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庵野秀明監督『シン・仮面ライダー』がライダー映画史上初の興行収入20億円突破も「入場者プレゼントの数」と「観客動員数」の差が…

映画チラシ『シン・仮面ライダー』バージョン違い4種セット+おまけ最新映画チラシ3枚  

『シン・仮面ライダー』が『仮面ライダー』の映画シリーズで初めて興行収入20億円を突破して、歴代最高のヒットになったという。

 

  • シン・ジャパン・ヒーローズ・ユニバース最低興行

シン・ゴジラ

シン・エヴァンゲリオン劇場版

シン・ウルトラマン

ただこの報告を受けてのSNSの反応は必ずしも芳しいものではなかった。その理由は庵野秀明監督が手掛ける『シン・ジャパン・ヒーローズ・ユニバース』の中では歴代最低興行に終わることがほぼ確定しているからだ。これまでの同ユニバース作品の興行収入は『シン・ゴジラ』が82.5億円、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』が102.8億円、『シン・ウルトラマン』が44.4億円で、それぞれ年間3位、年間1位、年間10位と年間トップクラスのヒット。一方で本作は例年の年間ランキングの傾向を踏まえれば年間トップ10入りはほぼ不可能な成績。またこれまでの同ユニバース作品はそれぞれの過去シリーズにおいてそれまでの最高興行を大きく上回る形で記録更新していたのに対して、今回はこれまで歴代最高だった『劇場版 仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー』の19.0億円に毛が生える程度というのも、何処か「決定版」を出してくれるという期待感があった『シン・ジャパン・ヒーローズ・ユニバース』としては物足りない結果に見えるのかもしれない。

 

 

  • 入場特典の数と実際の観客動員数の差

また本作の興行収入への「期待外れ」感は用意されている入場特典の数と実際の観客動員数の乖離からも生じている。本作の入場特典は現段階で第1弾から第7弾まで発表されており、それぞれ用意されていた数は順番に100万、50万、50万、50万、50万、50万、100万、と合計450万。本作のチケットアベレージは約1480円なので、単純計算で興行収入66.61億円分だ。また興行がひと段落つきゴールデンウィーク興行に本格的に突入する4/28から『エヴァンゲリオン』とのコラボカードを100万パック用意している辺り、ここから動員100万人、興行換算では14.8億円程度のプラスを見込んでいたのではないか、との思惑も見てとれる。一方で公開1ヶ月半が過ぎた辺りでの現在の累計動員数は136万4495人。既に多くの劇場で1日の上映回数が1回に絞られているので、ここから先は大きな伸びも見込めないだろう。勿論、東映側もある程度特典の配布期間がダブってしまう可能性は想定していただろうが、ここまで刷けが悪いとは思っていなかったのではないか。『エヴァ』とのコラボカードも一部では「テコ入れ」との指摘もあるが、流石に「興行がイマイチだから…」と急遽追加できるとも思えない。もしかしたら本来は「大ヒット御礼、感謝の気持ちを込めて」的なポジションの予定だったのかもしれない。

 

 

  • 目標興行は「100億円」「80億円」「50億円」

キネマ旬報 2023年5月上・下旬合併号 No.1921

パンフレットでは企画・プロデュースが「僕としては、庵野さんを実写もアニメも興収100億円にいかせた最初の男にしたい」と発言するなど、目標の高さを窺わせていた。勿論この発言自体は冗談半分の面もあっただろうが、『キネマ旬報』2023年5月上・下旬合併号 No.1921の興行分析欄では数人の関係者に話を聞いたところ目標は「80億円」や「50億円」などで「20億円台」と言っている人はいなかった、という。実際、これまで一度も興行収入10億円を突破したことがなかった『ウルトラ』シリーズが『シン・ウルトラマン』で44.4億円の大ヒットを記録したのなら、10億円突破作品が複数あり、20億円にも迫ったことがある『仮面ライダー』シリーズを庵野秀明監督が手掛けるなら50億円突破も「現実的」と考えていても不思議じゃない。寧ろ庵野秀明監督の『シン・〜』の企画で「今までの『仮面ライダー』の映画の中で1番のヒットになったら嬉しいですね!」くらいの目標だった方が違和感がある。

 

 

  • 最後に…

ちなみに『わたしの幸せな結婚』は後から『シン・仮面ライダー』との同日公開だということが判明して「もっと早く公開日を発表してくれたら被らないようにしたのに…」みたいな感じだったらしいが、結果はご存知の通り。映画興行はやはり水物、蓋を開けて見るまではどうなるか分からないものだ。

 

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