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『劇場版名探偵コナン』シリーズは実写邦画ではハードルが高いアクション大作の役割を果たしている!

劇場版 名探偵コナン 紺青の拳(フィスト) 予告

毎年4月にゴールデンウィーク興行として封切られ年間トップレベルの興行収入を記録する大ヒットシリーズ『劇場版名探偵コナン』。コナンの劇場版シリーズは日本では実写映画として公開するのが難しいアクション大作のジャンルを補っている存在だと言える。

 

日本でアクション映画は難しい

ダイ・ハード (字幕版)

ミッション:インポッシブル フォールアウト (字幕版)

007 スペクター (字幕版)

『劇場版名探偵コナン』シリーズの初期はかなり『ダイ・ハード』シリーズから影響を受けているように思えるけど、今のコナン映画は『ダイ・ハード』を筆頭に『ミッション:インポッシブル』『007』シリーズなど海外のアクション大作の人気シリーズの日本版だといえると個人的には考えている。

上記に挙げたシリーズ映画の特徴は何だろう?それは魅力的なキャラクターである事は第一だが、他に挙げられる点としては実在の場所を舞台に様々な地域を股にかけながらカーチェイスや爆発なと数々のアクションを繰り広げながら物語が進んでいくところにある。しかし日本映画の実写でこの手の人気シリーズを製作しようとしても限界がある。

アマルフィ 女神の報酬

映画「ルパン三世」【TBSオンデマンド】

もちろん日本映画界はその手の映画に挑戦した過去もある。具体例を挙げるならフジテレビが開局50周年記念作品として製作した織田裕二主演の『アマルフィ 女神の報酬』やTBSテレビが小栗旬主演で製作した『ルパン三世』などだ。ただコレらの作品は多くの人気俳優のスケジュールを確保して長期の海外ロケで撮影をする為莫大な製作費がかかる。その為興行収入のリクープラインも高い為、製作陣が望んでいた日本を代表して世界にもウケる長期のシリーズ化にはならなかった。また実在する大都市や架空の施設が大爆発するというこの手の映画の一種の見せ場シーンをCGで描くという事も日本映画の製作費の都合上難しかった。

 

 

アニメだから出来るアクションや演出

youtu.be

その点アニメ映画だと実写では高いハードルとなるポイントが比較的容易にクリア出来るケースが多い。勿論アニメーターさんの多大な努力や日本のアニメ界が低賃金である事など色々と複雑な背景もあるのだろうが、やはり実写よりはかなりハードルが低い。

例えば今年公開の『紺青の拳』ではシンガポールを舞台にしている。コレを実写映画でやろうと思うと上述したように人気俳優のスケジュールを長期で抑え、滞在期間の宿泊費等様々な費用が嵩む。当然俳優のスケジュールだけでなく、スタッフの費用なども考えれば莫大な費用になる。しかしアニメならスタッフの一部が舞台のモデルとなる場所へ見学に行く事などはあるだろうが基本的に声優もスタッフも日本で仕事が出来る。また日本が舞台の背景を描くのにも海外が舞台の背景を描くにもそこまで労力は変わらない。コナン映画で海外に行く事で問題になるのは予算よりパスポート問題の方だ。

他にも実在の施設を爆破するシーンも実写でやるとどうしてもショボく見えるケースが多発するがコナン映画なら最初からアニメだからその点を避ける事が出来る。また架空の施設を作る場合も実写だと外側の映像はVFXでそれなりのクオリティを保つ事も多いが、内側のセット部分は日本映画の最高峰の予算で挑んでも限界があるケースが多い。コレは戦艦や豪華客船などにも同じことが言える。しかしこの点もコナン映画では比較的ハードルが低い。

コレはカーチェイスやカーチェイス・ヘリチェイスなども同じで日本の実写映画でこの手のアクションシーンのハードルは高い。また大作実写邦画でも都心でのチェイスシーンは絶望的だ。しかしコナン映画ならこのハードルも実写より簡単に越える事が出来る。

他にも実写なら都心のパニックシーンは大量のエキストラを雇い撮影場所を確保する為に様々な契約を交わしながらロケ地を一時的に封鎖して撮影をするなど莫大な費用がかかる。ここら辺もコナン映画なら実写に比べるとハードルは低い。勿論実写に比べればという話でアニメスタッフさんが物凄い努力で成り立っているのは大前提だが、上述した理由からコナン映画は日本の『ミッション:インポッシブル』シリーズのような大作アクション映画の需要をシッカリと満たしている貴重な存在だと自分は考えている。

 

 

最後に…

実はこの路線ってコナン映画だけではなく、『ルパン三世』など他の作品にも当てはまる。ただコナン映画がここまで爆発的なヒットを叩き出せるのはやはり他に色々理由があるのだろう。これからも長期シリーズとして頑張って欲しいが… 「コナン映画ってやっぱり原作完結と同時に終わるのか?」という問題がある。それはまた別の機会に…