修行シーン多い『鬼滅の刃』、何故か同業漫画家が「努力の過程を殆ど描かないから売れた」と分析

テレビアニメ『鬼滅の刃 遊郭編』の放送もスタートした『鬼滅の刃』だが、そんな本作についての同業漫画家の分析が悪い意味で話題となった。

 

 

  • 炭治郎の努力がほとんど描かれない!?

第二十五話 継子・栗花落カナヲ

特に話題となったのは「炭治郎が急激に強くなるんですが、努力の過程が描かれることはほとんどありません」という部分。何故なら『鬼滅の刃』はテレビアニメが放送されている範囲でも、序盤から「鬼殺隊」入隊選抜試験突破のための山奥での修行シーンが描かれ、「那田蜘蛛山」後も「機能回復訓練」として「茶碗を使った修行」やら、「睡眠中も全集中の呼吸を意識して、それが出来てなかったら叩かれる」やら、努力の過程を丁寧に描いている印象。しかもこの修行を経て「強くなった」と実感を得た炭治郎は、その直後の『無限列車編』で自身の無力感を味わうという厳しい展開。「努力の過程」が描かれないどころか「努力の過程を描き、尚且つそれが報われない描写」もあることから、この同業漫画家の「今のスマホ世代はできればすぐに答えや結果を知りたいというマインドが強い→だから努力の過程を描かない『鬼滅の刃』はヒットした」という分析は「本当に読んだのだろうか…」と思わざるを得ない。

更に本作の初代担当編集によると、原作者の吾峠呼世晴先生は修行シーンを短縮した方がいいという編集者の提案を「普通の人間がそんなにすぐ強くなるわけないと思います」と拒否したという。このエピソードからも『鬼滅の刃』が「努力の過程を描かない」という分析は見当違い感が半端ない。

 

 

  • 『鬼滅の刃』以降のトレンド?

ONE PIECE モノクロ版 61 (ジャンプコミックスDIGITAL)

また当該記事は「『鬼滅の刃』以降のトレンド」の分析記事としているが、「努力の過程を描かない作品」といえば、それこそ『鬼滅の刃』と同じ『週刊少年ジャンプ』で長年看板を張っている尾田栄一郎先生の『ONE PIECE』が思い浮かぶ。本作では「2年間の修行シーン」をバッサリカットしたことが「作品の魅力(特徴)」として大きな話題となっていた。

マトリックス(吹替版)

ハリー・ポッターと賢者の石 (吹替版)

その上、「主人公は努力によって何かを得るのではなく、“最初から素質を持っている”ようにする。そして、『その能力をいつ発動するのか』という過程を描いていく」という指摘も、1999年公開の『マトリックス』や2001年公開(原作は1997年刊行)の『ハリー・ポッター』シリーズなどのヒットで散々分析されていることなので今更感が拭えなかった。

 

 

  • 最後に…

当該記事で分析を行なった同業漫画家の『プロが語る胸アツ「神」漫画1970-2020』はどういう内容なのだろうか…

 

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