ネタバレ感想
『マトリックス レザレクションズ』が全国で公開中だ。
- 陰謀論に利用される『マトリックス』
トリニティがシステムによって押し付けられていた「役割」、『マトリックス レザレクションズ』
— ゴミ雑草 (@mjwr9620) 2021年12月22日
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『マトリックス』で描かれたシステムに役割を与えられた仮想世界は現実社会の抑圧のメタファーになっている、そのためマイノリティたちに勇気を与えたというのはよく聞く説だ。その一方で「陰謀論」のプロパガンダによく利用されてしまうのが本作の悲しい性だ。
Fuck both of you
— Lilly Wachowski (@lilly_wachowski) 2020年5月17日
現に昨年はリリー・ウォシャウスキー監督がテスラ社CEOのイーロン・マスクとドナルド・トランプ大統領の娘による「赤いピルを飲もう!」「飲んだわ!」とのTwitter上でのやり取りに「Fワード」を送りつけたことも話題になった。
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- モーフィアスの危うさと末路
そんな「陰謀論」に利用されがちな本作だが、『レザレクションズ』ではモーフィアスの最期についても触れられている。モーフィアスは1作目からネオを救世主と信じて疑わないキャラクターで、実際クライマックスでネオが救世主として覚醒したことで、「周りからバカにされながらもネオを信じ続けてたモーフィアスが正しかった」という着地をする。一方で2作目『リローデッド』では1作目同様にモーフィアスは救世主を信じ続けているが、演出的には1作目と違って「あの人基本いい人だけど、あの話題の時だけはちょっと怖いよね」「あの話には触れない方が無難だよ」的な危うい感じが出ていた。その上、『リローデッド』ではネオが救世主だということ自体も「マトリックス」のプログラムによって仕込まれていたことだと明かされることで、モーフィアスはちょっと残念な人みたいになってた。ただ『レボリューションズ』では最終的にネオが機械と交渉してザイオンへの侵攻を止めた訳だから、モーフィアスにとってはネオが仕組まれた救世主だとしても、やっぱり信じてよかった人という認識になったのだろう。
ただ『レザレクションズ』では、そのネオへの信頼が裏目に出たようだ。『レボリューションズ』で人類と機械は和平を結んだが、今度は機械同士の内戦が起きて、結果的に人類は再び危機に陥ることになった。しかしモーフィアスはネオを信じ続けていたことで、再び人類と機械による戦争が起きる訳がないと信じ、その結果命を落としてしまったような説明がナイオビからなされる。その説明を聞いたネオも申し訳なさそうに謝罪していたが、やはり1作目と『リローデッド』で見せていた救世主を根拠なく信じ続ける「自分がこうだと思ってるから、そうに決まっている」的思考が、『レボリューションズ』の結末でより強化され、ネオへの盲目的信頼から「機械同士の内戦」というネオの選択が悪い方向に出た新たな局面を現実として受け入れきれなかった面もあったのではないかと思う。
- 最後に…
人を信じることは人生において大事な選択だが、盲目的になって現実を受け入れられないようになってはならない。しかしそういう状況の時は、自身を客観視できないものなので、中々難しい。
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『マトリックス レザレクションズ』への「構成が下手」「予告編で見せ過ぎ」という批判
— ゴミ雑草 (@mjwr9620) 2021年12月23日
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