宮崎駿監督『もののけ姫』は「難解」と評されることが多い。
- 宮崎駿監督のタイトル案は『アシタカせっ記』
A-2:宮崎さんは『アシタカせっ記』を推していましたが、鈴木さんがこっそり、金曜ロードショーで『もののけ姫』というタイトルの特報を放送して確定させちゃいました。
— スタジオジブリ STUDIO GHIBLI (@JP_GHIBLI) 2021年8月13日
個人的に本作が「難解」とされる理由の一つには宮崎駿監督のタイトル案が『アシタカせっ記』だったのに対して、実際に公開されたタイトルが鈴木敏夫プロデューサー判断の『もののけ姫』だったことにもあるのではないか、と感じる。
- 主人公はアシタカ、しかし…
本作の主人公はアシタカであり、タイトルが『アシタカせっ記』ならば、多くの鑑賞者が「この映画の主人公はアシタカだ」という認識で物語を観始めることが出来だろう。しかし『もののけ姫』というタイトルと口が血で染まったサンのビジュアルを見せられた後だと、どうしても「本作の主人公はサンだ」と誤認してしまう。
- アシタカのポジション
そして「主人公がサンだ」という認識で映画を観ると「森を守り人間を憎むサンと自分たちの生活を豊かにするために森を切り開くエボシ」という対立構造は分かり易い反面、アシタカが「結局お前はどっちの味方なんだ?」と「宙ぶらりんな存在」のように感じられる。ただ「アシタカが主人公」という認識で映画を観れば、アシタカは「サンとエボシの対立の間に立つ第三者」という比較的分かりやすいポジションとなる。雑な表現をすればアシタカが主人公のダブルヒロインモノだ。
- 最後に…
そんなこんなで「『もののけ姫』って難しいんだよな〜」みたいな人は「サンではなくアシタカが主人公」ということを強く意識してみると、大分観やすくなるのではないか、と感じる。
- 関連記事