5代目・道枝駿佑版『金田一少年の事件簿』放送開始!シリーズ初のリメイク『学園七不思議殺人事件』ネタバレ感想

イブニング 2022年9号 [2022年4月12日発売] [雑誌]

5代目・道枝駿佑版『金田一少年の事件簿』の放送が開始した。

 

  • 『学園七不思議殺人事件』をリメイク

初回はシリーズ初のリメイク『学園七不思議殺人事件』。本事件は原作では4番目の事件ではあるが、美雪が襲われることで金田一が初めて祖父・耕助の名をかけて謎に挑むエピソードであり、テレビドラマ版及びテレビアニメ版の初回にも選ばれた記念すべき事件である。

 

 

また道枝駿佑版の演出は4代目・山田涼介版に続き木村ひさし監督が担当。木村ひさし監督は初代・堂本剛版を演出した堤幸彦監督の事実上弟子に当たり、『トリック』シリーズを共に演出した関係性。そんな木村ひさし監督が堤幸彦監督が演出した『学園七不思議殺人事件』を演出するというのはちょっとした運命を感じるし、あまり煽るべきではないとは思いながらも「師弟対決」という見方もついついしてしまう。そんな本作、堤幸彦監督演出版は冒頭からスタンリー・キューブリック監督作品『シャイニング』先を公言しているだけあってステディカムを使って撮影されたと思われる長回しで「まるで本当に夜の学校内を一人で探索している」かのような緊張感があり引き込まれる。スモークの炊き方も素晴らしい。一方で木村ひさし監督演出版の冒頭も負けていない。開幕早々「学園七不思議」の謎を基本モノクロ映像も血などの「赤」のみをカラーにするスティーブン・スピルバーグ監督の『シンドラーのリスト』を連想させる映像で心を掴んでくる。コンセプト通り「ホラー」を全面に打ち出すことの宣言に見えた。また今回の独自演出として的場が目の開いたままの死体を校舎の柱に縛り付けて塗り埋めるシーンを描いていたのも好きだった。

 

※堂本剛版の尾上を金槌で殺害するシーンは叩き方が謎に優しめでヘンテコなシーンになってたけど、道枝駿佑版は思いっきり叩いているのも良かった

 

 

  • 尺の都合か物足りず

一方で全体の出来としては「圧倒的に尺が足りてない」と思わざるを得ないものだった。まず歴代『金田一少年』4作品の初回は全て連ドラ1話目ではなく単発のスペシャルドラマで放送時間も2時間枠だった。しかし道枝駿佑版の初回はスペシャルドラマではなく通常の連ドラ枠の1話目で、尚且つ拡大放送といっても85分しかない枠だった。そのため、どうしても駆け足で謎解きに終始しているような印象を受けた。これは2時間枠でオリジナル要素を加えながら丁寧に事件を描いた堂本剛版『学園七不思議殺人事件』とは対照的なアプローチだ。特に最初の被害者であるミステリー研究会の桜樹先輩と金田一の対面シーンがないのは原作の展開関係なく純粋にドラマの脚本として上手くない。勿論、金田一も部員なのだからドラマで描かれていない部分での面識はあるのだろうが、美雪が襲われるシーン含めてやけにアッサリした印象を受けた。これは原作から仲良い設定が足された立花良造も同様で、折角のアレンジがそこまで活かされていないな、と感じた。ここら辺の人間関係の描写がアッサリとしたものになってしまったのは、やはり尺の都合としか思えず、初回なのだからやはり2時間枠が欲しかったのが正直なところだ。「ワイヤートリック」の解説や「六不思議が作られた背景」などもカットされているので、ミステリードラマとしてもダイジェスト感が半端ないものになっており、色々と勿体なさを感じた。

 

※原作、堂本剛版、アニメにおいての桜樹先輩はIQが高いも周囲からはバカにされている金田一の本当の才能を見抜いた存在として登場していたが、道枝版ではそこがカットされていて「なんだかな…」という感じ

 

※「ワイヤートリック」というチマチマした誤推理をカットしたことで金田一が解き明かす犯人の大胆なトリックとのギャップ的面白さはなくなってしまった

 

※恐らく今後の事件も真壁を絡ませる予定故に鷹島友代の存在は脚本的に都合が悪くなるから消されたのだろうが、ちょっと残念

 

※「六不思議」の作られた背景が消えたことで美雪が井戸に落とされてない理由がなくなってしまったのも「改悪」感があった

 

 

  • 最後に…

色々と文句多めになってしまったが、来週以降も楽しみな道枝駿佑版『金田一少年の事件簿』。最後に的場と立花が「救済」されたのもメディアミックスの醍醐味だと感じた。的場の場合、あそこで生き残ることが本当に「救済」なのか微妙なところだが…

 

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