『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』がシリーズ初の興行収入100億円突破に向けたメガヒットスタートを切った。
『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』は全国498館で初日含む3日間で動員132万1944人&興収19億746万7150円となっています
— 元編集長の映画便り (@moviewalker_bce) 2022年4月18日
オープニング3日間
— 元編集長の映画便り (@moviewalker_bce) 2022年4月18日
『から紅』動員98万3781人&興収12億8692万8000円
『ゼロ』動員128万9184人&興収16億7113万6900円
『紺青』動員145万8263人&興収18億8629万2700円
『緋色』動員153万3054人&興収22億1813万800円
『ハロウィン』動員132万1944人&興収19億746万7150円
※直近5作で動員3位&興収2位
- ライト層とコア層の心掴み興行的全盛期へ
『名探偵コナン』シリーズは長年興行収入30億円前後で推移してきたが、テレビドラマ『相棒』などの人気刑事ドラマの脚本を執筆してきた櫻井武晴氏が脚本を担当することで「子供向け」から「大人も楽しめる」方向に本格的にシフトしたと思われる2013年公開の『絶海の探偵』で興行収入36.3億円とシリーズ初の35億円を突破。翌年2014年公開の『異次元の狙撃手』では原作に先駆け沖矢昴の正体が明らかになることから原作ファンを取り込み、興行収入41.1億円とシリーズ初の40億円を突破。更に2015年公開の『業火の向日葵』でも興行収入44.8億円とシリーズ最高を更新。
そして2016年公開の『純黒の悪夢』では「シリーズ20周年記念作品」として「ラム」の正体を匂わせる宣伝で、原作ファンだけでなく「かつてのコナンファン」から「ライトなコナンファン」までを一度に劇場に呼び寄せることに成功して興行収入63.3億円とシリーズの記録を大きく更新。支持母体を底上げした。
ライト層の支持層を広げ切った後に2018年公開『ゼロの執行人』で人気キャラクター「安室透」を押す作品を公開。コア層の心を掴み、「ゼロ落ち」「安室を100億の男に」などのファンらが独自に考案したフレーズが拡散され、口コミで評判を伸ばす形で興行収入91.8億円と当時の歴代最高興行だった前年公開の『から紅の恋歌』の68.9億円から20億円以上伸ばすメガヒットとなった。
- 100億円の壁、未だ突破できず
一方でコナン映画は2019年公開『紺青の拳』で興行収入93.7億円と7年連続シリーズ最高興行収入を記録する右肩上がりの興行を見せるものの、興行収入100億円の壁は厚かった。また当時邦画で興行収入100億円を突破したのは実写は『南極物語』と『踊る大捜査線』の1・2作目と宮崎駿監督作品5本と『君の名は。』のみという状況でテレビアニメの劇場版が100億円を突破するのは難しいのではないか、という見方が強かった。しかし2020年公開『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』というテレビアニメの劇場版が日本の映画興行史を塗り替えるメガヒットとなり、興行収入400億円を突破。
更に2021年公開の『シン・エヴァンゲリオン劇場版』『劇場版 呪術廻戦0』とテレビアニメの劇場版(『シン・エヴァ』の立ち位置は微妙だが…)が立て続けに100億円を突破。「オリジナルアニメではないテレビアニメの劇場版が100億円を超えるのは難しいのでは?」という見解は古いものとなった。その一方で1年の公開延期の末に同年公開された『緋色の弾丸』はシリーズ最高のオープニング興行を記録するも、翌週からの新型コロナ感染拡大による「映画館休業要請」により大ブレーキがかかり、最終興行は76.5億円に留まった。
- 最後に…
テレビアニメの劇場版シリーズとしてそれまでの常識を破り続けるヒットをしてきたコナン映画。一方でコロナ禍の影響など運に恵まれず興行収入100億円突破には後一歩届かないでいる。シリーズ最新作『ハロウィンの花嫁』は前年のオープニングは下回るもシリーズ歴代2位のスタート。果たして今年こそ念願の興行収入100億円突破なるか… コロナ感染者の推移と共に注目だ。
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