長澤まさみ主演『コンフィデンスマンJP ロマンス編』の地上波初放送の視聴率が11.7%だったことがわかった。
本作は『リーガルハイ』などの古沢良太脚本のオリジナル作品で、2018年4月クールにフジテレビの月9枠で放送されていた。本作放送当時の月9枠は前々クールの篠原涼子主演『民衆の敵』が平均視聴率6.7%、東村アキコ原作の人気漫画の実写化『海月姫』が平均視聴率6.1%と2作品連続で月9史上ワースト視聴率を更新するという厳しい状況にあった。そのため、本作放送前は「『プロポーズ大作戦』以来11年ぶりの長澤まさみ主演ドラマが月9枠の存在を左右する」などというネットニュースの格好の餌食にされていた。そんなプレッシャーがかかる中で放送開始した本作の初回視聴率は9.4%と一桁スタート。その後も連ドラ放送時には一度も二桁に届くことなく、連ドラの平均視聴率は8.9%と厳しい結果に終わった。放送中は「長澤まさみの振り切った演技が痛々しい」「長澤まさみの高額ギャラと視聴率が見合わない」「放送前からドラマは全話撮影済みで、映画化も決まっているので低視聴率でも打ち切りにできない」などのネガティブなネットニュースをよく見たのを記憶している。
そんな大苦戦だった連ドラ版だったが、1年後に映画のタイアップとして放送されたスペシャルドラマ版『コンフィデンスマンJP 運勢編』では視聴率10.3%とシリーズ初の二桁を記録。また劇場版である『コンフィデンスマンJP ロマンス編』はオープニング興行3日間で4億8000万円と最終興行25億円以上を狙える好スタートを切り、最終興行は29.7億円まで伸ばす大ヒットを記録した。そして7月23日より公開されるシリーズ最新作『コンフィデンスマンJP プリンセス編』のタイアップとして地上波初放送された『ロマンス編』の視聴率が11.7%とシリーズ最高記録を更新したというのは、連ドラ放送時から本作を応援していた自分としては感慨深いもある。
一方で地上波初放送日だった7月18日の午後に本作でも重要な役を演じた三浦春馬さんの訃報が日本中を驚かせた。本作でも急遽冒頭に追悼テロップを放送。冒頭の長澤まさみ演じるダー子と三浦春馬演じるジェシーの過去映像は、昨年劇場で観た時にはなかった感情を覚えた。
すみません、収録が終わるまで、みんなが黙っててくれて、本当にさっき知って、取り乱してしまいました。
— 小手伸也 (@KOTEshinya) 2020年7月18日
申し訳ございませんでした。
今日はかえって「ロマンス編」を家で見ます。笑えるかな。笑えるといいな。でも笑わないとな。だって三浦くんの演技最高だったんだから。本当に。
昨日はロマンス編ご覧いただき有り難うございました。思えばジェシーの配役、Pは苦労されてました。僕がかなりナサケナイ役にしてしまったし。三浦さんがやってくださることになり、完成品を観た僕の感想は、こんなに魅力的なキャラを書いた覚えはない、でした。才能ある俳優とはこういうものかと。続
— 古沢良太 Ryota Kosawa (@kosawaryota) 2020年7月19日
当初台本ではジェシーは赤星に怒鳴られて終わりだったのをボコボコに蹴られた方がいいのではと提案してくださったのも三浦さんでした。おかげで人気キャラになり、新作でも大活躍。今後も計画していることがありました。僕にできることは作品世界で活躍させ続けることなのかなと今は思っています。感謝
— 古沢良太 Ryota Kosawa (@kosawaryota) 2020年7月19日
三浦春馬さんが亡くなった背景に何があったのかは分からないが、彼が作品内で演じていた天才恋愛詐欺師・ジェシーの「真っ赤な服を着こなして登場するなどのギャグシーン」に笑わされ、「ダー子とのラブシーンやモテ仕草」に嫉妬させられ、「すべてダー子に騙されていたと知り、赤星の前から逃げ出す情けない演技」に再び笑わされた。きっと最新作のダンスシーンでも「カッコいいジェシー」と「ダサすぎるジェシー」を見事に演じきっているのだろうと思う。
『コンフィデンスマンJP プリンセス編』は7月23日より公開。「笑おう」という宣伝コピー通り、劇場が笑いに包まれる面白い映画であることを願っている。