「ルパン三世」というルパンの孫が主人公の有名な作品があります。今回はこの作品が存在しなければ日本にミステリーマンガは無かったかもしれないという話をしたいです。
日本のミステリーマンガの先駆けは「じっちゃんの名にかけて!」でお馴染みの「金田一少年の事件簿」です。本作の主人公は金田一耕助の孫という設定ですが、これは講談社の編集が「ルパン三世」を見て思い付いたアイデアだったのでもし「ルパン三世」が存在しなかったら「金田一少年の事件簿」は生まれなかったかもしれません。
ちなみに「金田一」の初期は「金田一耕助の名にかけて!」と「金田一耕助」に「じっちゃん」とルビを振ってたけどある時期から「じっちゃんの名にかけて!」とただの「じっちゃん」表記になった。さらに付け加えると初期の「金田一」は「金田一耕助」に対しての著作権の問題をクリアしないで連載していた。その為文春砲を食らっている。
さらに現在ミステリーマンガ界一番のヒット作になっている「名探偵コナン」は「週刊少年マガジン」で「金田一」がヒットしているのを羨ましく思った「週刊少年サンデー」の編集が「サンデーの金田一を描け!」と青山剛昌先生にオファーしたことから始まった連載のため「金田一」がヒットしてなかったらそもそも始まらなかった可能性が高い。つまり日本のミステリーマンガは「ルパン三世」が無かったらここまで広がってなかったのかもしれません。
しかし昔は「金田一」のがテレビドラマも成功してイケイケだったのに、今じゃ「コナン」に完全に逆転されてしまっている…
そういえば「暗殺教室」で「マガジン」「サンデー」は探偵物のメガヒット作品が揃っているのに「ジャンプ」には無いというネタがある。
これは「暗殺教室」の作者・松井優征のデビュー作品「魔人探偵脳噛ネウロ」という
探偵物のマンガの文庫版が発売されているので宣伝するというファンサービスに近いオチ(それに加えて自虐ネタ)が付くんだけど実は「ジャンプ」も「ドラゴンボール」「スラムダンク」「幽☆遊☆白書」など黄金期の看板マンガが次々と終わって「マガジン」に押されている時に「金田一」を筆頭とするミステリーマンガブームに便乗しようとして、「人形草紙あやつり左近」という
ミステリーマンガを大ヒットさせようと目論んだ。しかし本作は短期で打ち切りになっている。ただその後作画の小畑健がキャリアを積み上げ本作も注目されたことでアニメ化・文庫化までされている。
小畑が作画を担当している「バクマン。」に「ジャンプに推理物の大ヒット作品はない」というコマがあるけどこれ読んだ時どんな気持ちだったんだろう…
ついでに「金田一」のドラマ版は後に「トリック」や「ケイゾク」「SPEC」「20世紀少年」を手掛ける堤幸彦監督が演出したんだけど、これが連続ドラマの初チーフ監督作品だったからもしこれがなかったら彼のキャリアも全く違うものになってたかもしれない。
おまけで書くとルパン三世と峰不二子の間に出来た子供が主人公の作品「ルパン小僧」というマンガもあります。「ルパン四世」というタイトルではないのですね… この作品は原作者が編集に少年版「ルパン」を描いて欲しいと言われて嫌々描いた作者から望まれずに生まれた子の作品だ。
さらにおまけで「ルパン8世」というルパンの子孫が22世紀に私立探偵として宇宙を舞台に大暴れするフランスアニメも作られる予定だったという。色々あって頓挫したらしいが… もし今漫画家志望がこのブログを読んでいたら是非「名探偵コナン三世」という作品を執筆して出版社に持ち込もう!テレビドラマのプロデューサーは「半沢直樹三世」「ドクターX三世」という企画を会議でプレゼンしよう!多分どれもヒットしないけどね…
ただ「ぬらりひょんの孫」は本当に「ルパン三世」「金田一少年の事件簿」を読んだ作者が「ぬらりひょんの孫のマンガを描いたらヒットするんじゃね?」という発想の元描いてヒットさせたわけだからやっぱり三世ネタはヒットする可能性に満ちているのだ。だから今後とんでもない三世ネタの作品が生まれるかもしれない。人気YouTuberの孫が主人公の「ヒカキン3世」とかね!