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トリニティがシステムによって押し付けられていた「役割」、『マトリックス レザレクションズ』ネタバレ感想

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ネタバレ注意

ラナ・ウォシャウスキー監督作品『マトリックス レザレクションズ』が全国で公開中だ。今回はトリニティに焦点を当てた話を記しておく。

 

  • 人妻となったトリニティ

『マトリックス』1作目においてトリニティはネオを現実世界に引っ張ってくれる存在で、とにかく強いキャラクターだった。そしてその強さはトリロジーで一貫していた。しかし18年ぶりの最新作『レザレクションズ』でのトリニティはティファニーという名前で、夫と子供がいる人妻という設定。ただ家庭持ちで幸せなのかというと、バイクに乗るのが好きにも関わらず夫からは理解が得られず、それを笑って誤魔化す自分に悔しさを覚えている。ただこれはあくまでも「マトリックス」によって押し付けられている設定であり、トリニティは物語の後半でティファニーという名前を拒否して、トリニティと名乗りネオと共に再び闘うことを決意する。

 

 

  • 構造やシステムによって押し付けられている役割

今回のトリニティのケースは観客が『マトリックス』シリーズでのトリニティを知っているからこそ、ティファニーは「マトリックス」によって押し付けられている役割だと認識している。そして、この手の押し付けられた役割というのは自分たちの生きる現実世界にも多く存在している。例えば本作公開中のリアルタイムの日本では子ども政策の司令塔として新たにつくる省庁名を「こども庁」ではなく「こども家庭庁」とすることが一部から批判されているが、ベテラン議員は「子どもは家庭でお母さんが育てるもの。『家庭』の文字が入るのは当然だ」と発言していると朝日新聞が報じている。また今年話題となった秋篠宮家の長女・眞子さんも小室圭さんとの結婚をめぐる問題で「税金で生活しているのだから、国民の納得する説明をするべき」と批判を浴びたが、眞子さんからすれば政治家のように自らの選択でその道を選んだのではなく、生まれた時からその役割を与えられていて逃れられなかったという話なのかもしれない。トリロジー公開当時は兄弟だったウォシャウスキー監督らが現在は姉妹に性転換しているが、構造やシステムに押し付けられた役割に気づいていないで生きているというのは決してフィクションの話ではないのだろう。

 

※海外のブロックバスター大作にありがちな女優は歳を取るとオファーがなくなるということもメタファーになっているのだろう

 

「子どもは家庭でお母さんが…」 こども家庭庁を選んだ政治家の意識 [自民] [公明]:朝日新聞デジタル

 

 

  • 最後に…

ただこの「気づいていないのは〜」的『マトリックス』のストーリーは「陰謀論」との相性が良く、悪用されてしまうケースが多いのが残念に思う。

 

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