スポンサーリンク

【広瀬すず×櫻井翔】事件の黒幕とアンナが賭けた世界への希望の対比、夢が現実になる『映画ネメシス 黄金螺旋の謎』ネタバレ感想

映画チラシ『ネメシス 黄金螺旋の謎』5枚+おまけ最新映画チラシ3枚  

『映画ネメシス 黄金螺旋の謎』を観た。

 

  • 意外にもSFなテレビドラマの映画版

「ネメシス」Blu-ray BOX

本作は2021年に日テレで放送されていたテレビドラマの劇場版。放送前は「『ラプラスの魔女』の広瀬すずと櫻井翔が共演」、放送中は「広瀬すずと同世代の人気女優・橋本環奈との共演」とキャスティングが話題となっていた。ストーリーは事件を推理する際に別の世界に「入る」ことで集中する広瀬すず演じる「探偵事務所ネメシス」の助手・アンナが解いた謎を自称「名探偵」の櫻井翔演じる風間が披露するというミステリードラマ。コメディ色の強い作品だが、物語の後半ではアンナが「世界初のゲノム編集ベビーGE10.6」であることが明かされ、物語は意外にもSF展開となる。とは言っても、本作の入江悠総監督は過去に『太陽』『AI崩壊』などのSF作品も手がけているので、そういう意味では意外ではないのかもしれない。

 

以下ネタバレ

 

 

  • 伏線だらけの99分、アトラクションのような映画

そんなテレビドラマの映画版では「一人暮らしを始めたアンナが毎晩悪い夢を見るけど、それが現実に!?」的な物語が描かれる。「伏線だらけの99分!」とのコピーがついているように、「アンナの収入では到底住めそうにない日当たりの良い広い部屋を彼女はかなりの安値で住んでいる」「真木よう子演じるジャーナリストの神田は現在の格差社会に対して取材をして、富裕層に対して社会的弱者が強い怒りを持っているとの記事を書いている」「風間が誰かと連絡を取り合っている」など本編の要所要所に挟み込まれる違和感が、最終的に伏線として回収されるので中々愉快。本作について櫻井翔は舞台挨拶で「アトラクションのような映画」と評したが、派手なカークラッシュシーンから連ドラでアンナの仲間になった人々が次々と殺されるショッキングなシーンにバーチャル空間で繰り広げられるカンフー風のアクションなど、次々とエンタメ的見せ場が放たれるので、確かにアトラクションのような作品。「アンナを脅迫するための特定の夢を見せる装置」のビジュアルもシロがベースで青いライトを光るタイプとシンプルな近未来感があって良かった。

 

 

  • 革命ではない形で社会の変化を望むには…

またコメディ色強めの作風に対して「ゲノム編集ベイビーの技術が富裕層に独占された場合、この社会は更に格差が広がり大変なことになる」との問題提起をしながら、「学校もロクに行けなかった社会的弱者の若者を使って革命を起こすことで社会を変えようとした神田」と「分割したバラバラのデータを世界各国に送り、世界が一つになったときにデータが復元できるように仕組んだ風間の提案、言い換えれば甘々の理想論なのかもしれないけど世界が一つになって多くの人が平等に恩恵が受けられる社会になる希望に賭けたアンナ」の対比を描き、社会に対してのメッセージも発している。アンナが神田が黒幕である写真とデータを焼却しながら自身の頬を叩いて「これが夢じゃない」と確認することで、この件を現実として受け入れ、また一つ大人なってみんなの元に戻っていくラストはしんみりさせられた。

 

 

  • 最後に…

と思ったら、この手の「夢」をテーマにした作品ではお約束のアンナの目が覚めて「この映画で描かれたことは全部アンナの夢だったのかも!?」と匂わせてエンドクレジット。果たして本作で描かれたことは全部アンナの夢だったのか、現実なのか… その答えは本作が大ヒットして続編が製作されれば分かるかもしれない。

 

  • 関連記事

mjwr9620.hatenablog.jp

mjwr9620.hatenablog.jp