作だが、実は発売当時から「クリア率が低いのでは…」との指摘もあった。実際、本作のメインストーリークリアを意味する「ホグワーツの英雄」のトロフィー獲得率はPS5版で34%程度。昨年発売の注目タイトルであった『FF16』の46.3%、『Marvel's Spider-Man 2』の55.8%と比較するとかなり少ない印象を受ける。一方でこの手のオープンワールドゲームの場合、メインストーリーのクリア率が30%台というのは珍しい話でもない。ただ本作のメインストーリークリアまでのボリューム感やマルチエンディングでないことなどを踏まえると、クリア率が低く感じるのも事実である。

 

 

  • メインストーリーが微妙な理由

また本作は昨年からゲームアワードからスルーされ気味だったこともあり「『ハリー・ポッター』の原作者のトランスジェンダーへの差別的発言が影響しているのではないか」との憶測もあった。実際、発売前にはボイコット騒動もあった本作なので、その可能性は否定できない。ただこの疑惑に対しては「あり得ない話ではないけど、本作に関してはそれだけとは言えない」と冷静な声も多い。その理由は本作が映画『ファンタスティック・ビースト』シリーズと異なり原作者が深く関与した作品ではないが故に「ハリポタの魔法ワールドの正史に影響を与えることができない」という縛りがあるため、メインストーリーが「物足りない」「食い足りない」、言葉を選ばず書けば「微妙」なのだ。これは多くのゲーム系配信者がレビュー動画で同様の見解を述べていたし、自分もそう思った。ただ別につまらない訳ではないし、本作には「あのハリポタの魔法ワールドを体験できる」という圧倒的魅力があるから満足度も高い。ただ「クリア率が低い」「ゲームアワードからスルー」と聞けば「まー、そうかもね」とある種の納得感があるくらいにはメインストーリーに求心力がないのだ。

 

 

  • 求められた「学生生活の擬似体験」

一方で評判がいいのがメインストーリーと同時並行で語られるホグワーツ生徒とのサブストーリーだ。その中でもスリザリン生のセバスチャンクエストは「このシナリオライターにメインを担当させろ」「最早これがメインだろう」と言われるほど評価が高い。こういう世間の評判を見ていくと、多くの人が本作に求めていたのはメインストーリーのような「ホグワーツ城外での単独の冒険」ではなく「ホグワーツ城内で友人と送る学生生活の擬似体験」だったのではないか、と感じる。だからメインストーリーをクリアしてないライトユーザーでも「組み分け帽子」や「杖購入」などをすることで、「ハリポタワールド」に触れてある程度満足したりしてるのではないかと推測される。その意味では長尺なサブストーリーが「グリフィンドール」「スリザリン」「ハッフルパフ」の3寮だけで、「レイブンクロー」がなかったのは解せない。また任意での恋愛クエストも欲しかった。そういう選択性のクエストがあると、プレイヤーそれぞれがそれぞれのホグワーツライフを送ることが出来たので、「自分だけの学生生活」感が高まり、没入感も高まったのではないか、と感じた。

 

 

  • 最後に…

最後に本作の主人公はメインストーリーで重要キャラが死んだ直後も割とケロッとしていて微妙に感情移入しにくい感はあった。

 

 

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