『GANTZ』『いぬやしき』など数々のヒット作を生み出してきた奥浩哉先生原作の時代劇漫画を読んだ。奥浩哉先生は現在小学館の『スペリオール』で『GIGANT』を連載中にも関わらず、掛け持ち連載するというのはそれだけで尊敬の念を抱いてしまう。
[第1話] 奥浩哉原作 時代劇新連載 - 原作/奥浩哉 作画/ 花月仁 | となりのヤングジャンプ
ネタバレ踏まずに読めた人が羨ましい https://t.co/znSFbf3MS4
奥先生の最新作は『となりのヤングジャンプ』というWEB漫画で第一話を無料で公開しているのだが、自分は残念ながら読む前にネタバレを踏んでしまった。
ここから下はそのネタに触れながらの感想になるので、ネタバレをまだ踏んでいない人は是非「ネタバレなし」で読んでほしい。
以下ネタバレ
実はこの漫画、奥浩哉先生の完全新作の時代劇漫画だと思ったら、最後の最後で『GANTZ』のスピンオフ漫画(という表現が適切かは不明だが…)だということが判明する。
『GANTZ』は奥浩哉先生が『週刊ヤングジャンプ』で連載していたマンガ。コミックス累計発行バスは2100万部を超え、実写映画やテレビアニメ化、劇場アニメ化もされたヒット作品。
設定はガンツ玉によって死んだ人間・動物を蘇らせ、「星人」と呼ばれる正体不明の怪物と戦うミッションに強制的に参加させられるというモノ。アクションゲームのようにミッションが変わる毎に舞台が「寺」「展示場」「大阪」と移っていき、そのステージに合わせた敵が登場して主人公たちのチームが攻略としていくという感じで物語が進んでいく。週刊漫画連載という形態を考えればこれ以上の設定もなかっただろう。
『GANTZ』のオリジナル版は横の広がりや外への広がりは見せても、縦への広がり、つまりは時間軸の広がりは見せていなかった。しかし本作では江戸時代にガンツ玉が登場することで縦の広がりを見せたことになる。そして縦にも広がったということは、同時に『GANTZ』にはまだ様々な可能性が秘められていることを意味する。改めて凄い設定だと感じた。
ただ唯一残念だったのは多くの人が本作を完全新作の時代劇ではなく『GANTZ』の新作だというネタバレを半強制的に喰らわせられたこと。何故ならトレンドに『GANTZ』がランクインして、そのトレンド内容を調べると上位にネタバレ画像が投稿されているからだ。自分もネタバレを喰らわずに主人公たちが川に流される子供を救ったが、彼らが溺れ死にそうという場面で「アレ?」という既視感を感じて最後の見開きページを見て「やられた!」という感覚を味わいたかった… さすが公式のネットニュースは「タイトルを書くだけでネタバレになる」として伏せる考慮をしていたが…
ネット社会によってこの作品を瞬時に知ることが出来て良かったという反面、ネット社会によってこの作品を読む前にネタバレを喰らってしまって残念という複雑な気持ちにさせてもらった。