ディズニー・ピクサー最新作『トイ・ストーリー4』が興行収入100億円突破を狙えるメガヒットスタートを切った。
- 『トイ・ストーリー3』超えのスタート
本作の土日2日間の興行は13億7700万円と2010年に公開され興行収入108.0億円を記録した『トイ・ストーリー3』の土日2日のオープニング9億7733万2450円対比で140.9%のスタートとなっている。『4』が基本2D上映・金曜初日かつ月曜祝日だったのに対して、『3』はチケットアベレージが高い3Dシェア率が81%・土曜初日だった事を踏まえれば、『4』が如何に圧倒的なスタートを切ったかが理解出来る。
- 『アナ雪』超えで洋画アニメNo. 1ヒットスタート
金曜初日を含めたオープニング3日間の興行は17億0686万円と2014年に公開され興行収入255.0億円を記録した『アナと雪の女王』のオープニング3日間9億8640万5300円を超えて洋画アニメ史上歴代1位のスタートとなった。
- 2019年度公開映画としては2位スタート…
ただし2019年度公開映画としては興行収入90億円を突破した『名探偵コナン 紺青の拳』のオープニング3日間の興行18億8600万円は劣り今年度2位のスタートに甘んじた。
- 『炎の王国』を超えるオープニング4日間
月曜祝日を含めたオープニング4日間の興行は24億4073万円と驚異的。この数字は昨年同じく夏休み映画として7月の2週目の3連休に公開され興行収入80.7億円を記録した『ジュラシック・ワールド 炎の王国』のオープニング4日間の興行21億677万円を超えている。
- ディズニー単日興行記録も更新
更に本作が記録的なのは公開3日目の日曜日だけで興収8億828万1200円を記録してディズニー単日興行記録歴代1位を更新した事だ。また更新日が7月14日とTOHOシネマズが一律1400円で観れるサービスデーでチケットアベレージが下がっていたという事も特筆しておきたい。ちなみに『4』の日曜日の動員数は62万829人。『3』の土日2日間のオープニング動員数64万9299人に1日だけで肉薄していた事実も付け加えておきたい。
- 興行収入100億円突破なるか!?
オープニング4日間で24億円を突破した『トイ・ストーリー4』だが興行収入100億円突破には幾つもの壁が存在する。現に昨年オープニング4日間で21億円を突破して興行100億円突破を期待された『炎の王国』は80.7億円に留まった。『4』の100億円突破の壁の1つは今週末公開される新海誠監督最新作『天気の子』だ。本作の興行が最終的にどこまで伸びるかは未知数だが、少なくとも公開週で座席数の多いスクリーンを占拠されてしまう事は確実。また『天気の子』に関しては既に東宝が全国のシネコンに動員数関係なく回数契約している可能性も高い。だとすれば『トイ・ストーリー4』は今後興行の割に不遇な扱いを受けて物理的に興行を伸ばす限界が出来てしまう可能性がある。
また3DCGアニメ映画は『トイ・ストーリー3』が公開された2010年時点ではピクサーの独壇場だった。しかしこの9年間でピクサー以外のアニメスタジオも実力を伸ばし、日本映画も3D CGアニメ映画の分野に手を伸ばし始めている。今年の夏公開作品だとイルミネーションスタジオ最新作で興行収入42.4億円を突破したヒット作の続編『ペット2』と興行収入83.8億円を記録した『STAND BY ME ドラえもん』の山崎貴監督が脚本・総監督を務める『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』が公開される。『ペット2』と『ドラクエ』は『トイ・ストーリー4』とターゲット層が重なる事からも少なからず興行に影響が出ると考えられる。
- 最後に…
ただし1番重要なのは口コミだ。『トイ・ストーリー3』は殆どの人が作品を絶賛して息の長い興行を続けた。しかし『トイ・ストーリー4』は既に賛否両論。バックリと評価が割れている。この影響が今後どの程度興行に影響するかも含めて大注目だ。