『サイバーパンク: エッジランナーズ』キーアートも解禁!
— Netflix Japan | ネットフリックス (@NetflixJP) 2022年6月9日
CD PROJEKT RED x TRIGGERによる10話構成のオリジナルアニメーションシリーズ。
2022年9月より全世界独占配信スタート!#cyberpunk#Edgerunners #GeekedWeek pic.twitter.com/xcTTIUXQLN
Netflixオリジナルアニメ『サイバーパンク エッジランナーズ』を観た。本作はゲーム『サイバーパンク2077』のスピンオフアニメだが、ゲーム未プレイでも問題なく楽しめる。
- ディストピアでの「ボーイ・ミーツ・ガール」
【ネタバレ注意】『サイバーパンク エッジランナーズ』インタビュー| ファミ通
— ゴミ雑草 (@mjwr9620) 2022年11月6日
→ほかの人から見れば無意味な死なんですが、本人にとっては納得がいく、意味のあった死という立ち位置
→ルーシーは途中から月に行くことは目的ではなくなっていたhttps://t.co/YheCjVQgRn
本作は日系企業アラサカなどの巨大企業に支配されたディストピア都市ナイトシティを舞台に母親を亡くした低所得な少年・デイビッドと少女・ルーシーによるボーイ・ミーツ・ガール。本作のキモはルーシーの夢が「月に行くこと」から「デイビッドに生きて欲しい」に変わっているにも関わらず、デイビッドは自らを犠牲にすることも厭わずにルーシーの「月に行くこと」を叶えるために行動をし続けるというすれ違い。
- ルーシーの夢は「月に行くこと」から…
確かにルーシーはデイビッドと初めて会った時に夢は「月に行くこと」と語っていたが、4話目のラストでデイビッドが「俺が君を月に連れて行くよ、約束する」と伝えると、彼女は「死んで欲しくない」と「月よりもデイビッドに生きて欲しい」ということを結構ハッキリと言っている。しかもルーシーはこの手前で「あの日話したこと、あれは嘘じゃなかったから」「誰かとやるの初めてだったっての」とも発している。このセリフをデイビッドは「月に行く夢」と認識したっぽいが、ルーシー的にはおそらく「誰かとやったのは初めて」ということに重きを置いていたのだろう。そしてルーシーとデイビッドがキスをすると、場面がナイトシティから月に変わるのは、彼女にとって彼と一緒にいることは夢だった「月に行くこと」と同義だったことを意味していたのだと思う。だからルーシーは7話目の終わりでデイビッドに「多分私は今はもう自分のことで怖がらない、今怖いのはあなたが…」と彼がいなくなるのが怖い、と言いかけるし、デイビッドを守るためにタナカの脳を焼くなどの行動に出る。
- デイビッドとルーシーのすれ違い
そもそもルーシーが「月に行きたい」と思っていた理由は彼女がナイトシティを地獄と思っており、どこか遠くに行きたかったからであり、多分「月に行くこと」そのものにはそこまでの拘りはなかってのではないか、とも感じる。そのため彼女の夢はデイビッドと一緒にいることで既に叶っていた、との見方ができる。しかしデイビッドはそうは思っていなかった。だから最終回でルーシーの「私なんか守らなくていい、あんた自身が生きてくれていればそれだけでよかったのに…」との心情吐露に「俺のことはいいんだ、何もない俺の代わりに君が君の夢を叶えて欲しい、それが俺の夢だ そのためなら他の何を失っても悔いがない」と答える。でもルーシーの夢は当初の「月に行きたかった」から「デイビッドに死んで欲しくない」に変わっていたから、デイビッドが自分を犠牲にしてルーシーの夢の叶えようと行動すればする程、彼女の夢の実現は遠ざかるという悲しい構造が生じる。だからデイビッドからの最後の報酬で月に行く時もルーシーの表情は「心ここに在らず」という感じ。そしてデイビッドの幻影を見ることで笑顔を見せ、その幻影が消えて寂しそうな表情を見せるのは彼女自身が本当の意味で「自分の夢が月に行くことではなくデイビッドと一緒にいることだった」、そして「デイビッドはもういない」ことを理解したシーンだったのではないか、と思った。
- 最後に…
ラスト、涙を堪えるように顔を上げ、太陽の光を浴びる彼女は何を想っていたのか…