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【アダムス・ファミリー】ティム・バートン監督・Netflixドラマ『ウェンズデー』の主人公の自己肯定感が高い理由は親の愛故か

Netflixオリジナルドラマ『ウェンズデー』を観た。

 

 

  • 皮肉屋主人公の学園ドラマ

本作はチャールズ・アダムス作の一コマ漫画『アダムス・ファミリー』の長女・ウェンズデーが主人公のオリジナルドラマ。両親の出会いの場となったネヴァーモア学園に入学したウェンズデーが新たな友や敵を作りながら猟奇殺人の謎を追う学園ミステリー。冒頭から弟をロッカーに閉じ込めてイジメた男が泳ぐプールにピラニアを放ち、玉なしにして子孫を残せなくするインパクトあるやり過ぎ復讐劇から始まり掴みは最高。ネヴァーモア学園のビジュアルはティム・バートン監督らしさ全開のゴシック様式で、主人公が寮の部屋のカラフルなステンドグラスを半分モノクロに染めて他者との一線を引く尖った性格も堪らない。「SNSは承認のための空虚な手段よ」など皮肉の効いたセリフが飛び出す一方で中盤では意中の男と参加したダンスパーティでノリノリな踊りを披露したり、同じ寮の部屋の住人との友情を育み成長していくベタな学園要素が楽しめる。ドラマ全体の縦軸となる猟奇殺人の謎も適度な引っ張りとなっており、サクサクと観れて楽しめた。意外にも人死が多いのも面白い。クリーチャーのCGがややショボいのが残念だったが、そこまで気になるものでもない。

 

 

  • 主人公の自己肯定感の高さは親の愛故か

シザーハンズ (字幕版)

チャーリーとチョコレート工場 (吹替版)

ところで本作の主人公・ウェンズデーは変わり者で周囲に除け者扱いされて、場に馴染めないというのは「如何にもティム・バートン監督作品の主人公」という感じだが、意外にも他作品の主人公と違って自己肯定感は高い。ティム・バートン監督の過去作品の主人公を振り返ると親の愛に飢えている印象を受ける。実際『シザーハンズ』の主人公・エドワード(人造人間)は完成目前で生みの親である老発明家が突如発作を起こして亡くなってしまったことで「未完成」のまま山奥で1人孤独に過ごしていたし、『チャーリーとチョコレート工場』の主人公・ウォンカは圧倒的成功によって表面上は自信に満ち溢れていたが、内心は過去に歯科医の父親から「チョコレートが好きな自分」を認めて貰えなかったがトラウマとして残っていた。他にも『バットマン リターンズ』のヴィラン・ペンギンは奇形故に冒頭から親に川に捨てられ、『ダーク・シャドウ』のヒロイン・ヴィクトリアは「見えないものが見える」ことから両親から捨てられた過去を持つ。一方でウェンズデーは一般感覚とはズレてるのかもしれないが、親から愛されている存在。しかも自身の性格について根本的に否定されることなく育てられている。やはりあの自己肯定感の高さは親の愛故なのか、と考えさせられる。

 

 

  • 最後に…

ビッグ・フィッシュ

ちなみにティム・バートン監督は父親との折り合いが悪かったというが、父親が亡くなったタイミングで自己カウンセリングの意味も込めた父と子の和解の物語『ビッグ・フィッシュ』を制作している。

 

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