ネタバレ注意
ラナ・ウォシャウスキー監督最新作『マトリックス レザレクションズ』の賛否が割れている。
- 「死者復活」の同窓会
ラナ・ウォシャウスキー監督「父が亡くなり、友人が亡くなり、そして母が亡くなった」「ある夜泣いて眠れなかったとき、脳がこの物語を爆誕させた」「2人のキャラクターが再び生きているということは、すぐに慰めになった」「これこそがアートの役割であり、物語の役割」 https://t.co/3OUGcvetEh
— ゴミ雑草 (@mjwr9620) 2021年12月18日
ラナ・ウォシャウスキー監督は『レザレクションズ』製作の理由を「父が亡くなり、友人が亡くなり、そして母が亡くなった」「ある夜泣いて眠れなかったとき、脳がこの物語を爆誕させた」「2人のキャラクターが再び生きているということは、すぐに慰めになった」「これこそがアートの役割であり、物語の役割」だと語る。トリロジーでは機械と人類の間で和平が結ばれて平和が訪れたが、その裏にはネオとトリニティの犠牲があった。現実世界から一度死んだ人間は蘇らない。しかし映画というフィクションなら蘇らせることができる。
ラナ監督の想いを知ると、『レザレクションズ』の前半パートは両親や友人が生きてる頃はファンや会社から終わったはずの『マトリックス』の続編や前日譚、リメイクの話が持ちかけられて嫌だったけど、大切な人たちの立て続けの死を通して、4作目を作るのならトリロジーのようにシリアスで映像表現を追求する続編や前日譚でも、1から作り直すリメイクでもなく、死んだはずのネオとトリニティに再び会える温かい映画にしたい、という想いも込められていたのではないかという気もしてくる。本作は「トリロジーと違って味方サイドの死者がいない」という批判も見るが、折角のフィクション世界でネオとトリニティを蘇らせたのに新たな死者を生み出してしまったら本末転倒もいいところだ。本作を同窓会に例える人もいるが、過去を振り返りながら、学校生活(トリロジー)では対立していたヤツ(スミス)とも一時的にでも意気投合(協力)し、最後は好きな人と未来に向かって空中ダイブする懐かしさと清々しさは18年ぶりの続編として上手いアプローチだったのだと思う。
- 妹・リリーは監督降板
リリー・ウォシャウスキー監督「この話を始めたのは、父が亡くなってから母が亡くなるまでの5週間ほどの間」「人生の大変動(性転換と両親の死)を経験した後に、以前にやったことのあることに戻って、自分が歩いたことのある古い道を歩くというのは、感情的に満たされない」 https://t.co/DaUyILFTzE
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一方でこれまで姉妹仲良く監督してきたウォシャウスキーの妹・リリー監督は「この話を始めたのは、父が亡くなってから母が亡くなるまでの5週間ほどの間」「人生の大変動(性転換と両親の死)を経験した後に、以前にやったことのあることに戻って、自分が歩いたことのある古い道を歩くというのは、感情的に満たされない」として、『レザレクションズ』には関わっていない。その結果、「アクションシーンに魅力が…」と残念がる人もいるが、個人的には『レザレクションズ』の製作に対して作り手側である姉妹ですら見解が割れているというのは、本作のまた違った魅力の一つのようにも思える。
本シリーズに限らず、この手の続編に対して「蛇足」だと思う人は一定数存在し、フィクションだからといって死者を蘇らせるということに対して不快感を示す人もいるだろう。『レボリューションズ』のネオの死と引き換えにマトリックスに平和が訪れたという結末を大切にしたい人も少なくないはずだ。そういう場合、多くの人は色々な理由をつけて「自分の中でこの物語はここで終わっている」と自分を納得させるが、今回は作り手の片方がトリロジーの続きの製作に関わらなかった(とはいってもラナが作ることには前向きに応援)という事実がある。そのため、本作が好きな人はラナ監督のように「マトリックス4部作」として捉えればいいし、そうでない人はリリー監督のように「マトリックス3部作」として捉えればいい話なのだろう。
- 最後に…
個人的に『レザレクションズ』は作られて良かったと思ってるので、自分は「4部作」として捉えようと思う。
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