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新海誠監督『すずめの戸締まり』鈴芽の叔母・環さんの行動で細田守監督『竜とそばかすの姫』の大人たちが再批判される理由

映画チラシ『すずめの戸締まり』別バージョン+おまけ最新映画チラシ1枚

新海誠監督最新作『すずめの戸締まり』公開によって細田守監督『竜とそばかすの姫』に再び批判の目が向けられている。

 

  • 『竜そば』の大人描写への批判

竜とそばかすの姫

昨年公開の細田守監督『竜のそばかすの姫』は「大人たちが女子高生の主人公・すずを他人のDV親父の元へ1人で行かせてしまう」という描写が、劇場公開中、アマプラ配信開始、地上波初放送と節目節目で話題となり批判に晒された。実際、自分もおばさんたちがすずを電車で送り出すシーンには「いや、お前たちはついていかないんかい!」とツッコんだ記憶がある。

 

 

  • 他人のスポーツカーに乗り込む環さん

一方で新海誠監督最新作『すずめの戸締まり』の女子高生の主人公・鈴芽の叔母・環さんは鈴芽が家に帰らないと知ると「鈴芽はちゃんとしっかりした子だとは思うけれど一般的にも経済的にも身体的にも十七歳というのはやはりまだ子供です」という趣旨の長文LINEを複数送りつけながら、仕事を休み、交通履歴から宮崎から東京まで鈴芽を追いかけ、見つかった鈴芽が芹澤の赤いスポーツカーで逃げようとすると、車にガシガシと強引に乗り込みついて行こうとするファインプレイ。『竜そば』ですずを見送ったおばさんたちとは正反対の動きだ。あまりの行動力に車のシーンは笑ってしまったが、冷静に考えればこれが子を心配する大人として当然の行動だ。

 

 

  • 描かれた「1人の人間」としての側面

また『竜そば』には「あのおばさんたちは一体どういう人達なんだよ!」という趣旨の批判もあった。実際、この手のティーン向けアニメに登場する大人はやたら子供たちに理解がある風ではあるが、よくよく考えるとただ単に物語にとって都合の良いだけの記号的な存在であることも少なくない。一方で『すずめの戸締まり』の環さんは中盤で12年前に鈴芽を引き取ってからの心情吐露があり、主人公に奉仕するだけの役割ではなく、1人の人間としての側面も見せる。ここら辺も『竜そば』を筆頭としたティーン向けアニメの大人描写に不満を覚える層から一定の評価を得るポイントとなっているようだ。

 

 

  • 最後に…

まー、個人的には『すずめの戸締まり』の環さんの心境吐露描写まではいかないが、『竜とそばかすの姫』の深夜バスでのすずと父親とのメッセージのやり取り描写は子に対して正しく親の役割を務めているとはいえないのだろうが、アレはアレで結構好き。

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