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サム・ライミ監督版『スパイダーマン』シリーズのヒロイン・MJは「ビッチ」なのか【前編】

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サム・ライミ監督版『スパイダーマン』はこれまでの同コミックスの実写映画版シリーズの中で最高評価の声が多い一方で、ヒロイン・MJに対して「ビッチだ」というネガティブな意見もよく見かける。

 

  • 「ビッチ」とは!?

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個人的に「そんなビッチな感じだったかな〜」と思い、まずビッチの意味を再確認する。

ビッチ(英: bitch)は、女性に対する罵り文句として用いられることのある俗な表現である。とりわけ「(誰とでも寝るような)とんでもない尻軽女」という意味合いを込めて用いられる場合が多い。それが事実かどうかは度外視して「そういう雰囲気をまとっている女」という意味合いで用いられることも多い。

日本語においては「ビッチ」という表現は比較的軽い意味合いで用いられる傾向があり、特に女性同士の会話では「男遊びしていそうな雰囲気」という程度の、否定的ニュアンスも特に意識されない意味合いで用いられる場合がある。

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この定義によると事実関係は置いといて、そういう雰囲気さえあればビッチ扱いになってしまうようだ。そのことを踏まえてシリーズ内でのMJの恋愛遍歴を振り返ろうと思う。

 

 

  • 1作目の前半はイジメっ子から親友へ

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まずは記念すべき1作目。MJは冴えない主人公・ピーター・パーカーの隣の家に住む女の子。俗に言う幼馴染ポジションで、ピーターは小さい頃から彼女に惚れている設定。一方でMJはピーターのことをイジメる見るからにガタイのいいフラッシュと交際している。所謂「自分の小さい頃から憧れの女の子が、自分をイジメる嫌いなアイツと付き合っている」という非常に惨めな状況。この段階でのMJの服装は露出も高く、彼氏含めた友達と夜から遊びに行くなど、雰囲気さえあればビッチという定義に当てはめるなら、十分ビッチといえる感じ。

一方でMJは高校卒業と同時に彼氏に別れを告げる。相手は別れ際に結婚も視野に入れてたような素振りを見せることから、その点においては意外と真面目な奴だったのかもしれない。その後、ピーターとの恋愛が始まるのかと思いきや、MJが交際するのはピーターの親友・ハリー。ピーターに感情移入しながら観てると「イジメられた奴の後は、よりにもよって親友に行くのかよ…」と精神的には違うベクトルへ辛い方に行った感も否めないが、高校卒業後のタイミングで別れて新たな彼氏を作るというのは別に変な話ではない。寧ろ彼氏がハリーに変わったことでビッチ度は下がったとまでいえる。

 

 

  • 名シーンへ

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ただ家庭環境の悪い家で育ったMJは家柄の良いハリーに内心コンプレックスを感じているのか、関係性は必ずしも良好ではない。では次こそピーターに、かと思いきやMJが恋心を示すのは自身を助けてくれたスパイダーマンの方へ… とはいってもスパイダーマンの正体はピーターであり、姿を隠して活動するキャラである以上、映画としては「ずっと好きな女の子が好きになったアイツの正体は自分」「でもこれは誰にも言えない秘密」という最高の展開。また、この展開によりあの雨の日の口元だけをマスクから出したスパイダーマンとMJのキスシーンに繋がるのだから、MJがスパイダーマンを好きになる展開は映画として必然ともいえる。一方でこのキスをしているのは、ハリーとの食事の約束に向かう途中。自分がハリーなら、MJ視点では偶々2回助けてくれただけの正体不明の男と自分との約束に向かう途中でロマンチックにキスをしているなど全く持って面白くない展開で、ビッチ認定もしたくなる。

ただ、その後の展開でMJはハリーの父親が「あの女は財産目当て、やるだけやって捨てろ」と酷い言葉を発しているのを聞いてしまい、ハリーも彼女を庇うのではなく父親の方を擁護する残念さを見せつけられる。そのためMJは本格的にスパイダーマンに恋をしていくが、最終的に自身の命が危なくなった時に頭に思い浮かんだのがピーターだったことから「ずっとそばに居てくれたのはピーター」と気づき告白。ただこれも我々はピーター視点で物語を観てるから「ようやく、こっちに来たか」感を持つが、第三者視点で観るとハリーとの恋愛で自己肯定感を失ったMJがスパイダーマンに救いを求めようとするも現実的ではなく、精神的に弱っているところで常に自分を持ち上げてくれるピーターに甘えたくなったようにしか見えないのも事実。現に交際を断られた際の戸惑いは自身の告白が受け入れられないとは全く想定していなかったように見えた。

 

 

  • 最後に…

そんなこんなでMJが1作目で交際したのは劇中で描かれている範囲では高校在学中に1人、高校卒業後に1人で、恋心を抱いたのは交際した2人にスパイダーマンとピーターを加えて4人。一本の映画のメインヒロインとしては多い感じはするが、現実世界のタイムスパンに当てはめれば常識的な範囲。一方で前述したようにMJ視点では偶々2度救ってくれただけのスパイダーマンに恋心を抱くなど、恋愛体質であることは間違いない。最後にビッチかどうかと問われれば、そういう揶揄をされても仕方ないくらいな感じではあったけど、あまりそうやってネタにするのも如何なんだろうかと気もする。ちなみに『2』『3』でのMJの恋愛遍歴も中々。

 

  • 後編

 

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