[注意]『カメラを止めるな!』のネタバレ有り
昨年社会現象にもなった大ヒット映画『カメラを止めるな!』。本作の口コミで一番多かったのが「予告編も見ないで出来るだけ予備知識なしで行け」というモノ。確かに予告編を観ると本作の構造が見えてしまうが、果たして本作の予告編はネタバレなのか?
『カメラを止めるな!』の予告編
本作の予告編は前半で37分間のワンカットゾンビ映画のシーンを流し、後半で「この映画はゾンビ映画を撮ったヤツらの話だよ!」と二重構造である事をバラしている。この予告編が「作品の構造をネタバレしている!」と話題になった。もちろんワンカットシーンもゾンビ映画を撮ってる人たちの話ではあるが、前半部分は劇中でカメラが止まっていてもアナログな映像から予告編で観たデジタルな映像に切り替わらない。この時点で事前に予告編や「この映画は2度始まる」というキャッチコピー、「三谷幸喜っぽい」みたいな前評判を聞いて観た人の殆どが二重構造である事に確信を持っただろう。
つまり「ゾンビ映画だと思ったらコメディ映画だった!」という驚きを体験して欲しいファンや体験したい人にとっては本作の予告編は完全なネタバレになっていると言えるだろう。
途中で観るのを辞める人も…
失礼します。まさに昨日12日の中日新聞夕刊「ハイ編集部です」にはこんな意見がありました pic.twitter.com/BCVVlNPyFx
— 南田神田 (@overcomeon) 2019年1月13日
一方で本作の評判を聞いて観た人の中には二重構造である事が明かされる前に観るのをやめてしまった人も少なくないようだ。映画館ならともかくレンタルだと途中で観るのをやめてしまう人が多い気持ちも分かる。
『金曜ロードshow!』もその辺りを理解しているのか「最後までチャンネルを変えるな。この映画は2度はじまる。」とギリギリの綱渡りをするようなCMを放映している。個人的に『紅白歌合戦』の様に毎分ごとの視聴率結果を出して欲しいレベルだ。
二重構造はネタバレなのか?
個人的には二重構造を知らないで観た方が絶対楽しめると思っているのを大前提に、そもそも二重構造はネタバレなのかという疑問もある。例えば本作がフジテレビ制作の三谷幸喜脚本作品なら十中八九「二重構造のコメディ映画」である事は宣伝の段階でバラしていただろう。
実際問題映画の予告編で普通の恋愛映画に見せかけて「実はサスペンス映画です!」と二重構造を使う映画は多い。この手の宣伝に対して批判的な意見をよく見るが、実際問題この宣伝方法以外この手の作品を紹介するベストな方法が無いのが現実だ。
もちろん『カメラを止めるな!』の様に口コミで広がるのが理想的だが、知名度が低い低予算映画が奇跡の大ヒットをした結果論でしかないため狙って出来る宣伝では無く参考にならないというのが製作側の本音だろう。現に同じパターンを狙った『来る』は全く来なかった…
ちなみに先月『金曜ロードshow!』で放送された『ラ・ラ・ランド』の予告編も「…」です。
ブランドがあれば…
近年「あっ!」と驚く仕掛けがありながら予告編でネタバレが無かった映画で思い付くのは庵野秀明監督作品の『シン・ゴジラ』と『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』だ。前者は「ゴジラが××する」、後者は「エヴァの××」を全く匂わせる事のない見事な予告編だった。しかしこの2作品は元々のブランド力があってこそ出来た予告編ともいえ完全オリジナル作品では同じく参考にし難いだろう。
ちなみにブランド力抜群の『ターミネーター:新起動/ジェニシス』の予告編はやらかしまくってる。アレは普通に隠して良かっただろう…
『ドラゴンボール超 ブロリー』も「××××は観せないで欲しかった」という意見多かったですね。本作も普通に隠しててもイケたと思うので残念です。
劇場版『ドラゴンボール超 ブロリー』オリジナル・サウンドトラック
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最後に…
サプライズがある映画の予告編って難しいなと思います。匂わせないとその他の作品が好きな人に届かないし、匂わせると何と無くネタが分かって驚きが薄まる。どうしようもない気がします。