ネタバレ注意
ラナ・ウォシャウスキー監督最新作『マトリックス レザレクションズ』が公開されたが賛否が割れている。
- ウォシャウスキー監督の「本音」
ラナ・ウォシャウスキー監督の「××と××」を延々と聞かされた気分になる『マトリックス レザレクションズ』
— ゴミ雑草 (@mjwr9620) 2021年12月17日
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本作の前半、死んだと思われていたネオは再び「マトリックス」に取り込まれており、同シリーズ1作目公開と同じ1999年に発売されたゲーム『マトリックス』を作った人ということになっているが、そこでは「あのトリロジーは凄かった」「バレットタイム!バレットタイム!」とやたら褒め称えるオタクっぽい人達や「『マトリックス4』を作れば凄いことになる」と熱弁する会社員が登場する。初めはラナ・ウォシャウスキー監督がトリロジー自慢をしているのか、とも思ったが、監督自身の自己投影といえるネオがその話にあまりノリ気ではなく、疲れた顔や辛そうな顔で涙を流しているところを見るに、『マトリックス』完結から18年間、『スピードレーサー』『ジュピター』『クラウドアトラス』『センス8』と新作を作るもコケ続け、いつまで経ってもファンも会社も『マトリックス』の話(現に『レザレクションズ』前も複数の続編・前日譚・リメイクの噂があった)ばかりしてきて「もう嫌だ」みたいなラナ・ウォシャウスキー監督の「本音」みたいなものが聞こえてくる気がする。
- 『マトリックス』からの解放
本作はメタ的な前半パートは割と評判がいい一方で、後半パートは賛否が割れている。その背景には本作に対する観客のスタンスが「映像重視」か「物語重視」かで割れていることにある。本作は現実世界に戻った後半においても、ネオは「救世主」、つまりは「伝説の人」と「マトリックス」内でのゲーム開発者と同じ扱いを受けて窮屈そうな描写が続く。そのため、恐らく本作は「ネオの救世主としての役割からの解放」と「ウォシャウスキー監督の『マトリックス』からの解放」を重ねて描いていたのだろう。そう捉えればラストのネオとトリニティが2人で空中を飛び交うシーンも支配と抑圧から解放されて自由を得た2人のありのままの姿として清々しい終わり方だったように思えるし、『レザレクションズ』以降のウォシャウスキー監督がどんな映画を作るのか楽しみになるラストだったようにも思える。
そう考えれば、後半のアクションが『リローデッド』以降の監督作品に見られたCG技術を駆使したド派手な映像ではなく、基本的に正当防衛的な落ち着いた戦闘描写だったのも妹のリリー監督が抜けたことや撮影監督が変わったことだけでなく、意図的なものだったのかもしれない。ただそこら辺を踏まえても映像的に「物足りないな…」と思えてしまうのも事実なので、「物語重視」派にはポジティブに、「映像重視」派には「微妙…」となってるのだろう。
- 最後に…
日に日に「『マトリックス レザレクションズ』、良かったな…」と思っている。
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