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『【推しの子】』でアクアことゴローが「さりなは地獄に生きていた」と評した理由とルビーは2人の母親の心情を理解できるのか問題

【推しの子】 7 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

テレビアニメが好評放送中の『【推しの子】』の原作は現在クライマックスに向けて盛り上がりを見せている。

 

最新第百九話ではルビーの前世・さりなの母親が登場。アクアこと前世・ゴローはさりなの母親に気付き家族のことについて探ると彼女の54歳の誕生日を夫と成人済みと思われる子供2人に祝われる仲良しファミリーの写真を見せられる。アクアはこの写真を見せられて「ああ こんな事があるのか こんな親が居るのか さりなちゃん 君は 地獄に生きていたんだね」と絶望する。このシーンに対してコメント欄では「何が地獄なの?」とか「遺影と一緒に写真でも撮れたというのかよ」みたいな投稿があってビックリした。第七十五話を読み返して貰えば分かると思うが、さりなの両親は都心で働いてるにも関わらず病気の彼女をアイが出産時に「ここならバレないと思ったのに」と評する程遠く離れた宮崎の田舎の病院に入院させた挙句(追記:第百二十一話によると両親の地元)に見舞いは愚か最期の時すら顔を見せなかった。

 

 

それならさりなの両親は最初からあまり子供に興味のないタイプの親だったのかな、と思いきや最新話で見せられた「仲良し家族」の写真。きっと常日頃から周囲の人に写真を見せているのだろう。そして極め付けは「子供なんてね 健康でいてくれればなんでも良いのよ」という病気で亡くなったさりなを完全に否定するセリフ。彼女の入院期間を共に過ごし、最期を看取ったアクアことゴローにとっては、当時のさりなと家族の関係を考えれば「地獄」と評するのは至極当然のことといえる。

 

一方でルビーことさりなはアイの半生を描く映画の主演として「心の奥底では 絶対 親は子供を愛するものなんだから」と断言して、映画台本の「自分を異物と認め 母親から愛されてないと認めるシーン」の意味が理解できずに演技に詰まる。さりなは第百十五話で自身の親の「私の存在から目を背けたい」という気持ちを察していた。それにも関わらず、転生した後も尚自らが前世の親にも愛されていたと信じたいのだろう。

 

 

本作は母親の愛を知らないキャラクターが多い。アクアことゴローの母親は出産時に死亡。アイの母親も窃盗で逮捕された後に釈放されるも施設に預けられた彼女のことを迎えに来なかったことから自身について「人を愛した記憶も愛された記憶も無い」と述べていた。

 

第百十六話で不知火フリルは映画の是非は「アイ役がどういう演技をするかに掛かっている」「アイが 自分を殺した男を許すか どうかで 全てが決まる」、としていた。ルビーはアイが自身を殺した男を許した場面には居合わせなかった。そして子供を愛さない親の気持ちもそれを認める子供の気持ちも分からない。果たしてルビーはアイ、そして前世の母親の心情を理解し演技に落とし込むことが出来るのか…

 

 

最後にさりなの母親と五反田監督のキャラデザ被ってるのがややノイズ。

 

【追記】第百二十話でさりやが母親から言われた「愛してる」を「嘘じゃない」と信じたいみたいだけど、アイの最期の言葉と合わせると、もう…、みたいな気持ちになる

 

【追記2】第百二十一話を読んで「ルビーにとっては辛い現実だけど、母親も母親で辛い面はあるよな… ルビー可哀想だけど…」とか何とか思った。

 

 

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