興行が振るわなかった実写邦画シリーズ第4弾。9〜11月編です。
累-かさね-
配給:東宝
興行収入: 5.3億円
あらすじ:キスをすると顔が入れ替わる
土屋太鳳と芳根京子がダブル主演で、2人の少女の美醜をめぐる人間の業を描いた松浦だるまの同名コミックを実写映画化した愛と狂気のダークシンデレラストーリーとして『万引き家族』『劇場版コード・ブルー』に続いて公開されたフジテレビ製作の意欲作だったが、週末動員数ランキングは全国292館で初登場9位と惨敗。興行収入も5.3億円と振るわなかった。
響 -HIBIKI-
配給:東宝
興行収入:5.5億円
あらすじ:天才女子高生が文学界を騒がせる
映画初出演となる「欅坂46」の平手友梨奈主演で、月川翔監督のメガホンで柳本光晴の人気漫画『響 小説家になる方法』を実写映画化した作品。一人の天才女子高生が文学界に現れて批評的にも売り上げ的にも大旋風を巻き起こすという内容とは裏腹に、興行的には全国296スクリーンで封切られ初登場6位で最終興行も5.5億円と振るわず。『君の膵臓をたべたい』の月川翔監督作品としても『となりの怪物くん』に続いて興行的に厳しい結果となった。ちなみに昨年の東宝は9月に2週連続『累』『響』という漢字一文字映画を公開して両作品とも惨敗している。
3D彼女 リアルガール
配給:ワーナー・ブラザース
興行収入:2.9億円
あらすじ:オタクとリア充の恋愛映画
リア充美少女と恋愛経験ゼロのオタク男子の純愛を描いた那波マオ原作の同名人気コミックを、中条あやみ＆佐野勇斗主演で実写映画化した作品。全国288スクリーンで封切られるも、最終興行は2.9億円と目も当てられないほどの惨敗。ちなみに主題歌をつとめた西野カナは2018年度公開作品だと『となりの怪物くん』の主題歌もつとめており、両作品とも興行的に苦戦した。
散り椿
配給:東宝
興行収入:8.1億円
あらすじ:愛のために剣を振る時代劇
名カメラマンの木村大作が映画監督第3作として、岡田准一を主演に迎え手がけた時代劇。全国342スクリーンで封切られたが、最終興行は8.1億円と振るわず。
パーフェクトワールド 君といる奇跡
配給:松竹
興行収入:6.22億円
あらすじ:目指せ！第2の『植物図鑑』
障がいを抱える若者の恋を描いた有賀リエによる恋愛漫画を、岩田剛典と杉咲花の共演で実写映画化した作品。松竹が2016年に公開して興行収入22.06億円の大ヒットになった『植物図鑑』再びと意気込み、全国323スクリーンで公開したが最終興行は6.22億円と厳しい結果に終わった。ちなみに同作品は今年フジテレビで松坂桃李・山本美月出演でドラマ化された。平均視聴率は6.4%とドラマ版も大コケ。
億男
配給:東宝
興行収入:6.3億円
あらすじ:借金男に宝くじが当たる映画
映画プロデューサー・川村元気氏の同名ベストセラー小説を佐藤健と高橋一生の共演、大友啓史監督で映画化した作品。川村元気プロデューサーは新海誠監督の『君の名は。』を興行収入250.3億円の記録的な大ヒットに導いたり、『映画ドラえもん のび太の宝島』で脚本を担当して興行収入53.7億円とシリーズNo. 1ヒットに導くなど正に東宝の「億男」的存在。小説デビュー作『世界から猫が消えたなら』に続き自身の小説を『るろうに剣心』コンビの大友啓史監督・佐藤健主演で実写映画化するという夢のような企画だったが、全国299スクリーンで最終興行6.3億円と厳しい結果に終わった。
旅猫リポート
配給:松竹
興行収入:5.32億円
あらすじ:猫と飼い主の絆を描く映画
有川浩の同名ベストセラーを原作に、福士蒼汰演じる心優しき青年と高畑充希が声を担当したツンデレ猫が織りなす旅の行方を描いたロードムービー。全国322スクリーンで公開されたが、最終興行は5.32億円と大コケ。福士蒼汰の2018年度主演映画は『曇天に笑う』『BLEACH』『旅猫リポート』と大コケ続きだった。ちなみに当時の皇太子ご一家が御鑑賞されたようだが、当時の天皇陛下が御高覧された『羊と鋼の森』も本作もコケてるので「皇族が褒める映画はコケる」みたいなジンクスが生まれないことを祈る。
最後に…
当たり前だけど「興行的失敗作品」が「ダメな映画」という訳ではない。一方で結果が出なかったのは何かしら理由があるはず。その反省が次のヒット作品に繋がると信じている。
