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【三谷幸喜・鎌倉殿の13人】北条政子「泰時はあなた(義時)に似ている」、最終回サブタイトル『報いの時』の意味

鎌倉殿の13人 完結編 NHK大河ドラマ・ガイド

NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』最終回『報いの時』を観た。

 

  • 三谷幸喜「最後に幸せになっていいんだろうか」

三谷幸喜は義時の最期について『朝日新聞』のコラムで脚本脱稿時に「今までの大河ドラマにはない衝撃的なラスト」「アガサ・クリスティのある作品を参考にした」、特別番組内で「いろんな人の死に関わってきた彼が、最後に幸せになっていいんだろうかという思いがすごくある」「彼なりの最後をきちんと描くべきではないか」などと発言していた。また最終回は『報いの時』とバッドエンドを予感させるサブタイトル。これまでの三谷幸喜の史実とフィクションを上手く織り交ぜた神展開の数々や視聴者の義時への不満が混じり合い、SNSでは「如何に義時が不幸な最期を迎えるか」について、やれ「毒殺」やら、やれ『オリエント急行殺人』やら、やれ『アクロイド殺し』やらと考察合戦が巻き起こり、視聴者によるラストへの期待は物凄く膨れ上がっていた。

 

 

  • ラストは政子が義時の薬を…

そんな大注目の最終回、まず大方の予想通り義時の妻であるのえが義時に「毒」を持って弱らせていたことが判明。更にその「毒」を三浦義村が用意したものだということも明かされる。ただのえと義村によって盛られた「毒」が義時の直接的な死因ではない。身体が弱りきった義時は姉・政子と大河ドラマの最終回らしく「私たち未来ではどんな風に言われているのかしら、私なんて悪女扱いされてたりして…」「それはないでしょ」と談笑しながら、義時もしんみりした感じで「頼朝様が亡くなってから血が流れ過ぎた…」とこれまで血の流れる死に方をした者たちの名前を挙げながら「これだけで13人」と振り返る。すると政子は「何故そこに頼家の名前があるの?」と尋ね、義時が「病死した」と嘘をついていたことが発覚。そのタイミングで義時の身体が動かなくなり政子に「薬を持ってきてくれ」と頼むが、まだまだ血を流す気満々の義時を止めるために政子は薬を破棄。床に落ちた薬を義時は舐めようとするも、政子は服で拭き取ってしまい息子・泰時は「あなたに似ている」と伝えて完結。これは政子が「グレーだった頼家の死因が弟によって語られたこと」への動揺に加えて、このままだと運慶の掘った像のように人間ではない得体の知れない何かに義時がなってしまうからその前に止めた、という感じなのだろう。三谷幸喜曰く本作は「家族の話」、それも「義時と政子の関係の話」だからこそ最後のシーンはこの2人だったのだという。

 

 

  • 最終回のサブタイトル『報いの時』、意味は…

正直、頼朝の死の際にも三谷幸喜は「『草燃える』での頼朝の死の描き方が自分のイメージと違ったから、僕なりに思った『自分だったら、頼朝のラストはこうする』という構想をあたため続けていた」とハードルを上げておきながら割とベタな描き方をしてきた。そのため義時の最期も「何だかんだ言ってしんみり方向に行くのかな」と思ってただけに政子が「なんで頼家もそこに入ってるの?」と義時に尋ねた際には戦慄した。本作はただ単に意表を突いた胸糞の悪いバッドエンドを描いたのではなく、泰時というこれからの「希望」を提示していた。最終回のサブタイトル『報いの時』はこれまでの義時の悪行に対しての「報いを受ける時」という意味と同時に、義時がこれまで目をかけてきた泰時に想いを託すことができた「報われた時」のダブルミーニングだったのだと思う。

 

 

  • 最後に…

最早冒頭で来年の大河ドラマの主人公である松潤演じる家康が登場したのが遠い昔のようだ。

 

  • 追記

本作はサブタイトルがダブルミーニングになっていたことが多かったけど、タイトルの『鎌倉殿の13人』そのものが「義時から見た鎌倉のために血を流した13人」と「政子から見た13人」、つまりは「13人目は義時、あなたよ」というダブルミーニングになってた

 

 

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